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神話の英雄譚  作者: わらびもち
第十一章 作戦会議
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第68話 調べ物

 船で海を渡った次の日、おれ達は港町を出てラライアに向けて出発した。旅の疲れは少しずつ溜まっているが、この程度なら休むほどではない。


 というかどうせラライアに着いても時間があるのだからそこで休めばいい。おれ達3人は、まるで疲れを知らないゾンビのようにずっと旅を続けていた。


 そして半日歩き、おれ達はとうとうラライアに着いた。日が暮れ始めた時間だった。会議は明日の午後7時だったからちょうど1日後に始まる。それまでは結構暇になるな……。


「明日までどうする? おれは図書館でも行って調べ物しようと思うけど」


「ポラスリ山だっけ? エストの住んでたところを探すんでしょ? 私も行くわ」


「儂もやりたいことはないしな……お前達についていくよ。泊まるところは用意してくれているようじゃし、早速行くか?」


「そうね。奥の方にありそうよ」


 セリアは街の地図を見てそう言った。少し歩いたところに大きな図書館があるようだ。おれ達は街の入り口から足を進めてその図書館へと向かった。そこで世界地図を広げ、グラセラ大陸の地形を調べてみる。


「んんー? ポラスリなんて山ないわよ? 本当に合ってる?」


「名前は間違ってないと思うんだけど……確かに無いな……。別の土地なのかな……?」


「うーん……。多分(グラセラ)大陸だと思うんだけどなぁ……。やっぱり違う名前だったりしない? 別の呼び方があったりさ」


「いやぁ……そんなことは無かったけどなぁ……。いや、おれもじいちゃんも世間知らずだから知らないだけかもしれねぇけど……」


「大体の地形が分かってるなら地図の上から探せるんじゃないか?」


「あのなぁ……おれがまともに地図なんて見れる訳がないだろ」


 おれは堂々とそう言った。そりゃあおれは地図なんて見れないさ。だから地図上にその名前がないなら調べられない。現地に行けば流石に分かるだろうが、記号ばかりの紙を見ただけでは何も分からない。


「んー……。エストから聞いた話だとグラセラ大陸だと思ったんだけど……違ったのかな? 今度もっと調べてみようか」


 流石に世界地図を端から端まで調べていてはあまりにも時間を使ってしまうので、おれ達は今日の内は調べるのを終えた。


 その後は飯屋へ向かい、そこで夕食を摂った。小洒落た店で美味い飯だった。少し高かったが、それでもお得に感じるくらいには。


 そして飯を食い終わったおれ達は店を出て少し街の観光をした。アクセサリーやら何やらがたくさん売ってあったが、まぁ……別に要らないかな。


「んーと。泊まるとこは準備されてるんだっけ?」


「うん。会議に来る人にはちゃんと宿が準備されてるわ。ちょっと良いところが。あっちよ」


 セリアは遠くを指差してそう言った。そしてそっちに向かって歩き始める。10分ほど歩くと、そこには少し豪華な雰囲気の建物が構えてあった。


 宿というよりはボチボチなホテルといった具合か。中に入ると洒落た部屋がいくつもあった。まぁ……確かに“ちょっと良いところ”って評価が適しているかな。


「2階の一番奥に3つ部屋が取ってるらしいわ。…………と、224だからここがエストで、そこからグラの部屋、私の部屋ね」


 2階の奥へ進み、そこの部屋に案内された。おれ達は部屋の前で“おやすみ”と言って別れ、各々の部屋の中へ入っていった。部屋の中は柔らかくやや大きめなベッドや、テーブルや椅子など、とりあえず普通に生活出来そうな感じであった。


 保冷庫に飲み物や果物なども入っていて、まぁ便利だ。人類最強(バンリュー)やら八法帝やらが来る訳だから、普通の宿ではいけなかったのだろう。……安っぽいのが嫌だったら自分で準備するだろうが、まぁ招待する上で適当なことは出来ないのだろうな。


「ふぅーー。…………ふかふかだな」


 おれは真っ白のベッドに寝転がった。旅の疲れのせいで余計に体が沈んでいるように感じる。でもまだ早いし寝てしまうのは少し勿体無い気もする。ベッドから体を起こして水を飲んだ。


 ………いやでもやることがある訳でもないしな。おれは椅子に座ってテーブルに向かった。空間収納アイテムボックスの中にしまっている物を取り出し、それをただ眺めつつ無駄な時間を過ごした。別に何をしているという訳でも無かったのだが……なんとなく見てるだけで昔のことなどを思い出せて良かった。


 物を出して入れてを繰り返していると、1つの首飾りが出てきた。………これはおれが幼い頃、じいちゃんがくれた首飾りだ。もともと魔力が宿っていて、迷子になっても見つけられるようにと持たされていたのだ。おれからもじいちゃんの位置が分かるようになっていた。


 転移してからは失くさないように空間収納アイテムボックスの中に大事にしまっておいたのだ。……やっぱり寂しいな。ちゃんと家を探してじいちゃんの墓を建ててやらないとな。


 おれは首飾りをしまってベッドに飛びかかった。昔のことを思い出すと悲しくなるけど……それは夢を叶えてからでいいかな。今はセリア達もいるのだから。


 おれは濡れた目元を枕に擦り付けて深い眠りについた。この日は………記憶にはないのだが、長い夢を見た……気がする。久しぶりにじいちゃんを見た気がする。

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