ゴブリン男"ギリー"
明日のは朝と夜の二本投稿でいきます
そういえば関係無いですけど、23~25日の時に"神絵祭"というイベントが名古屋で行われてたんですよ。そこの抽選会で"茨乃さん"という絵師さんの直筆タペストリーを当てるという幸運を発揮しまして、皆さんは今年いい事ありましたか?
やあ、誰かがいると信じて、こんにちは。
僕はこのAWOの世界で普通とは違うプレイをする為にゴブリンになった"ギリー"だ。
僕はまだ13歳の中学生なんだけど、なんと前に応募した懸賞が当たっていたからこのゲームをする事が出来るんだ!同級生では僕しか持ってないから、最近はこの事を自慢してばかりなんだよね。
それはそうと、ゴブリンは人族じゃ無いから街じゃなくて人里離れた場所にスポーンするとは聞いていたけど、僕は運が悪いのか、変な廃墟にスポーンしてしまったんだよね。
ただ、周りのゴブリン達のレベルが高いから手伝って貰うことで、なんとレベル35を最近超えたんだ!このレベルは掲示板を見る限りトップを走る攻略組と同等らしいから、僕も実質トップランカーってことかな?もうすぐイベントがあるらしいからもっとレベルを上げないと……。
「グギャー!」
「グギャギャー!」
「……ッ! グギャグギャ!?ギャギャギャグギャ!」
ギリーは走る。このゲームを始めたばかりの頃、右も左も分からない自分に、武器の使い方、魔術の使い方、果ては仲間との連携を教えてくれた先輩達を助けるために。
これが人ならば、誰もが認める友情、親愛、自己犠牲の精神。これ一つで軽い物語なら作れそうな物であるが、残念ながら現実は非情だ。急いで向かったからと言って助かるわけでも無いし、むしろ間に合わないのがリアルである。
「グギャグギャ!?」
そこにあったのは、三体のゴブリンの死体と一人の男だった。
「いやー……試しに余ってたスキルポイントで取った[気配隠蔽]と[同化]とかいうスキル……合計で10ポイントも飛んだけど組み合わせたらマジでバレねぇな」
その男は口ぶりからするとプレイヤーなのだろうと理解したギリーはそのプレイヤーに怒りが湧いてきた。
「グギャー!」
「ん?またゴブリンか。はぁ……レベルは……ッ!?」
「グギャギャ!」
驚いたような顔をして固まっている男に対してギリーは走り出す。
20……10……5メートル……最早すぐそこまで来たギリーに対して男は微動だにしない。
「ギャギャギャ!」
そう言って腰に刺していた剣を抜き放ち、そのまま振り下ろす……その瞬間、男は剣を右手の人差し指と親指の間に挟み込み防いだ。
そうした男はニヤリと笑うと左手でギリーの頭を鷲掴みにし、目線を合わせて質問をする。
「お前、プレイヤーだろ?」
「……っ」
ギリーは即座に剣から手を離し後ろに飛び退る。
「まさかこんな所にプレイヤーが居るなんてな……普段なら殺すところだが、情報が欲しいから生かしてやるよ」
男の言っている事はよく分からないが、それでも一つ分かることがあった。
(コイツは間違いなく敵だ……)
自分を絶対的に上だと信じて疑わないその言動。同じプレイヤーだと分かっても抑えることの無い殺気。そして何より、男から発せられる"闇"としか形容出来ないオーラ。
それはゴブリンであるギリーや、他のモンスター達も発生させていた物だが、男から感じられる"闇"はその比では無い。
「ギャギャギャギャ!」
「ん?ああ、人の言葉を喋れないのか?んー……しょーがない、新しくスキルを取るか」
男はそう言うと目線を下にやり、何やら操作をしだした。
先程の言動から考えてスキル一覧を見ているのだろう。
男は動かない。だが、それを隙だとはギリーは思えなかった。ゲーム内でゴブリンの先輩方からそれなりに戦い方を学んだギリーだからこそ気がついた緊迫感。
男が一切気を抜いてない事は一目瞭然だった。
すると、突然男は操作をやめると目線を上に上げ、こちらに近づいてくる。
嫌な予感がしたギリーはすぐさまその場を離れようとし……出来なかった。何故か体が言うことを聞かず、その場から足が動かない。
男はニヤニヤと笑いながらこちらへと歩を進める。
一歩、また一歩と近づいてくる男に対して何か行動を起こしたくても、何故か何もする事が出来ない。
ギリーが焦りからなんとか動こうと思考していると、突然頭を男に鷲掴みにされる。
ギリーの頭を掴んだ男は目線を合わせて言葉を発する。
「何か喋ってみてくれないか?」
「ギャ……ギャギャ?……」
「うん、言葉が理解出来るようになった。これでいいね」
男はそう言うと一言呟いた。
「それじゃ、あとは君の脳に聞くから。《闇操作》」
そう男が呟いた瞬間、ギリーの意識は遠くに消えていく。
最後、ギリーの目に映った男の顔は酷く歪んで、まるで悪魔の様に見えた。
ギリーの言っていた"イベント"とは!?
前書きで作者の運の良さを見せた所で、逆に運の悪かった事を次回の前書きで書きますか!ちなみに、物語とは一切関係ありません。
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