閑話 遠い異世界の地で....
少し時間を遡ります
異世界にやってきて4か目
今日はどうしても聴きたいことを尋ねる
「ツバキさん!あなたってその名前、日本人なんですか!?」
「ど、どうしたんですか?突然!
......えっ、名前ですか?」
「そうです!その名前、日本の花ですよね!」
「....あぁ、そういうことですか」
「やっぱり、そうなんですね!」
「いえ、違いますよ
この名前、アキトさんたちの故郷の花の名前なんですね」
「えっどういうこと、ですか?」
「実はね、今から350年前にも異世界召喚が行われたんですよ」
「!!どういうことですか!詳しく教えてください!」
「ええっとね…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今から350前、
人間領は魔族領に侵略され始めていた
原因は魔王の誕生である
そこで魔王討伐のため、異世界召喚が行われた
召喚されたのは…
「ここは何処ぞ?」
「ようこそ、勇者様
ここは、オユミヤ帝国でございます
どうか、この世界をお救いください
....ところで、お名前をお聞きしてもよろしでしょうか?」
「おおぅ、我は武田一之助じゃ」
それから、一之助は魔族との戦闘に参加し活躍するが、いっこうに魔法を使いたがらなかった
一之助曰く、
「かように怪しげな術を使うは武士の恥!」
らしい
頑として魔法を使わなかった一之助は、3年後、戦闘の最中に亡くなってしまう
だが、彼は多くの愛人を作っており、その子たちに名前をつけていたそうだ
その名前が気に入られ、人間領全土に広まったそうだ
ちなみに魔王だがその50年後、1人の英雄が現れて、討伐されることになる
一之助はその影に隠れ、知る人ぞ知るというやつになってしまったのだそうだ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「その、一之助は江戸に向かっていたぶしょう?らしいですよ?」
(今から350年前ってことは江戸時代だな
話とも一致している、こっちの世界と元の世界の時間の流れはほぼ一緒なんだな....
思わぬところで大事なことがわかったぞ!)
「それにしても、花の名前だったんですね。その花って綺麗なんですか?」
「ええ、真っ赤のとっても綺麗な花なんですよ」
「ツバキさんによく似合っている名前だと思いますよ」
「それって......」
なぜかツバキさんが顔を真っ赤に染めている
俺は今は亡き先人の冥福を祈るのだった...




