代償型スキル
いやー……今日の朝、ジャンル別日間ランキング見たら自分の作品が1位になってるじゃないですか!
最近PV数も伸びてきたとはいえ、まだまだ他の作者さんの作品と比べると評価ポイントもPV数も全然負けているのに、ここまで来れたのは読者の皆様のお陰です!
これからも頑張って行くので応援して頂けると幸いです!
皆様の感想や批評コメント待ってます!
ゼロとアドラの正しく"本気"の戦い。
それは、アドラがゼロを圧倒する形で始まった……。
「"地閃"!」
「やられてたまるかッ!」
ドォン!
地が割れ風が吹き荒れる。
アドラはテールの街での強さとは比べ物にならない程の強さでゼロを圧倒していた。それはまるで枷から解き放たれた様に幾つもの技を放つ。
武技から武技への技の繋ぎ方の精密さ、流麗さは勿論のこと、その一撃一撃の"重さ"は凄まじく、リアでさえ傷つけるのがやっとの森の木々を余波で薙ぎ倒していくその剣撃は、触れた全てを例外無く切り裂いていく。その強さは女神の"剣"であるアドラに相応しいレベルであった。
だが、ゼロはそれ程の攻撃を避けていた……。
「貴様……なぜ、それ程のスピードで動けるッ!」
「ハッ……!何故だと思う?」
ゼロからの挑発にアドラは眉間に皺を寄せ、ゼロを睨めつける。そして、剣を振るった。それは今までよりも速く、鋭い。だがそれでも、その全てをゼロは避け続ける。普通ならばありえない事……否、幾らステータスが低かろうと技術さえあれば高レベルの者の攻撃を避ける事も、逆にダメージを与える事も可能ではある。だが、ゼロにはそんな物は無い。
今までPKをしてきた事で対人戦の技量は最初よりも確かに高い。だが、そのレベルはアドラと対等に戦える程では無かったのはゼロ自身も分かりきっていた事だった。
普通なら負ける戦い。そんな事は全員が理解している。
ならば、"技量もレベルも負けているゼロが勝つ為に必要なものは何か?"
ゼロはアドラと戦う前に幾つか考えた。
仲間との絆?
そんな物は何の役にも立たないし、ゼロはそんな物信じちゃいない。
自身に隠されていた力の覚醒?
そんな物起こるなら苦労はしないが、ゼロはそんなくだらな物にかける程の馬鹿ではない。
愛の力?
愛の力だけで勝てるのならば、博愛に溢れているアドラが勝つに決まっているだろう。
正義の心?
ゼロに正義があるなんて誰が思うだろうか?そんな人はいないだろう。
よくある物語の主人公達が強敵に勝つシーンを思い浮かべた時によく出てくる物を上げていったが、ゼロに相応しい物などは無かった。
ならば、ゼロはアドラに負けるしか無いのだろうか?
正義に屈するしか無いのだろうか?
リアを守る事は出来ないのだろうか?
否、否、否!!
ゼロはそんな下らない結末を望まなかった。だからこそ、その凡人の持つ凡庸な脳で考え、その答えを無理矢理導き出した。
それは……。
アドラの攻撃は既に目にも止まらぬ速さとなっていた。その光景はまるで流星の様で、とても避けれる物では無かった。
だが、ゼロは多少傷を受けながらも、致命傷になり得る傷は一発も受けてはいなかった。
次の瞬間ゼロはアドラの剣を側面から殴りつけ、強引に攻撃を止めさせる。
「お前も攻撃し飽きただろ?そろそろ俺も攻撃に移らせて貰おうか!」
「なっ……!」
突如、ゼロが見せたのは、アドラには未だ届かないものの今までのゼロからは考えられない程の圧倒的なスピード。
そして……。
「"魔掌底"!!」
「ぬぅ……!」
ゼロが更にスピードを上げたことで意表を突かれたアドラは自身の腹部の鎧越しに凄まじい衝撃を食らった。
その衝撃はアドラの身体を地面から浮かせて、後方へと吹き飛ばす程の物だったのだから、その威力の高さは火を見るより明らかである。
だが……。
「はあはあ……ごほっ」
その時、ゼロは口から血を吐き出す。
「やべぇ……調子乗りすぎた。もうこれだけの代償が掛かってんのかよ」
顔に焦りを見せるゼロだが、直ぐに気を引き締める。
ザッ……ザッ……
そんな足音と共にこちらに歩いてきたアドラは納得と言った雰囲気を出す。
「ふう……貴様がテールの街の頃より遥かに強い理由が分からなかったが……なるほど、代償型スキルか」
「ははっ……」
代償型スキル。
その名の通り普通のスキルと違い、スキル使用者にもデメリットを伴うスキルの総称。
デメリットと一括りにしていても、その重さはスキルによって遥かに違う。それこそ、軽いステータスダウンを一定期間得る物から死ぬ可能性を孕むものまで千差万別である。
「代償型スキルと分かれば対処は簡単だ。私は貴様から耐え続ければいいだけなのだからな。そうすれば勝手に貴様は自滅する」
アドラが防御の体制に移り、攻撃をする隙が一切無くなる。
これではゼロはアドラを殺せない。……そう思ったアドラは次の瞬間、自身の考えが間違えだった事に気がつく。
「はぁ……このスキルを全力で使う気は無かったんだがな。しょうがないか……」
「……ッ」
瞬間、アドラがゼロから感じたのは狂気。
自身の"死"すら恐れないと言い切るような気迫が今のゼロにはあった。それは、プレイヤーだからこそ"死"が怖くないんじゃない……正しく、己の肉体がどうなっても構わない。そう言い切るような謎のおぞましさをアドラは感じ取った。
「さあ、ギアを上げていこうか!どちらが先に死ぬかの戦いだ……!」
その時、ゼロとアドラの戦いが始まった時点で、即座に空へと逃げていたリアは感じ取っていた。
かつて、感じた事のある圧倒的な気配……いや、それよりも遥かに禍々しい気配を。
「コイツをルナから貰う為に時間食ってリアを危険に晒すなんて、主失格だ……。だが、ここからは命を掛けてアイツを守らせてもらう」
アドラはゼロを止めようとして……足を止めた。否、止めざるを負えなかった。無理に近づいたら殺されるのはアドラの方だと分かったから。
感じ取ったのだ、ゼロが使っている力の正体を。
「な……その力はッ!」
ゼロは告げる、その力の名を。
「ふぅ……"固有スキル『邪神気解放』"」
ゼロがそのスキルの名を言った瞬間、ゼロの全身から血が吹き出し、右目が消し飛んだ。
「ぐぅぅう……がァァァあああ!」
ゼロはその痛みに耐えきれず、叫ぶ。
だが、直後ゼロは笑った。感じているからだ、自身の力が目の前の男……アドラと並んだことを。
「はぁはぁ……クッ…クハハハハ!さあ、やっていこうか!」
狂気的な笑みを貼り付けた悪魔は大地を蹴った。
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