つぶやきの人・3
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「もう私達別れましょう」
と彼女に言われ、
「え?いつまで?」
と言った奴を知っている。
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先輩の結婚式に招かれた友人。
「てんとう虫のサンバ」と「お嫁サンバ」2曲歌った。
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「あ、この先通行止めだって!」
「じゃ、ここでUターンするしかないな」
「え、ここでUターン? 無理だよ」
「は? できるだろ?!」
「ここじゃあ、Vターンになるよ」
「どうでもいいから早くしろ」
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映画館。
私の前の席に座ったカップル。
喧嘩を始めた。
映画より面白かったので、ずっと聞いていた。
スピーカーの音を小さくして欲しいと思った。
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父は息子に聞いたのだ。
「坊や。クリスマスには何が欲しい?」
「え?! パパがサンタになるの?」
「嬉しいかい?」
「うん! じゃあ当分は帰って来ないよね? 一番うれしいプレゼントだよ! ありがとう!」
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「茶の間のテレビで、ピーナッツを食べながら「鬼滅の刃」を観ていた。
ポキッ
歯が欠けた。
「亀裂の八重歯」だと、一人頷いた。
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一寸法師。
二度目の鬼退治には二寸あったらしい。
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「苦境の長いトンネルを抜けると、幸国であった」
川端康成は希望を見出してくれた。
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「一年生になったぁら♪ ともだち100人でッきるかなッ」
この歌、入学式で歌ったんですよ。
ま、児童3人だけの分校でしたがね。
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「おたくさぁ。神に誓って金は返すって言うけどさぁ」
「もちろんです」
「じゃあさぁ、そこの保証人の欄にぃ、神様の住所と電話番号書いて」
「え?」
「知らないの? おたくどこの神かもわからない方に誓っちゃうんだ、、、本気で返す気あんの?」
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「私、喫茶店で見ちゃったんです」
「何を?」
「イチゴショートのスポンジだけ食べてる女」
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「隣の爺さんな、人気女性歌手みたいな名前なんだぜ。しかもスーパースター」
「へ? なんていうの?」
「安室浪平」
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「この間な、彼女からお手紙もらったんだよ」
「ほ~う」
「今の時代さ、メールやラインばっかだろ? なんだか嬉しくなっちゃってさ」
「読んだ? なんて書いてあった?」
「もったいなくて、置いてあったテーブルにそのまんま」
「それ、置手紙だよ、、、」
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「来年はさ、大河ドラマ観ようと思ってんのさ」
「なんだよ珍しい」
「寅年だからよ」
「、、ん?タイガー?」
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「俺さ、納得いかないんだよね。この看板」
【ライス・みそ汁おかわり無料】
「みそ汁って書くなら、ご飯だろうが!」
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「おや、坊や上手く折れたじゃないか千羽鶴」
「1羽だけど?」
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「も~、い~くつ寝るとぅ♪ お~しょおがつぅ~♪って歌あるじゃん? あれさ、お正月に歌うとさ、あと365日寝ることになるって知ってた?」
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「Twitter見ててもさ、つぶやきというか、ボヤキばっかりでさ。
どうせなら【ボヤッター社】って会社つくろうかなと」
「ボヤ?なんか炎上しそうな社名だな」
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小学生の頃。
子供会のクリスマスパーティー。
近所のお寺の本堂を貸し切って行われた。
まずはご本尊に手を合わせてからパーティーが始まった。
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「毎年クリスマスにさ、テレビでホームアローンって映画やるじゃん」
「クリスマスには打ってつけの大ヒット映画だからな」
「クリスマスにあれを3時間とか、ぶっ通しで観てる奴ってさぁ」
「まさしくホームアローンだな」
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「何?この渋滞。右折もギッシリだぜ。 動きゃしねえよ」
「年末の買い出しか?」
「あ~、信号変わっても2台しか進まねえよ」
「こりゃあ時間かかるぞう~」
と言って立ち去った自転車に乗った2人の若者
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「婆さんや、ちょっと疲れたみたいだ。そこのオミクロンをわしにくれ」
「はいはい。オロナミンね」