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あ、あ。あ?
言葉とは不思議なもので、時には人をきずつけちゃうんですよ。
なんて言って、彼女は僕の前から消えた。
きっとそれは誰かにあてたものでもなく、
それを聞かせる相手は誰でもよかったのだと僕は思う。
しかし、それを確かめる術などなく。
やっぱり想像で終わらせるしかなかったのだ。
あぁ。小説や漫画の主人公みたいな時間だった。なんでもいいんだ。この際小説の主人公としよう。僕は小説の主人公。
この話は日常×ファンタジーの小説。
ところで問題がある。仮に小説だと仮定したとき、果たして読者はどこからこの話を読んでいるのかだ。
例えば僕と彼女の出会いから描かれているなら丁度いい。
小説はここでおしまいだ。
ただ、彼女が消えたシーンからだったりしたら?
たぶん読者は、目の前の読者は。
意味がわかっていないのだろう。
もしも出会いから描かれているなら、とても退屈だと思うが、もう一度彼女と出会った頃にさかのぼろう。