翼
55、翼
醜い俺 美し君 似つかわぬ二人 ひょんなことでお互いの視線が合ったが
そのときの胸の中では何かが動いた 得体知れぬ感触を覚えていた
ススめたバーで君は少し酔って この俺を故意に誘ってきたよな
妖艶な大人のオーラ醸し出す君は 愛の夜に俺の全て溶かしていった
くすぐるような指先に夢を見されていた 嘘と本当の見切りがつかないままに
心向くまま 愛を培った 熱い口づけ交わし 深く眠った
汚れた羽 一枚 宙で舞い始めた
心という空の色は場所により代わり
君の温もり 洗われた翼
狂い飛び交う鳥のように
ろくでもない生い立ちを歩み続けた
苛立ちの捌け口を親にぶつけ巣立ち
君と出会ったのは何が引きつけたか
それさえも気付けば 忘れてた
愛の意味を知り得た 翼よ
結局愛していたのか 愛し合っていたのか 分らぬままどこかへ去った恋人よ
人生など散るまでの遠回りであると 自分信じ 貫いてた 子の体を
全てを変えた君のくれた羽がついていると背中見て 驚いてた
遊戯でない恋なんて無いと思っていた 奪いたいと独占欲 芽生えていた
時は遅く既に「記憶」と化した君は 今も高いヒール履いて 魅せているのか
久しぶりのバー 片手のグラス 独りで傾けながら 涙を知った
羽のない無残な鳥 憩う暇もなくて
何とかしてしがみつくが追い払われそうで
君のぬけがらを探して求めて
つかめそうでつかめないから
君を探す間もなくて 花は枯れるだけで
次の出会い探しても 君浮かぶだけで
心の底から君を愛していた
荒れる日々 止める者なし
愛の意味を知り得た 翼よ
これまでに幾度もとお他街角で
君の陰見たときに心ザワめいた
追いかけて 駆けていく 名前叫ぶ俺は
振り返る君の肩に 手をかけて止めた
「君だけを愛してる!どこにも行くな!」と
「そばにいろ!」と「俺のものだ!」と叫び続け
君の返事さえ聞かず 強く抱いた
近頃感じず飢えてた温もりが
俺の背に伝わり 蘇る翼は
銀河の果ても翔べる君も言ったね「Love you」
翼捧げる 二人
汚くても、どんあ悪いことをしても、誰かを傷つけても、
人を愛する感情は白くて綺麗な羽のよう。
愛情、嫉妬、独占、悲哀、憎悪――。
人を愛するということは、たくさんの感情を抱くということ。
人を愛するということは、誰にも渡したくないと強く想うこと。




