三人組と悪魔
書きたい事が多すぎて何書けばいいのか分からなくなっちゃいました。
昨日は投稿できなくてすみません!
「なーなー……本当にその情報合ってるのか?」
「当たり前だろ!俺が態々調べ回って得た情報なんだぞ」
「でも、正直信じられないよねー?こんな所にテールの街を襲った悪魔が出るなんて」
そう話すプレイヤー三人組はテールとツァーレの間にある森の中を進んでいた。だが、彼らの目的はツァーレに向かう事では無かった。テールを襲った悪魔がこの森にいるという噂を聞きつけてやって来たのだ。
「でもよ、もう森に入ってから結構経ってるぜ?なのに人影一つ見えないってことはガセネタだったんじゃねぇの?」
「そんな事ねぇよ!掲示板にこの森の中で殺られたって書き込んでいる奴もいたし、実際に情報屋の奴らにも裏を取ったんだからな……結構金取られたんだぞ?」
「すまんすまん!睨むなよー」
森に入る頃は三人とも緊張していたのだが、今となっては何も起こらなすぎて拍子抜けといった様子だった。
「でも、本当にいるならチャンスだよなー。何せ相手は聖騎士長との戦いで大怪我してるんだろ?それに、この前の聖教会からの発表……」
「『悪魔を捕まえるか殺した者には十億ゴルドを支払う』だったっけ?」
「それそれ!」
ゼロは未だに知らなかったが、テールの街で教会から出された依頼。いや、それは指名手配と言えるものだった。
その内容は……
『悪魔を捕まえた者、或いは殺した者に教会から十億ゴルドを贈与する』といったものだった。
「十億ゴルドなんてリアルマネー換算で百万だぜ?やっぱりそんな大金が手に入るNPCを運営がこんな森に設置する訳ないって」
現在のプレイヤー達が予想したゼロの正体は強力なボスNPCだということで凡そ決着していた。
というのも、普通に考えたらプレイヤーが態々街一つを破壊してまでして何が手に入るのか?という単純な結論から導き出された答えなのだが。
実際問題、ゼロが手に入れたのはプレイヤーから巻き上げた金とアイテムだけなので普通ならプレイヤーが指名手配される危険を犯してまでする事では無いように感じられる。まあ、ゼロはその為だけに街を襲ったので先入観を持つ事の危険性がよく分かるというものだが。
「はぁー……つまんねーなー!何か面白いことでもあればいいのによー」
「マジそれな。なんか魔物も殆ど見かけないし……なんでこの森に道通さないんだろうな?」
「魔物が出るからって話だったんだけどな……言われてみれば確かに魔物いねぇな……」
三人が耳をすませても、聞こえてくるのは草の揺れる音や、小鳥の囀り、そして虫たちの音である。
「本当にこのゲームってリアルだよなー。音や匂いまで現実そっくりなんだから」
「そうだな。こうしていると草木の匂いが……」
そうして鼻を鳴らした男は違和感を覚えた。
(なんだ?この匂い……血…?)
そこまで思い至った瞬間、突如鳥が空へ一斉に飛び立った。
「うおッ!びっくりしたなぁ……いきなりなんだよ」
「ん?」
「なんだ?なんかあったのか?」
「いや、それが[気配察知]に一体も生物が映らなくなったんだよ……全てが遠くに行ったみたいで……」
「はぁ?」
三人の中で唯一[気配察知]を習得していた男の言葉によると周囲の生物が一斉に遠くに行ってしまったらしい。
だが、そんな事が普通起こるだろうか?答えは……
「……!?みんな武器を構えて!モンスターが来る!」
突然、その言葉と共にモンスターが三人の目の前に現れる。
「チッ……急な戦闘だが気を引き締めろよ、お前ら!」
「おう!」「ああ!」
三人の戦闘スタイルはよく言えば堅実。悪く言えば見栄えのない地味な戦い方だ。一人がタンクとしてモンスターの攻撃を引き受け、普段は斥候役をしている者が弓や魔術等の飛び道具で牽制。最後にリーダーの男が隙を狙い剣術の武技でトドメを刺すといった戦い方をしてきていた。
その戦いは見るものが見れば地味で退屈な普通の戦い方だが、彼らは彼らなりに今まで研鑽と努力をしてきていた。才能はあまり無かったが、その連携には光るものがあると言っていい。だからこそ今日、負傷中と言われている悪魔を倒し、金を手に入れようと、あわよくばゲーム内で有名になってやろうとも考えていた。
だが、彼らは甘かった。相手は一々プレイヤーの事を考えて行動してくれる優しい人ではなく、相手の嫌がる事を常に考え、意識の外を着くことを常に狙い、正々堂々なんて戯言を履いて捨て、隙あらば攻撃を仕掛けるような悪い悪魔である。
ならば、相手の隙を作り出したらする事など一つしか無いだろう。
「よし、あと少しで倒せそうだ。お前ら!気を引き締め……」
ドスッ
「「え……?」」
二人は混乱した。今の今まで一緒に戦っていたパーティのリーダーが急に倒れたのだから。
だが、悪魔は混乱している相手を待ってくれる程優しくなどは無い。
「ッ!伏せろ!」
「な…!? こふっ……」
次の瞬間、急に放たれた血の槍によってタンクの男が近くにいたモンスターごと貫かれ、その場に生きたまま残るのは斥候の男だけとなった。
「冗談じゃねぇ……こんなの負傷中とか関係無いじゃんかよ……ぶっ壊れじゃねぇか」
「そう言って貰えると嬉しいね。ありがとう」
「ッ!?」
咄嗟に前に飛び、後ろを振り返った男が見たのは黒いローブを被った男だった。だが、その背中にはその者が人では無いことを裏付ける象徴が堂々と生えていた。
「その禍々しい黒色の羽……貴方が悪魔ゼロ……ですよね?」
「はい、そうですよ。貴方達が呼んだので来てあげました。所で残りの二人は?」
「黙れよ悪魔。お前が二人を殺したんだろ?」
「どうでしょうね?」
神経を逆撫でするような声と言い方が一々鼻につく。
心の中では直ぐにでも攻撃をしたい衝動に駆られているが、それを抑え込み悪魔の隙を伺う。
「すみませんが、そろそろ私も他の所へ向かわないと行けないんです。なので……貴方を殺してもよろしいでしょうか?」
「やなこった!」
斥候の男は背後に飛びながらゼロに向かってナイフを投げつける。この程度でやられる訳は無いとは思うが、隙が出来ればいい程度に思っての行動だった。だが……
「チェックメイト」
「ガッ……!?」
男は背後から突き刺されたその赤色の槍を見て驚く。一体いつから彼女は自身の後ろを取っていたのか、全く気づけなかったからだ。
「残念だったな、異界人。お前のお陰で俺はまた計画に一歩近づけたよ」
「計画……だと……?」
薄れていく意識の中、その耳には確かに悪魔の言葉が届いた。
「お前達に知る必要はねぇよ。雑魚が」
「く……そ……」
そこで三人組、最後の男の意識は途絶えた。
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