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魔法至上世界の最強剣士【連載中止しています】  作者: ぴょん兎
チート無しで異世界転移?いやいやいや........
25/27

閑話 sideさやか わたし最近悩んでるんです

なんだかんだで、明日投稿とか言って投稿ほぼ次の日になっちゃいました。すいません。

遂に閑話が終わりました。

次回、第1章最終話です。

 わたしは平山さやか。


 高校で英語の教師をやってます。

 いいえ、正しくはやってました。


 今から2ヶ月とちょっと前、クラスのみんなと異世界にいくというトンデモな体験をさせられて、唯一の大人(・・)というわけで生徒のみんなに頼られて…


「さーちゃん、おはよう」


「そこ!さーちゃんって呼ばない!先生はちみっこではありませんよ!」



 ません。はい、頼られているのはどちらかというと京塚孝介くんっていう子で…別に悔しいわけではありませんよ?大人ですから!

 でも、もう少し頼られたいなんて…


 まぁ、しょうがないですよね。先生の天職は薬師で戦闘できませんし、コウスケくんの天職は勇者ですから。





 と、話が逸れました。


 実は最近、悩みごとがあるんです。


 …あぁ、大人扱いされないとかじゃありませんよ?それはもう諦めましたから。


 ……え、彼氏がいない?それはいいんです!きっといつか出来ますから!第一先生はまだ27でまだいき遅れるような歳では……クドクド……



 で、なんの話でしたっけ?

 あぁそうそう、悩みごと!


 実は、クラスでいじめがあるみたいなんですよ!

 大ニュースですよ大ニュース!


 因みにこれを知った時は酷いショックでしたよ。生徒たちが話しているのを小耳に挟んで。


 何より生徒たちがそれを話のネタにしているのなんのって。正直恐ろしくなりましたよ。あまりに怖くて、その夜に弱いのにヤケ酒したくらいですよ…


 それでも、ここは先生(・・)大人な(・・・)対応をみせるところと、次の日から一念発起して被害者らしい子のところに行ったんですけど…


 被害を受けているらしい子は霧峰瑛斗くん


 確かにクラスでは1人であることが多かった気がします。でも、どちらかというと、いつも授業中寝てたことの方が印象的ですかね。

 あと、シオリさんともよく一緒にいたイメージがあります。


 一体いつからイジメられていたんでしょう?

 ※入学初日です


 そのアキトくんのもとに、聞きにいったのですが、「されてない」「違う」「人違い」の一点張りで…


 クラス始まって以来の大問題なのに解決の糸口さえつかめなくて困ってるんです。



 でも、最近変化があったんですよ!


 数日前、みんなと街に降りた日からでしょうか?アキトくんの顔つきが少し変わったんです。


 物理的にではありませんよ。雰囲気がってことです。なんていうか、そう!決意を決めたような…


 そこで今回、先生も覚悟を決めて、深く問い詰めてみたいと思います。


「というわけでアキトくん」


「何が、というわけなのかわかりませんが、はい?」


「今日こそ吐いてもらいますよ!」


「悪役っぽいですよ、先生」


「話をそらさないで下さい!ホントはイジメられてるんでしょ!」


 悪役ってなんですか!むしろ生徒の悩みを聞く善人ですよ。


「またその話ですか…先生は俺をイジメられっ子にしたいんですか?」


「そうじゃありませんけど…でも、先生はアキトがイジメられてると確信してますよ」


 まあ、ただの勘ですけど!!


「いつも通り、違うっていっときます」


 ※アキトの心の声

(イジメられてるやつが、そんな聞き方でYesなんて言えるわけねぇだろ。普通)


「今日という今日はぜっったいに全部話してもらえるまで逃がしませんから!」


 ※アキトの心の声

(さっきの聴いてた!?違うっていったよね!?)



 ……


 ………



 視線の応酬。


 どちらも全く目をそらさない。



 ……………


 ………………



「…………………はぁ」


 アキトが深い深い息をつく。


「わかりましたよ、先生。1つ質問です」


「…えぇ、なんでしょう?」


「先生はまだ(・・)、生徒みんなの先生ですか?」


「…………えっと、どういう意味ですか?」


 先生が先生?


「先生はこの国とかよりも、生徒たちのことを1番に考え守ろうとするる「先生」か、ということです」


「……あぁ、そう意味ならもちろんそうですよ」


「……わかりました、それなら先生に2つアドバイスです」


「へっ、なんでしょう?」


 アドバイス?


「近々この国で戦争が起こします。他の生徒たちが最前線で死なないように頑張ってください。できれば、最前線に出ないようにするのがベストです」


「は?へ?戦争?ちょちょちょちょっと待ってください!なんのことですか!?ちゃんと説明してください!!」


 私はパニックになりそうです。


 ※アキトの心の声

(さやか先生もシロみたいだな)


「はぁ…」


「めんどくがらないでください!」


「わかりましたよ…えっと、どこから話しましょうか。そうですね、ではこの国で戦争が起こる、だというところからにしましょう」


 そこは大事ですね。話の根幹です。


「そこまでに至った理由はいくつかありますけど、最大の理由は城下街に降りたとき、ある噂を耳にしたからです」


 噂?


