人の心が無いクソ野郎
予想してたより今回の章が長くなりすぎそうなので、丁度いい所で新しく章を作ります。
ぶっちゃけると最初考えてたより作者が怠けすぎて執筆が全然進まないので、章を区切ります。
いや、本当にみませんm(*_ _)m
「ん〜!疲れた〜……」
ゼロこと天堂零夜はそう言いながらアリステラを外し、ゲームを終えるとベッドの上で一度体を伸ばした。
「あ"ー……予定だったら昼に休憩入れるはずだったんだけど、結局色んな事が重なって夜の11時か……」
ゼロが枕元に置いてある時計に目を向けると、その針は丁度11時を指していた。
リアの為に急遽再ログインしたのが正午くらいだったので、そこから既に11時間、ゲーム内なら33時間が過ぎている事になる。
「あれ?思ってたよりも時間が経ってるな。……ま、いっか」
人は楽しい事なら短く、つまらない事や辛いことはより長く時間を感じるものだ。そのせいで多くの社会人が毎週日曜日、サザ○さんが終わる度に月曜日に怯え、涙を流すのはよくある事である(知らんけど)。
零夜はベッドから立ち上がると台所へと向い、水道の水を飲んで喉を潤した。
ここ最近の食生活もそうだが、飲み物もここ最近は水道水ばかりで、ジュースなどは飲んでいない。零夜としてはそろそろどうにかしたいと思っていたのだが、その願いが今日ようやく成就される。
「お、これか!……換金システム!」
零夜は水を飲みながら公式のホームページからその一文を見つけ出した。
そのシステムこそ零夜がこのゲームを始めたきっかけであり、零夜がPKをする原動力とも言えるシステム。1000ゴールドを1円に変換することができ、現在の零夜にとっていち早くお金を手に入れる唯一の手段だった。
「えーと……"ひと月の上限は100万が上限"ねぇ。ま、そんだけあれば十分やろ!」
零夜は利用規約などを流し読み、サインをすると直ぐにゲームとホームページを接続させる。
そして零夜はお金を即座に"上限まで引き換えた"。
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ゲーム内通貨"10億ゴールド"を"100万円"に変換しました。これにより、ゲーム内の所持金が50億53万6245ゴールドから40億53万6245ゴールドに減少しております。現金に関しましては指定の口座に振り込まれておりますので、ご確認下さいますようお願い致します。
引き続きゲーム"Another World Online"をお楽しみ下さい。
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このような文章が表示されたと同時に零夜は最寄りのコンビニまで全速力で走り出した。
(よっしゃぁ!これで生活水準が普通に戻る!どれもこれもアイツのお陰だ!最高だなぁ!)
なぜ零夜がこうしてゲームの外に戻って来たのか。
それに関しては少し前に遡る。
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「やってやろうぜ。アイツらの崇める神様とやらを殺して思い出させるんだよ。アイツらの罪を」
その言葉を聞いたゼノは空笑いをすると、言葉を繰り返した。
「神を……神を殺すだと?はっ……到底成し得ない目標だな。そんな事が本気で出来るとでも……」
「思ってるぜ。俺はな」
「……!」
堂々と"神を殺す"と言い切るその態度、立ち姿は正しく悪魔そのもの。だからこそゼノには分からない事があった。
「……目……は……」
「ん?」
「お前の……お前の目的は何だ!聖教会を……神を敵に回してもなお、得られる物がお前にはあるというのか!?」
ゼノは訳が分からなかった。聖教会とは光の女神を崇めるこの世界最大規模の宗教。その影響力の大きさは全世界に及び、聖教会の敵となるという事は世界を敵に回すに等しい行為なのだ。
そんな行動を何の利益も無しにする人間は普通はいない。必ずそこには打算や計画が存在しており、目的を持って行動を起こそうとしていると考えるのが普通である。
だからこそ、前提として"目の前の男ははこれから先何かを起こすのだろう"と考えていたゼノには、その後飛び出したゼロの発言によってそれより先の言葉が出てこなくなった。
「ああ……お前、少し勘違いしてるようだから言っとくけど、俺はこれから聖教会を敵に回すと言うより、もう既に敵に回してるぜ?」
「……は?」
「正直な話、俺は悪魔だから存在自体が聖教会に嫌われているし、見つかれば殺されるんだよなぁ……それこそ何も悪い事をしていなくてもな」
今の発言を他の誰かに聞かれていたら、『何が"悪い事をしてない"だよ』と突っ込まれていただろうが、ここに居るのはゼノだけなので、何を言っても無問題である。
「(初めてアドラと会った瞬間に勝てないと感じ取ったから)俺は必死になって(街を破壊し尽くした後)逃げた!それでもアイツらは俺が悪魔(な上、街を破壊した犯人)だからという理由で追いかけて来やがった。そこで俺は考えたんだよ。奴らを殺さないと俺の居場所はこの世界には無くなるってな」
よくそんなホラを真顔でつけるなとリアがいれば関心してしまう様な嘘を次々としていくゼロ。
正直な話、悪魔であるだけで何もしていなくても攻撃されるのは本当の事だが、聖教会とゼロのどちらが悪い事をしているかを考えれば普通はゼロが悪い側である。
客観的に見ればPKやNPC殺しを頻繁にやっているゼロの最悪とも言える行動を、ゼロは上手く隠し、ぼかし、嘘で塗りたくり、あたかも自分が悲劇のヒロインの様に仕立て上げる。
するとどうなるか……。
「わかった、お前も俺と同じ様な境遇だったんだな」
「信じてくれるか?」
「もちろんだ」
悲劇のヒロインであるほど、詳しく事情を聞かれなくても人は信じてくれるものである。
人の人情につけ込んで自分の思い通りに相手の思考を誘導する。これが俗に言う"人の心が無いクソ野郎"である
うーん、この……圧倒的クズ。
なんでこんな主人公にしてしまったんだろ?
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