表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法至上世界の最強剣士【連載中止しています】  作者: ぴょん兎
チート無しで異世界転移?いやいやいや........
7/27

遠いあのころ.........

シオリとアキトの関係についてです

途中から回想シーン入ります

 王の間を出ると、もう夜だった


 王宮で祝賀会が催されたが、俺は肩身が狭く

 終始壁と一体化していた


 さて、みんなも気になっていたであろう異世界料理だが、味はそんなに悪くなかった

 ただ、見た目はちょっとアレで、何が使われているか非じょ~に気になったが.....


 その後のことだが、実はみんなあまり覚えていない

 というのも、どうやら飲み物に軽いアルコールが入っていたそうなのだ

 アルトミルドでは、飲酒は各自判断で飲んでよく、平均15才で飲み始めるそうだ


 よって、クラスの3分の1が撃沈

 アルコールに弱かったらしい、さやか先生も轟沈

 残った3分の2も、夢うつつという、こいつらホントに勇者かっ!

 という有り様だった.....


 俺はといえば、壁化?が幸いして、飲んだ量も少なく、部屋に戻るころには

 酔も冷めていた


 そうそう!部屋割りだが、みんなは王宮に個室をもらっていた

 残念ながらその「みんな」のなかに俺は含まれていない

 鍛冶師だから暖炉がある部屋を、とかいって別館に飛ばされてしまった


 少しずつ、みんなから離して機を見て王宮から追い出そうという

 国王の考えが透けて見えるぜ.......




 部屋に戻った後、俺はベットに大の字になって

 これからのことについて、回らない頭を必死にまわしていた


「今まで、異世界転移ものは沢山やったり読んだりしたけどなぁ

 ここまでチートがないのはなぁ大体ステータス低すぎるしなぁ」


 そう、オタク知識を使うにはアキトは弱すぎるのだ

 小説でいうならモブキャラA、ゲームなら村人1




 どうしたもんかと、考えを巡らせていると

 突然ドアが開いた


 バッと上体を起こす、ドアからでてきたのは……





 頬を真っ赤に染めたシオリだった



「うお〜ぅ、ここがアキトの部屋かぁ〜」



 酔ってる

 絶対酔ってるだろこいつ


 足元のおぼつかないシオリをベッドの縁に誘導し、座らせて、水を飲ませる




 男部屋に男女2人っきり

 しかもベッドの上

 絶対まずいだろこれ!



「アキトぉ〜、わたしぃ〜ずっと待ってるんだぞぅ〜」


 酔っぱらいが話し始める


「何をだ?」


 シオリ潤んだ目の上目遣いに思わず勘違いを起こしそうになる


「アキトの......をだよぅ、

 小5からずっとだぞぅ〜」


 小5?俺とシオリが会ったのは高校だぞ

 やっぱ、酔っぱらいの戯言か?


「アキトがぁ、痴漢?、から助けてくれたときからだよぅ〜」



 .....覚えは...ある

 あんまりあのときの事は思い出したくないが......



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 小4のとき、俺は今同様、いや、もっと酷いいじめを受けていた


