始まりは.........
キンッキンッ...ギャリギャリ
薄暗い洞窟の中に甲高い金属音と、地面に引きずるような鈍い音が響く
もう何日が経っただろう...少年は朦朧する意識のなかで考える
手に携えた剣はまだ暖かい赤黒い血がしたたっており、その服はところどころほつれ、切られ、元の姿は見る影もない。少年の頬や手足は黒くすすけており、無数の切り傷が見える
少年はその鈍い足取りでゆっくりと暗い洞窟の奥へと歩み続ける...
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まだ夏の余韻が残る9月の終わり、俺こと、霧峰瑛斗は高校への通学路を重い脚を引きずるようにして歩いていた
校門を抜け、さらに重くなった脚で、もはや這うような思いで教室のドアの前に立つ
その見るもの全て不幸にするようなマイナスのオーラを放ちながらドアを開けると...
「アキトくんおはよう!」
美少女が待っていた
「ああ...シオリさん、おはよう」
その瞬間、クラスの男子全員の目線が冷たくアキトに突き刺さる。その目に含まれているのは、嫉妬、憎悪、嫌悪...
なぜそんなことになったのかというと、目の前の少女に原因がある。
明宮栞
でるところがでて、しまるところがしまっている、1年男子彼女にしたいランキング1位の美少女(1年男子学年委員集計)であり、定期テスト学年順位1ケタという才媛である、性格も穏やかであり、そして...
「もう!呼び捨てでいいって、言ってるのに!」
そう!天然なのだ!ていうか、おい!目線が一段階冷たくなったぞ!
「ああ...うん、気をつけるよ...」
そんなことできるわけないだろ!と思いながら、当たり障りのないように返し、深い、それもう深〜いため息をついて席につく
体育祭も終わり、クラスでの立ち位置も定まってくるこのころ、俺の立ち位置といえば...
「おい、オタク!調子のってんじゃねーぞ!」
そう、いじめの対象であった。テンプレ通りの悪役のセリフだなぁ、と思いながら眺めていると
「舐めてんのか、ああぁん!」
これまたテンプレ通りに続く
「まあまあ、落ち着きなって、そう言いたいんでしょ、明宮さん」
「あ、うん」
突っかかってきたのは、大野大毅、俺をいじめるやつらの筆頭だ
それを慰めたのが、京塚孝介、シオリの幼馴染にして、俺の数少ない、というか唯一の友人であり、1年女子彼氏にしたいランキング(1年彼氏をつくる会集計)と学年順位で1位を取り続ける完璧超人である
ちなみに大野はシオリのことが好きであり、そのシオリと仲よさげに話している、明らかに不釣り合いな俺のことを嫌っているのだ
不釣り合いと言っても、俺の顔はクラスでも平均的なくらいだし、頭も中の上くらいだ。体型はやや痩せ型だ
あと、オタクではない。父親はゲーム会社で働いており、確かにそっち系だが、俺もまあ、ゲームやライトノベルは好きだが...一日中布団の中で引きこもっていたいと思うくらいには好きだが...断じて違う。フィギュアも買わなければ、東京のビッグサ○トで開かれるイベントにも行っていないのだ、断じて違う
「は〜い、ホームルーム始めますよ〜」
「ちっ、後で覚えてろよ」
最後までテンプレ通りの奴だったな
ふっ...最後までテンプレの枠から出られない奴だな...
教室に入ってきたのは、担任の平山さやか先生だ
担当は英語だ
「ちっ、リア充どもが」
担任の腹黒い小言が聞こえた気がするが、気のせいである。気のせいったら、気のせいだ
さやか先生は可愛いく、クラスの男子の人気も高いのだが...身長150cmで胸も断崖絶壁の残念さんで、どこまでいっても可愛いで、美しいにはならず、恋愛対象外なのだ。それで年齢イコール彼氏いない歴になってしまい、コンプレックスになっているのだ...寄ってくる男はロリコンか変態紳士くらいのもので、嫌気が差したのだそうだ...
クラスのみんなからは「さーちゃん」とよばれており、本人は「ちみっこ扱いするなー」と怒っているのだが、それがまた可愛く止められなくなっている
こうして、いつも通りの朝の一幕が終わり、授業という名の睡眠時間が始まる
俺はどうしてこんな事になったのか思い出しながら机に突っ伏した...
初投稿でかなり文書は拙いと思います。誤字脱字感想じゃんじゃん下さい!投稿はシロートなので不定期になります
よろしくお願いします