愛情が憎悪に変わった結果
公爵令嬢で第一王子の婚約者である私、メーテルは王妃様に呼ばれてお城の東屋でお茶会を楽しんで居ると第一王子の側近から第一王子が話をしたいと呼んで居ると聞いてお茶会が終了すると第一王子の部屋を訪ねました。
「ウィル様、お呼びでしょうか」
「ああ、メーテル話したい事があるのだか良いかな」
「はい、時間は作るので大丈夫です」
「実は愛する女性が現れたので直ぐにでも側妃にしたいのだよ」
「側妃ですか」
「ああ、私が初めて愛した女性で王城の下女であるアールス準男爵令嬢であるエリス嬢だ」
「準男爵令嬢で下女ですか」
頭の中で準男爵について思い出すと準男爵は本人は貴族だが子供は家を継げない1代貴族で有り、下女とは親は貴族で身元は分かるが本人は平民の侍女などの下仕事をする立場だと思い出しました。
「君とは王命だから結婚して王妃にしないといけないから君を王妃にして王妃の仕事と私の仕事の殆どを任せる。そして君とは子供を作らないからその分仕事が出来るだろう。子供は愛する女性に産んで欲しいと思っていたのだが愛するエリスは私の子供を妊娠してくれたので今直ぐ側妃にしたいのだよ」
それを聞いた私の頭の中で何かが切れました。
「解りました第一王子ウィルソン殿下、婚約は殿下の有責による破棄とさせて頂きます」
そう言うと振り返り部屋から出ていきます。
「どうしたんだメーテル、半年後には私の王太子就任と同時に結婚だろう」
殿下が何か言っていますが無視して私を待つ馬車に乗り帰宅をすると執事のハリソンに父が帰り次第、時間が出来たら私から話が有るので呼んで欲しいと伝言を頼むと自室に戻り侍女に入浴と着替えを手伝って貰い、父親の時間が取れるまで待ちました。
そして父が帰って来てから暫くするとハリソンが父が話を聞くので呼んで居ると伝えに来たので父の書斎に向かいました。
すると父が話し掛けて来ました。
「私の可愛いメーテル、話したい事とは何かな」
そして私は第1王子に王子有責の婚約破棄を告げた事とその訳を話しました。
全てを話した後に考え込んだ父が話を纏めたらしく話し始めました。
「確かに王子有責の婚約破棄が正当なので王にねじ込む理由を順立てて話してみよう」
「その1、メーテルとは王命の婚約だから結婚して王妃にするが愛する事は無く王妃の仕事と自分が側妃と愛し合うので王の仕事の殆どをする様に言った」
「その2、婚約者と結婚をして無いのに側妃を娶り更に子供も作っている」
「その3、後継者は城の下女をしている準男爵の娘の身元だけはしっかりしている平民である」
「この3つなら王に王子有責の婚約破棄を認めさせれるので明日王に宰相としてねじ込むので今日の所はお休みメーテル」
そう言われて部屋に戻って眠りに着きました。
翌日は自室で読書をしました。
夜遅くに父が帰宅しました。
父の話では第1王子の有責の婚約破棄が成立したそうで後は外国を含む各家から送られてくる釣り書きを見る日々が待っています。
こんどは相思相愛の婚約をしたいですね。
***
その頃王城では王が第1王子のウィルソンを呼び出し叱責をする。
「この馬鹿息子が何処の世界に正妃と結ばれる前に側妃を決めて王妃より先に子供を産ませる馬鹿がいる」
「しかし父上私はエリスとしか子供を作りたくありません」
「更にメーテルをお飾りの王妃にして王妃の仕事の上に側妃と過ごすために王の仕事まで押し付けると宣言したそうではないか」
「メーテルの能力を有効利用する為です」
「話にならん、王太子就任式は第2王子を王太子にする為に開催する」
「それでは僕はどうなるのてすか」
「お前は新しい夫を欲しがるエクレア王国の女王の23番目の夫に推薦するから、今までの夫の様に早死しない様に気を付けるのだな」
「王付き騎士よ、怪我をせぬ様に迎えが来る迄北の塔に健康や顔の状態に注意して収容しておけ」
***
その頃メーテルは送られてきた大量の釣書の確認に追われています。