君を僕の"剣"にしたい
ヤバいです。
テスト勉強が追いつかないです。ちょっと文章が適当になっているかもなので時間を見つけて改稿します。
投稿の予定は作者の活動報告に記載しておいたのでそれを見てください。
あと、PV数が昨日、今までの6倍近くになったのはなぜです?見てくださってありがとうございます!
「なんだ……あれ…」
誰かがそう呟いた。
空から赤い何かが降ってくる。
それはただひたすらに赤かった。否、ただ赤いんじゃない。地上で燃え盛る炎から発せられる光が反射してそれは紅に染まっていた。その光景はまるで地獄が降ってくるようだった。
その何かは槍状に変化し凄まじいスピードで地上へと、街の人々が避難している街の中央区に迫って来ていた。
それに人々が気づいた頃にはもう遅かった。
地獄が地上に……降り注ぐ。
◇━━━━━━━━━━━━━━━◇
アドラは走った、その地獄を食い止めるために。
だが、ゼロの時間稼ぎによって発動されてしまったその魔術はテールの街を大きく囲むように発動されていた。四方八方からの無数の血の槍をアドラ一人で食い止める事など不可能だ。
それでもアドラは諦めない。その胸に刻んだ誇りと光の女神への信仰を原動力に走る。走る。
だが、諦めないからと言って人々を守れるのは物語の主人公くらいなものである。アドラは主人公などではない。自身の限界を超えて全ての人々を助けられる奇跡など…起きない。
空から槍が降り注ぐ。
建物が崩れる。
大地が割れる。
辺りに血液が飛び散る。
人々の声が響き渡る。
「だが、全ての人々をみすみす死なせるものか!」
アドラは知っている。自分では全てを救うことが出来ないことを。多くの者が死ぬ事になるのを。
だが、だからと言って剣の届く範囲に居る人々を見捨てる理由になどならなかった。
アドラは街の中央に辿り着くとすぐさま剣を振り抜いた。
アドラの剣戟が空を裂き血の槍を切り刻み、人々を出来るだけ守る。
(く……流石に槍の数が多すぎる…ッ!)
先程までのゼロと戦っていた時の余裕が嘘のように消え去り、アドラは苦戦を味わっていた。
アドラの耳には幾つもの悲鳴が届く。
助けて……ッ!
死にたく……ない……
腕が……腕がぁぁああッ!
いやだぁぁ!お母さん死んじゃいやぁぁああっ!
息がっ……でき……っ
がぁぁ……あ…あ……
お願い…私を置いて死なないで……っ
子供が、女性が、兵士が、農夫が、商人が、あらゆる人々がその痛みと死への恐怖で発狂していた。
だが、そんな地獄の中でも魔術の攻撃は止まることは無い。
アドラは悔やむ。自身があの悪魔を早く殺してしまわなかったから、先に吸血鬼を殺さなかったから、自身の実力を過信したが為に起こったこの地獄。
アドラは自分自身を許せなかった。それと同時にそれ以上の憎しみをある二人にぶつける。
魔術を起動されてしまった事から咄嗟にあの場に置いてきた二人。
(絶対に逃がさん、必ずこの攻撃捌ききり、もう一度倒してや……)
アドラは魔術を捌き続けていたが、その手数に押されアドラは一瞬手元が狂ってしまった。
「がっ……ッ」
魔術がアドラの剣戟の隙間を縫ってアドラに当たる。突き刺さることは無かったが、大きな衝撃を胸に食らったアドラはその剣戟を止めてしまった。
それは即ち魔術による攻撃を通してしまうことを意味していた。
降り注ぐ魔術。建物が崩れ去り、悲鳴が鳴り響く。
悪魔を徹底的に痛めつけようとゼロのことを侮ったが故にアドラは何も守れなかった。
◇━━━━━━━━━━━━━━━◇
「ん……?」
「ゼロ様起きられましたか?」
「ここはどこだ?」
ゼロはいつの間にか自分のいる場所が街から森に移動している事に気がついた。
「ここは南の森の中腹です。ご安心ください、ゼロ様が寝ている間に傷はもう治してあります」
その言葉を聞いたゼロは自身の腕がくっ付いている事に気がついた。
「リア、お前が魔術を使ったあと何があったんだ?」
ゼロは自分が寝た記憶などないし、いつの間にか森の中に移動しているのも謎である。さらにアドラは自分の記憶が正しければまだまだ生きているはずである。
であれば何故こうして逃げ切れているのか?それが謎であった。
