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当たり前の生活に新しい風を!

作者: こじー

「おーい。ジュース買ってきてー。なるべく早くね!」


「え?なんで?あ、……は、はい!」


「なんでじゃないでしょー。桜ちゃんが言ってるんだから文句言わずにちゃっちゃと買ってくるの!早くしてね!」


ジュースを買ってきてと言われた少女は一瞬戸惑ったが、私の横にいる少女の言葉で顔を青ざめて走って教室を出ていった。


なんでこの私。徳井 桜が人をパシれているのかと言うと私はこのクラスで女王的な存在だからだ。

学生はすぐに序列を作って自分より序列の上の人と仲良くなって、自分もその一員だと周りに見せつけ自分も上なのだと周りに見せつけたがる。自分が虐められないように。

私はその気持ちを知っているから


「つまらない人間だな」


と思いながら私に乗っかって威張る少女を見る。

人とは、自分より弱い人を見下して自分を保つのだ。


「自分より下がいる。だから大丈夫」


「自分は仲良いから私は言われなくてすむ。だから威張っても大丈夫」


そんな気持ちを持ちたい気持ちが1番上にいると手に取るように分かる。

私の機嫌を取ろうとしている所も。

私は仲良いから虐めることなんて無いから威張ってもいいよね?みたいな態度も。

全部が全部、反吐が出る。


そしたら1番命令してる私はどうなんだと言いたいと思う。


「お前が1番になったから調子乗ってそんな事言ってるだな。こっちの気も知らずに」


「そしたらなんでパシリなんかするんだよ。結局はお前も一緒じゃねぇか」


と言いたい事だろう。しかし私は前に経験しているのだ。本当の虐めを。


——それは、私が小学生の時までに遡る。


「おい、桜。ボール取ってこい」


「え、なんで?自分達が遊ぶんでしょ?私遊ボールで遊ばないし。私は鉄棒するから。」


「いいから!はやく!」


目の前の男の子は地面にある石を拾って私に投げつけた。


「いたっ!何?」


「はやく取ってこいって言ってんの。ほら、昼休みって時間限られてんじゃん?もったいないじゃん?だから早くしろよ」


男の子は石をまた拾って投げようと振りかぶって取りに行けと催促してくる。


「そんなの私知らない。自分達で持ってきたら?」


私は反抗の態度を見せた。ここで


「はい。持ってきます」


など言うものならずっとこき使われるままだ。

だから私は反抗する事にした。


「なんだよ。その態度。お前何も出来ないくせに」


そう。私は運動が出来ずに運動会では私が点数取れずに負けたせいで今こんな扱いを受けているのだ。


「きゃっ!」


男の子は私を蹴って来た。私は痛いけど泣くのを我慢する。泣いたら負けなのだ。泣いて解決する訳では無い。だからひたすら耐えるのだ。


「先生に言ったらどう?」


と思う奴もいるかもしれない。そんなの知ってる。もう先生には言った。しかし先生は言う。


「あなたの勘違いかもよ」


「そんなことする訳ないじゃない。ちゃんと話し合えばなんとかなるのよ。逃げちゃ駄目なのよ」


逃げちゃ駄目?逃げてるのはどっちだ。先生が現実から逃げてるではないか。問題が起こると面倒くさいから逃げてるではないか。


だから私は先生に頼るのをやめた。

他の人に助けを求めるのもやめた。

信じるだけ無駄なのだと私は知ったのだ。

だから私は自分が虐められる事がないように。

自分が馬鹿にされない為に。私は運動も、勉強も全部死ぬほど頑張った。諦める事も出来た。諦めようと何度も思った。

けど、諦めたら負けた気がして私は頑張ったのだ。そして今の立ち位置がある。



「も、持ってきました!」


「ありがとう。放課後直ぐにうちの所に来て」


「え……。はい……。」


目の前の少女は絶望した顔をしていた。



——放課後


「ちゃんと来たね」


「こ、今度は何を命令するんですか!?」


「はい。さっきのお金。あと買ってきてくれてありがとね」


「え……?」


「どうしたの?要らないの?」


「い、いるけど……。まさか返してくれるとは思って無かったから……」


私は別に虐めてたやつみたいになりたい訳じゃない。虐められないようになる為に振る舞わなければならないのだ。だから私は買ってきてくれた人に後でお礼も言うしお金も返す。虐めなんてもってのほか。その事を目の前の少女に話した。


「だからちょっと悪い奴に見える演技しないと行けないの。私みたいに酷いことを受ける人がもう出ないように」


「ふふっ」


「なんで笑うの?こんなこと言ってるけど実際にあなたをパシッたんだよ私は」


私は不服そうな顔をしたら目の前の少女はまた笑って言った。


「だって、こんな優しい人見たことないもん」


「は?優しい?私が?自分可愛さで人をパシる私が?」


「そんなことないよ。じゃあ、そんなことないって私がクラスの皆に証明してあげる!友達になろ!徳井 桜ちゃん!」


「本当に……いいの?」


今まで人が怖くて友達と呼べる人がいなかった私は戸惑いを隠せなかった。


「もちろん!よろしくね!桜ちゃん!」


私はやっと私が接して来た人の中で友達と呼べる存在が出来ました。

今回も短編を書かせていただきました!

今回はただ私が「こんな現実だけどこんな優しい世界だったら」と思って作った作品です!

拙い文章でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!!

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