チート無し!うそでしょ! その1
長くなったので、2話に分けることにしました
変更:ステータスにランクを加えました
アイコンを複数にしました
変更に次ぐ変更申し訳ありません
......うう......う....ん
ゆっくり目蓋を開ける
「知らない、天井だぁ」
今度はちゃんといえたぞ!
.........あれ、"今度は"って前はいつ言ったっけ?
なんとなくもやもやした、胸糞悪い気分のまま、体を起こす
辺りにはクラスメイト達が横たわっている
....10....20....27
さやか先生含めて27人いる
何人かは意識を取り戻しているようだ
取り戻していないものも、僅かに胸が上下しており命の心配はなさそうだ
さて、改めて辺りを見渡してみよう
俺らが寝そべっている床は石造りでピカピカと光を反射するほどに磨きあげられている
天井はドーム状になっており、中世の教会を思わせる
柱は等間隔に2本ずつたっており、シンメトリーを保っている
壁や柱、天井は床同様白の石造りだ
俺らの前には数段の段差の後、紅いカーペットが敷かれ、彫刻が施された大きな金の玉座が置かれている
その椅子に男が座っている
もしかしなくても、あれが王だろう
その脇に美女と15才くらいの美少女
反対側には法衣らしきものを着たおっさん
そして彼らを彼らと俺らを囲うように10数人兵士っぽい人達が立っている
見るからに王の間って感じだ
しばらくして、クラスメイトのみんなが復活した
「異世界の勇者達よ、遠いところからよく来てくれた!わたしはこのマズラル国の王、アストル•K•マズラルだ
この2人は妻のサリアと娘のセリアだ
混乱しているだろうから、まずはこの、イスラの話を聞いてほしい」
そう言って、脇の法衣のおっさん改めイスラとアイコンタクトを取ると王座に座り直した
「ご紹介に預かったイスラだ女神教の大司教でもある
君たちは我々より上位の世界から女神様によって召喚されし勇者達である
君たちにはこのアウトミルドの魔王を倒してほしい…………以下略」
あ〜あ、また長い話だよ
40人のクラスだから、半分以上が巻き込まれたわけか…
...あれ、なんで"また"なんだ?いつきいたっけ?
しかもなんで俺こんなに冷静なんだ?
もっと驚いてもいいのに.....
しかも、なんで"女神"って聞くたびにこんなに胸かムカムカするんだ?
「............ご神託によると、魔の頂点に君臨せしもの、つまりは魔王を打ちとらなければ元の世界には返せないそうだ」
クラスがざわつく
さやか先生が言う
「魔王を倒せば、元の世界に帰れますか?」
「だから、そうだと女神様がおっしゃているだろう!女神様を疑うのか!」
..........なんだろう、ものすごいデジャブ感
でも、ちょっと違ったような...
前はさやか先生じゃなかったような.....
......あれれ、"前"って何時だ?
あと、このイスラって奴ダメだな
目が終わってる、完全に狂信者の目をしてるよ、イっちゃってるやつだよ。これ
「お前らにはまず、その水晶に触れてもらいたい」
とりあえず、アストルの指示に従う
「次にお前らにステータス確認をしてもらいたい。視界の左上にアイコンがあるだろう。そこを押すことにをイメージしてほしい。
ステータス確認が出来るはずだ」
よくよく見ると視界の左上に
半透明の赤、黄色、青のまるで信号機かよってバーと棒人間のアイコンをはじめとする幾つかのアイコンがある
棒人間のアイコンを押すイメージをすると
目の前に半透明のウィンドウが展開された
霧峰瑛斗ーーーーーーーーーーーーーー
男16才
Lv.1
天職 鍛治師
HP 700/700
神聖魔力 0/0
自然魔力 100/100
STR 120
VIT 100
AGI 140
INT 100
MEN 100
DEX 130
ランクH
称号
異世界からの転移者
パッシブスキル
片手剣Lv.1 両手剣Lv.1 鍛治師Lv1
言語理解
ASスキル
魔法スキル
技能スキル
武器作成Lv.1
ーーーーーーーーーーーーーー
う〜んこれ高いのか?
と、考えていると
まるで分かっていたかのようにアストルから声がかかる
「それはステータス画面だ。能力やスキル、称号や天職が表示されているはずだ
各表に触れれば詳細が表示されるぞ
詳しい話は後日するが、能力にだけは触れておこう、さっき触れてもらった水晶は、お前らの現時点でのステータスを集計するものだ
能力は一般平均でHP500、神聖魔力300、残りが100ほどだ
まあ、お前らなら3〜10倍はあるだろうがな
ガハハハッッ」
............ん?........................あの〜..........................2倍もないんですが………………もしかしなくても俺、弱かったりします?.........
しかも集計されてる?
バレるんすか?
国王の傍で何人かの兵士達が水晶を見て何か言っている
すると、突然兵士達が驚いた顔をしてこちらを見た
ひとりの兵がアストルに耳打ちしたようで、アストルが顔をしかめる
辺りの兵士にも伝わったようで、ざわざわと騒いでいる
あちこちで、「加護なし」「神聖魔力なし」「ランクH!?」
「ステータスが低い」「鍛治師?」といった声が聞こえる
..............え、.....これ.....詰んだ?
アストルが立ち上がって言う
「霧峰瑛斗、前に出ろ
サミル、鍛治師とはなんだ?」
「はっ、調べて参ります」
そう言って、サミルと呼ばれた兵士は王の間を出た
俺は仕方なくアストルの御前に膝をつく
後ろでクラスメイト達がざわついている
「お前には神聖魔力と女神の加護がない
心当たりはあるか?」
国王アストルが尋ねる
そこには、嘘は許さないという響きがあった
「......全くございません….」
呻くようにして、俺が答える
額に玉の汗が浮かぶ
頬を汗が流れる
「しかし、加護をもたぬものを女神の遣わした勇者として認めるわけにはいかぬ、よって……」
「お待ち下さい!」
俺が絶望しそうになっていた時
背後から声がかかった
シオリだった
「彼は我らの仲間です!なにとぞ、なにとぞご容赦を…」
一瞬の沈黙
そして、やっとアストルが声を発した
「……よかろう、異世界の転移者の称号はある
ひとまずは、王宮に住むがよい」
………ふぅ、どうやらアストルは勘違いしてくれたようだ
俺らと後々しこりを残さないための処置だろうが
俺をどうしようがクラスメイトの大半は喜ぶというのに…