「では、簡単に魔術を打った後の説明をしていきましょうか。まず、私が魔術を打った直後あの聖騎士は焦ったような顔をして中央へ走って行きました。恐らくは女神から市民を守るように言われていたのだと思われます。でなければ私達を先に殺さず、市民を助けに向かった意味が分かりませんから」
「なるほど。ならなんで俺の足が治って、森まで運ばれてるんだ?」
「足は私が《血液魔術》でゼロ様の血を操り、足を繋ぎ合わせました。治癒魔術などでは無いので当分は安静にしてください。次に森の中にいる理由は単純にあの聖騎士から逃げ切る為です」
「なら、アイツは生きているんだな?」
「恐らくは……あの聖騎士は私の魔術の雨に自分から飛び込んで行きましたが、その程度で死ぬほどあの聖騎士は弱く無いと思いますので生きているでしょう」
そこまで聞いたゼロは一度息を吐いて落ち着き、リアを見据える。
「なるほど……だが、一応は勝ったと思っていいんだな?」
「はい」
その言葉を聞いたゼロは凄まじい喜びと疲労感が同時に押し寄せてきた。
「だし抜けたのか……あの化け物見たいな強さのアドラを相手に…」
そう感動のあまり呟いた瞬間を見計らった様にUIが大量に現れる。
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レベルが上がりました。
種族のレベルが上限に達しています。
経験値の取得を保留します。
職業のレベルが上がりました。
スキル[拳術]のレベルが上がりました。
スキル[蹴術]のレベルが上がりました。
スキル[風魔術]のレベルが上がりました。
スキル[闇魔術]のレベルが上がりました。
スキル[気配察知]のレベルが上がりました。
スキル[魔力操作]のレベルが上がりました。
スキル[魔力循環]のレベルが上がりました。
スキル[見切り]のレベルが上がりました。
スキル[集中]を獲得しました。
スキル[不屈]を獲得しました。
スキル[演技]を獲得しました。
STPを20獲得しました。
種族レベルが上限の為取得を保留します。
スキルポイントを4獲得しました。
種族レベルが上限の為取得を保留します。
240580ゴルドを獲得しました。
アイテム「鉄の胸当て」を獲得しました。
アイテム「下級妖精粉」を獲得しました。
アイテム「木の盾」を獲得しました。
………………etc
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「なっが!なんでレベルとか上がって……ああ、最後のリアの魔術でプレイヤーとかも多く死んだのか。ん?レベル上限?」
「とうとう上限ですか、ゼロ様おめでとうございます!それと、種族レベルが上限に達せられたらすぐに"進化"をしておいた方がいいと思います。そうしないとレベルが一向に上がらないので」
「なるほど……じゃあ今から種族を進化させ……」
その時どこからか女性の焦る様な声が聞こえた。
『ちょっとまったー!』
その声に驚いたゼロとリアは戦闘態勢をすぐさま整えるがリアでさえ相手の気配を感じ取ることができないでいた。
「いったい何者ですか!」
リアがゼロを守るように立ち声の主にそう問いかけると、相手は"忘れてた"と言わんばかりに急いで名前を名乗り始めた。
『あー……ごめんごめん。名乗るのを忘れてたよ、改めて僕の名前はルナ。闇の女神をやっているものさ』
その言葉はゼロとリアの両名に驚きを与えるのに十分な言葉であり、二人とも驚きのあまり体が固まってしまっていた。だが、そこに更に驚きの言葉をルナは続けた。
『ゼロ君、君を僕の"剣"にしたい。受けてくれるよね?』
その言葉はゼロにとっては意味の分からない言葉であった。そしてリアにとっては信じられないほどの驚きの言葉だった。
だからこそだろう。プレイヤーのゼロがそう言ってしまっても不思議では無かった。
「あの……アドラも言ってたけど"剣"って結局何なんですか?」
『え……?』
ルナの言葉を正確に理解していたリアはゼロの発したその言葉にリアは頭を抱える羽目になった。
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