ゼロの右腕
夜にも投稿するつもりなので、切りよくここで終わらせておきます。
次話はリアVSプレイヤーです!
リアの独白が分かりにくいかもですが、そこは先に謝っておきます。
「これで、レベル15。あと1レベで目標達成か……」
「案外時間がかかりましたね」
異界人狩りを初めて凡そ六日、リアルでは二日が経過していた。これだけの時間が掛かってしまったのは偏にゼロのプレイスタイルに起因する所が大きい。
これがプレイヤーと並行してモンスターも狩っていたのならもう少し早くレベルが上がったのだが、ゼロは完全にプレイヤーのみを狩り続けていたので、いくらPK行為で得る経験値が普通より多くなっているゼロとはいえ、時間が掛かってしまっていたのだ。
「ゼロ様、そろそろ休憩致しますか?」
「ああ、そうだな。そろそろ一度寝ようか」
ゼロのこの"休憩"とは、ログアウトの事である。
プレイヤーは街の外でログアウトをすると、肉体がそのまま《リヘナ》の世界に取り残されてしまう。ゼロはそれを"睡眠状態"と言って、その間はリアにゼロの肉体を守って貰っていたのだ。もし、この間に肉体がモンスター等に殺られてリスポーンする事になったら、ゼロは起きたと同時に今までPKをして得たカルマ値分、牢獄に入れられる事になる。ゼロは街一つ滅ぼしているので死んだ瞬間ゲームオーバーである。
「じゃあちょっと木の上で寝るわ、後はよろしく」
「かしこまりました」
そうしてゼロはログアウトした。
◇━━━━━━━━━━━━━━━◇
「ゼロ様はお休みになられましたか……今寝られたという事は、凡そ六時間後くらいでしょうか?」
現在の時刻は、太陽の光が爛々と降り注ぐ午後十二時丁度、普通の人間ならば寝始める時間が完全にイカれてるとしか思えませんが、ゼロ様は異界人ですし、悪魔なのでそこにはツッコミません。いつもの事です。
「ふふっ……可愛い寝顔……」
ゼロ様は普段は凛々しく、悪魔らしく、そして本人は否定されますが、何だかんだ言ってとても優しい方です。
そんなゼロ様の寝顔を見るのは半ば私の習慣となっていました。ゼロ様は一度眠りから覚めてしまえば、長い間起きてられます。その代わり、寝ている時間も長いのですが……。
ん?私がいつ寝ているのか……ですか?
私は吸血鬼の王族です。まあ、"元"王族ですが……。ですがその血に宿る"原初の吸血鬼"の力は健在で、太陽に焼かれることも、眠くなる事もありません。血さえあればこの肉体は動くのです。まあ、血であるなら誰の血でも構わないのですが、私はゼロ様の血以外は正直飲みたくありません。私はゼロ様の物なので、他の存在を私の肉体に入れたく無いのです。ただ、どうしようもない時は諦めますが……
え?なんでそこまでゼロ様に固執するのか……?
それは…………。
「ッ!?人間の反応、それにこの数……こられたらまずいですね」
リアが考え事をしているとリアのスキルに反応があった。
リアはゼロと共に異界人狩りをする事で、全盛期には程遠いが着々とスキルを成長させていた。今は[気配察知]の進化スキル[気配感知]でここに近づく人間の気配を感じ取ったのだ。
「先手を打ちますか……ゼロ様、この場を離れる事をお許しください」
一応周囲に人間以外の反応が無いことを確かめると、リアはその場から飛び立った。
◇━━━━━━━━━━━━━━━◇
「リーダー本当にここら辺に奴らが居るのかよ?」
「ああ、確かに奴に襲われた者達の証言と実際の地図を照らし合わせると、ここら辺に奴らは住み着いているはずだ」
そう語るのは統一されたマントを羽織るプレイヤー達の中でも一段豪華なマントを羽織るリーダーと呼ばれた人間。
よく見ると分かるのだが、この女性は最初にこの森で被害にあったパーティのリーダーを務めていた人物だ。
女性の名は"ルイン"彼女もまた、アランやソラと同じベータテスターであった。
「それにしても、結構集まりましたね」
「それだけ奴に恨みを持つ者が多いという事さ」
そこには悪魔を打倒せんと集まったプレイヤー達が百人以上集まっていた。
その全員がゼロに一度は殺された事のある者ばかりであった。
「よし、ここら辺で班に別れて展開する。A班は……」
そう言葉発した瞬間、ルインの真上から声が聞こえた。
「そんなことをする必要はありませんよ」
「ッ…!?貴様は……!?」
空を飛び、百を超えるプレイヤー達を見下ろすその少女はプレイヤー達に初めて自身の名を名乗る。
「私の名はリア……闇の女神様の剣たる"ゼロ様の右腕リア”です」
そう名乗ったリアはその端麗な顔に相手を小馬鹿にしたような笑みを浮かべて、プレイヤー達を挑発する。
「貴方達など私で十分です。来なさい」
リアの目はプレイヤー達を殺しきる為の、プレイヤー達はゼロの右腕と名乗ったリアを殺す為の決意の炎で燃えていた。
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