 きっかけは単純、A君かOちゃんのこと、スキ!ってやつだ


 俺の場合悪かったのは、俺が本当にOちゃんの事を好きだったことだ

 そのせいで、否定しきることができなかった


 当然、噂はすぐに広まった

 すぐにいじめが始まった


 子供は手加減を知らない、だからいじめも容赦がない

 今と違い直接暴力が振るわれることはないが、あちこちで悪口やら嫌がらせをする

 みんながみんな、悪意があるわけじゃないし諸悪の根元が特定できないからなお達が悪い


 そうして、1か月がたったころ、俺は我慢できずにOちゃんに告白した

 返事は


「はあ、何言ってんの?好き?イヤイヤ?勘弁してよね?ゴメン、タイプじゃないわ〜

 っていうか、あの噂やめてくんない」



 酷かった

 それはもう酷かった

 というか、いつものお淑やかさはどうしたんだよ

 攻撃的過ぎるよ


「はあ、あれ?猫かぶってるに決まってんじゃん」


 そういってOちゃんは去った

 俺はその場に蹲った

 それから、俺は中3になるまで女性恐怖症になった





 その後もいじめはなくならなかった

 A君がOちゃんに振られたと分かったら、今度はそれをネタにしていじり始めた

「あいつ、Oちゃんに振られたんだってよ〜」

 ってやつだ


 いじめは一向に収まる気配がなかった


 どうしようもなくなった俺は思った



 強くなりたいと



 あいつらに言い返したいと思った俺は剣道の道場で師範代であった祖父に教えを請うた


 それから、1年以上の間剣道を習った。どうしても強くなりたかったし、才能もあったらしくメキメキ上手くなった


 いじめも一向に収まる気配がなかった


 俺の中で俺は正義で学校の奴らは悪だった

 当然のように俺は正義のひヒーローに憧れた





 それがあったのもそんなときだった


 小5の夏、いつもの道場の帰り道

 路地に男が女の子を連れ込んでいるのが見えた

 見た瞬間、あいつは悪だと俺は認識した

 正義の味方に憧れていた俺は迷わず男を竹刀で倒した

 女の子に名前を聞かれた俺は

「霧峰瑛斗だ」と名乗って、その場を去った


 ちなみにそのあと、祖父にこっ酷く叱られた

 女の子と男を放置したこと

 警察に事情を説明しなかったこと

 見知らぬ人をいきなり竹刀で殴ったこと

 等々......




 また、その後、小5終わりに道端を歩いているとき、女の子とその母親が


「こら、暴力に暴力で返すのはだめでしょう!」


「だってぇ」


「いい?暴力で解決してもね、立場が変わるだけなの!あなたはその子達みたいになりたいの?」


 と話しているのを聞いた



 冷水を浴びせられたような気持ちだった



 自問を繰り返した俺は学校のみんなを無視することを決めた


 するといじめは次第に収まっていった


 いじめが収束するにつれて、続ける理由を失った俺は剣道からも次第に離れていった.....


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「あのときぃ、アキトくんすごぉーく、かっこよかったんだよぅ?」


 うおおおおおぉぉ、なんか黒歴史を突かれてるみたいでめっちゃ恥ずかしいぃーー



 黒歴史がぴょこっと、「呼んだ?」って出てくるのが分かる



「高校入ってぇ、アキトくんに再会してぇ〜、嬉しかったけどぉ〜、アキトくん忘れちゃてるみたいだったしぃ〜」


 だってお前、名乗ってなかったじゃん!


「なんかぁ〜、いじめられてるみたいだったけどぉ、わたしはぁ、気にしないもん

 だってぇ、知ってるもん、ホントはアキトくん強いんだってことぉ〜」



 買いかぶり過ぎです

 5年もたって、剣術なんてほとんど忘れました



「わたしはぁ、アキトくんのこと待ち続けるもん、だってわたしはぁ、アキトくんのことぉ、すーーんぐぅ」


「その先は酔ってるときには聞いちゃいけないと思う........」


 俺はシオリの口に指を入れて無理やり言葉を途切れさせた


 アキトだって男だ

 今シオリがなにを言おうとしていたかわからないわけじゃない

 でも、それを酔った勢いで聞くのはあまりにも不誠実だと思った


 それでも、聞かないのは苦渋の決断だった

 シオリのことが好きか?と言われれば、迷いなく「好きだ」と言える自信がある

 それゆえに聞かないのはきつかった


「また、今度な.....って、ん?」


「............zzzzZzzZZ」


 寝ていた

 俺の指をくわえたまま

 寝ていた


 どうしたもんかなぁと先程とは違い意味で悩むアキトだった




 結局、シオリをベッドに寝かせ、

 アキトは床に雑魚寝して眠った


 ーーーーーーーーーーーーーー


 チュンチュン、


 早朝、目をかけると見知らぬ天井があった

 ぼやけた視界の中、何故だから痛い頭を抱えながら、上体を起こし横を見ると、



 好きな男の子、アキトくんがいた



「へっ」


 思わず間抜けな声が出る。

 それからゆっくりと昨夜のことを思い出す


「っっ!」


 きゅ〜っと、足先から耳の端まで真っ赤に染めると、ガバッと起きて部屋を飛び出していった


 まだ朝霧がかかる早朝、2日酔いに頭を抱えていたクラスメイトたちは部屋から出られず

 彼女を見たものはいなかった.......

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