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雪心
66、雪心
1月半ば 東京にこの冬 初の雪が降る
「銀世界だね」 ふと口にする君の切ない声が
窓にぶつかり 僕の心を締めつける
次第に雨へと変わりゆく儚さは
君へと寄せる恋心と どこか似ていて
くもる窓ガラスから眺める 煌めく星もかすんで見えず
想い 伝えられないけれども 好きでいれるのなら・・・
ふりかえってみる 自分の歩いてきた足跡が残っている
「どうしてだろ・・・」 ふと口にする僕の届かぬ声が
白い息となり昇る 哀しみと一緒に
手紙を送ろうか できるだけ近くに
君を感じたい 迷った挙句の果てに何もせず・・・
遠いどこかの街へ行くと 君からの言葉に佇む
風のにおいがたちまち変わり 悲壮に包まれる
くもる窓ガラスから眺める 煌めく星もかすんで見えず
想い伝えたい 君へ・・・「好き」と言いたいんだ
雪で白く染められた駅舎 近づく列車の音 聞こえ
ベンチ座る君へと・・・「好き」と口にしたよ・・・
好きだ・・・
いつまでも
好きだ・・・
雪の降る季節は、片想いの季節で
片想いは雪のように儚くて、
雪のような君へ寄せる想いは
冬よりも冷たい終わり方をする・・・。




