閑話 イジメ、ダメゼッタイ!
閑話です
かなり時間を遡ります
異世界生活3日目
今日は初訓練の日、
その夕方、俺は兵舎裏へと大野たちに引きずられていた
「おい、俺らさぁ、魔法使えるようになったんだぜ」
「これがまた、かなりの威力でなァ」
「まぁお前には使えないがな」
下卑た笑い声が響き渡る
そう、魔法を使うためには神聖魔力と自然魔力が最低1以上は必要なのだ
神聖魔力ゼロの俺には使えない....
「おい!聞いてんのか?アァ!」
「それでさぁ、お前、魔法も使えないくせに、シオリと仲良くしてんじゃん?」
「それを許してる優しさの深ぁい、オレらにさぁ?感謝の1つぐらいあってもいいんじゃねえの?」
なんで、そこでシオリが出てくる!
なんで、お前らの許可がいる!
ツッコミ満載のツギハギだらけの文脈なのに、奴らの中では成立しているらしい
「だからさぁ、すこーし、ばかりさ、魔法の的になってくれよ」
だからさ、それが嫌われてる原因だって、なんで気がつかないかなぁ
時折、背後を兵士が通り過ぎる
ほとんどはこちらを見た後、そそくさと通り過ぎていたが、何人かはこちらを見てニヤニヤしている
「おい、お前ら助けないのかよ!」
「いやさ、オレらは国王サマから王宮に住まわせてやれ、とは言われたけど、助けてやれとは言われてないからなぁ」
背後の兵士達の笑みが一層深まる
「それに、勇者サマが頑張って魔法の訓練しようってんだろ?止める理由がねぇじゃねえか」
ギャハハッ、大野たちと兵士達が笑う
あいつら、兵士どもを抱き込みやがったな....
「それじゃ...行くぜ、ファイヤ!」
バンと大野の手から炎が放たれ、俺を包み込む
「ああああアァァァ!!!」
俺のHPバーが3分の1ほど減少する
つまり、3分の1だけ、俺は死にちかづいたということだ
「おっ、おい、やべぇんじゃねぇの?」
大野たちが俺を見て、恐れ始める
そりゃそうだ、MEN100の俺がINT500越えの魔闘士の大野の攻撃を食らえばそうなる
「ちょっと、何してるの!!」
シオリの声がする
兵士どもがそそくさと退散する
大野たちは慌てふためく
ザマァみろ大野、シオリに見られちまったな....
それにな大野、この世界ではなぁ、抵抗する意思がない敵以外の奴に暴力を加えると「暴行」って称号がつくんだよ...
せいぜい苦しめや....
そうして、俺は気を失った....