城下町にて.....
しばらく城下町で話しが続きます
変更:夫婦の設定で例外を加えたりしました
国名が変わってました
俺らは金貨50枚を渡されてる
既に何人かの男子はそわそわしている
「では、行ってくるがよい」
数人の男子が、ダッシュで王の間を出て行く
残された男子もチラチラと女子達を見ながら、そそくさと出て行く
行くのは当然、王宮御用達の奴隷商だ
それを女子達が白い目で見送る
残された女子達と、コウスケ達ごくごく少数の男子が、ゆったりと退出する
俺は.......
最後に王宮を出た
俺はそんなものに興味はない
だいたい俺は女子と行動してないし
部屋も別館に1人
明日生きられるかもわからない雑魚キャラっぷり
鍛錬の毎日....
そんな暇ねぇんだよ!必要も無いしな!
言ってて悲しくなってきた....
さて、ここでこの世界に置いての
嫁と奴隷について話しておこう
この世界では、15歳関係を結んだ相手が嫁となる
ここは、完全なる一夫多妻制で、妻は夫に仕えるべきと考えられており、女が複数の男と関係を持つことは許されていない
というかできない。2人目と関係を結んだ瞬間に「悪女」の称号がつく
ただし、男の方から無理矢理関係を結ばせた場合に限り、男の方に「強姦」の称号がつく
だが、それにも例外がある
戦時中は女性を襲っても称号はつかない
他にも、こういったマイナスの称号は、ついた後に女性が受け入れたりすれば消えることがある
これらは専用の魔道具でチェックでき、討伐対象になる
再婚するには、前の主人が死ぬか、専用の魔道具を使うしかない
また、関係を結んだもの同士は「○○の寵愛を受けし/与えしもの」という称号がつき、ステータスやバーが見えたり、互いの位置や状況がなんとなく分かったりと色々メリットがある
まさに、夫婦に隠し事なし!というやつだ
ヤッたもん勝ちである
この、唯一の例外が奴隷だ
奴隷の場合は称号がつかないのだ
だから、風俗店は全員奴隷だったりする
ここで通貨についても触れておこう、
鉄貨 1フェト
銅貨 10フェト
銀貨 100フェト
大銀貨 1000フェト
金貨 10000フェト
大金貨 100000フェト
白銀貨 1000000フェト
になっている
おおよそ、1フェト=1円なので、何気に50万円くらいもらってたりする
さっすが、王サマふとっ腹!!
ちなみに奴隷の相場は金貨35枚で
男子が走り去っていった王宮御用達で金貨45枚くらいだ
40万か....この世界の命は軽いな.....
改めて、世界の違いを感じるアキラだった....
マズラル王国城下町、首都マルゼン
人口20万の大都市だ
その、メインストリート....
ではなく、外れにある半スラムの様な道を歩いていた
道行く人は皆、下を向いている
こちらには見向きもしない
「......ああ、これのせいか....」
そう、服装だ
いくらアキトがハブられているとはいえ、王宮に住むものだ、一応はキチンとした服を着ている
なぜアキトがこんなところを歩いているのか?
理由は単純
金がないからだ
実は、アキトはちゃんとした武器を持っていない
「鍛治師なんだから自分で作れるだろ!」とか言われて、宝物庫の武器を貰えなかったのだ
コウスケは聖剣カリバーンとか貰ってるのに.....
そうそう!
鍛治師について話していなかったな!
俺がどうやって武器を作っていると思う?
元の世界の知識を使って.....
いやいや、いくらアキトがオタクもどきでも、刀や剣を1から作る方法はほとんど知らない
銃は部品まで結構知ってたりするが....
実際には、インゴットを炉で熱して、金床に置いて、槌とハンマーで打っていくと、ある回数でインゴットが勝手にアキトのイメージをトレースして、勝手に形作られる
さっすが、ファンタジー
どこぞのゲームで見た設定に似ている
また、天職に生産系を持つ人はなんとなく必要な材料の量が分かったりする
また、武器をインゴットに戻すことも可能だ
武器製作Lv.3では鉄や銅、銀くらいしか加工できない
だから、ブロンドソードやらショートソードやら、スチールナイフやらしか作れないのだ
そういうわけで、当面の武器が必要なのだが....
正規の店舗の武器は金貨15枚以上するのだ
理由は武器に魔法を付与しているからだ
例によって剣士のいないこの世界では剣は魔法剣しかない
魔法剣は魔道具の一種なので、自然と高くつくのだ
だが、神聖魔力ゼロの俺にとっては、魔法剣使えないので、魔法剣も普通の剣も変わらない
だから、この半スラムでジャンク品の掘り出し物を探しに来たのだ
半スラム街の一角、木造の今にも倒壊しそうな納屋があった。その扉に剣が彫ってある
武器屋の証だ
それにしてもボロい、注意深く見ていなかったら見落としていたレベルだ
「失礼しま〜す」
「!!テメェみてぇなお高くとまったもんがくるところじゃねぇ!けえったけえった!」
カウンターにいた髭面の小男が、アキトを見た瞬間、追い出そうとする
「ちょ、ちょっと待って下さい!俺、そんなお偉いさんじゃないですよ!」
「オメェ、王宮の衣装着てんじゃねぇか」
悩んだ俺は、ピコンとひらめいて、ステータスを開いた
「こういう理由ですよ!」
おっさんにステータスを見せつける
当然、スキルと「異世界からの転移者」の称号を隠すことも忘れない
おっさんはステータスの神聖魔力ゼロと、なぜか称号のあたりを見て、納得した様子で、どこか憐れんだ目を俺に向けた後、天職のあたりを見て、目に穴が開くほど凝視した
「.....えっと、何か付いてます?」
おっさんがステータスと俺を交互に見やる、
「....お前ちょっと来い」
今度は店内に押し込められて、扉を閉められる
先程とは、逆の対応に俺が目を白黒させていると....
「....オメェ何もんだ」
えっ、何もんだ?と聞かれましても....
勇者?いや、一緒にいないしなぁ
答えられないと見たのか、
「......いや、聞き方が悪かった、もう一度聞く、お前はニンゲンか?」
「....そうだが、何かおかしいか、お前も人間だろ?」
「....そう思うか?」
おっさんは自嘲の笑みを浮かべた
おっさんは首回りの布切れを一気に取り払った
「...なにを.....!!」
思わず息が詰まった
その首には無骨な首輪がはまっていた
「....お前....奴隷だったのか.....」
「オレはドワーフのラドムだ」
よくよく見れば、褐色の肌に小柄な肉体、僅かに横に伸びた耳....
ドワーフだった
それから、ドワーフ改めラドムは自らの過去を語り始めた....