「なんでも、この国が大量の奴隷を買って、兵力の足しにしているのだとか」


「さらにもう1つ理由があります。先生、分かりますか?」


 もう1つ?全く想像できません。


「…俺たちですよ。俺たち勇者みんな」


 ??どういうことでしょう?


「さっきの話を聞いてかつ、俺たちを召喚した。何か見えてくるとは思いませんか?」


「この国は成り立ちが特殊で、様々な国から恨みをもたれていて、特に隣の帝国からが強い」


 まさか!


「奴隷で増えた兵力と私たちを合わせれば……恐らくですが帝国に勝てるでしょう。……もちろん、相応の犠牲は必要ですが…」


「……でも、でもそうじゃない可能性だってあるでしょう?」


「…先生、私たちの食費や武器、どうして無償で与えられてるんだと思います?国のメリットは?」


「…それは、魔王を倒すため…」


「違いますね。そんなのはこの国のメリットではありません。魔王を倒したからってこの国が豊かになるわけじゃないでしょう?」


 あぁ、あぁなんてことでしょう!


「…それなら、国王に訴えれば…」


「ダメですね。第一物的な証拠がありません。精々、予定より早く俺たちに協力させる確約を取り付けられるのがオチですよ」


「それならどうしたらいいんですか!?大体どうしてアキトくんはそんなに冷静なんですか!?」


 ああ、生徒を怒鳴ってしまいました。気が動転していたとはいえ、先生失格ですね…


「そりゃ、もちろん俺が近々この国を出て行くからですけど?」


「へっ?」


「あれ?言ってませんでしたっけ?俺、3ヶ月くらいしたらこの国出て行きますよ?」


「…なんとか、思いとどまってもらうことは…」


「無理ですね。まずもって俺が出て行かなくても、クラスの奴らか国王が追い出すと思いますよ」


「そんな…そしたらわたしは誰を頼れば…」


「何を言ってるんですか。先生は大人(・・)でしょう?ちゃんとできますよ。そのためにアドバイスもしますしね」


「いいですか、先生。まず先生はこの世界で生き残るための知識を身につけて下さい。これは俺も協力します」


「次に、国王がみんなの前で戦争参加を訴えるときに、適当な言い訳でみんなを連れて逃げて下さい。それだけでいいです」


 …あれ、思ったより簡単?


「実のところ、俺たちはこの国に家族とかがいるわけではありません。恩があるだけです。相手がそれを利用するならそれも恩とはいえないでしょう」


「ですから、大変なのは国王につく言い訳だけです。先生、頑張って下さいね」


「みんなに協力を求めるのはダメですか?」


「ダメです。国王にバレたらおしまいですから」


「そう…ですよね…」


「大丈夫、大人な(・・・)先生なら余裕ですよ!」


「そうですよね!」


 なんかできるような気がしてきました。


「そうそう、もう1つのアドバイスは…」


 というと、おもむろに紙とペンを出して何かすごいスピードで書き付けると、


「これでお願いします!」


 と言って、紙を押し付けてそそくさと去ってしまった。




 ああ、これからどうしよう…


 わたしは途方に暮れていました。


 いきなり、戦争だとか言われて困ってしまったのです。


「はぁ」


 思わずため息が漏れます。


 誰にも相談できないのがこんなに辛いとは思いませんでした。


「あぁそういえば、なにかもらったんでしたっけ」


 と紙を取り出し読んでみると…


 ーーーーーーーーーー


 先生、騙されやすすぎですよ。

 そんなことではきっと俺が先生を誘導して話を逸らしていたのにも気づいていないでしょう。

 もう少し先生はしたたかになった方がいいです。

 大人(・・)なら気をつけないと、みんなも守れませんよ。




 追伸

 シオリには全て話しておきました。相談するなら、2人だけのときにして下さい



 ーーーーーーーーーー





 …………





「あーーーー、結局イジメの話聞けなかったーー!!!!」


 叫びが誰もいない広場に響き渡る。


 その叫びは全てを見透かされたようなことに対する怒りだろうか。


 だが、その顔は付き物が落ちたように晴れやかな笑顔だった。



 さやかは気づかない。

 自分の中でアキトのイメージが大きく変わっていることに。


 頼れる存在だと思うようになっていることに。生徒とは異なる男の人として見つつあることに。

 さやかは気づかない。



 また、アキトも気づかない。

 先生にこの話をしたことがアキトもさやかも生徒たちも、みんなの運命を大きく変えたことを。

いやー、イジメって人に言いづらいものですよね!


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