手紙
88、手紙
いつも与えられているばかりで それだけで嬉しい 幸せと
小さく微笑む あなたの身体は大丈夫ですか?
いつも迷惑かけているばかりで それでもあなたは我慢して
涙も見せずに私を支えてくれましたよね
友人や恋人の前では 素直に笑って見せる私でも
あなたの前では苦い顔しかできずにいました
安らかに暮らせる陰では あなたの存在があり
どんなときも遠くにいても 私を見守ってくれた
ありがとう・・・
たとえ私が落ち込んでいても それはきっと次につなげると
なだめてくれるあなたの言葉は 結局流した
たとえ私が夢をかなえようとして それだって親身になってくれ
「街を捨てる」そう言っても優しさくれましたよね
友人や恋人に向かっては素直に口から出る言葉でも
あなたに向けたとき とがった言葉に変わっていました
清らかで澄んだ眼の奥に どれだけ温もり込められているの?
どんなときも 苦しい中でも 私を養ってくれた
ありがとう・・・
友人や恋人に囲まれ 盛り上がっていられる私って
あなたの愛に包まれてこれまで生きてこられたんですね
安らかに暮らせる陰では 必ずあなたの存在があり
どんなときも遠くにいても 私を見守ってくれた
いつもなら強がって照れくさくて 必ずあなたに言えなかった言葉
私は今 たった一度だけ あなたに届けます
ありがとう・・・
もう一度だけ ありがとう・・・
いつも携帯を使うばかりの 私も筆を持ちました
ありがとうと共に あなたの心のポストに届きますか・・・?
届きますか・・・?
親への感謝の気持ちは年重ねるごとに言いずらくなっていき・・・。
友人や恋人たちに言える「ありがとう」も、
親へ向けられた言葉は酷く鋭いものになる・・・。
私が今、ここにいられるのはあなたがいたから・・・なのに・・・
身近な人ほど気を許しているからなのかもしれないけど
やっぱり大切だと思う。
親に対する感謝の想いを届けることは忘れてはならないことだと思う。
ありがとう――。
私は静かに筆を置いた。




