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11

マリアカーナの部屋の中はあまり嗅ぎ慣れない、濃厚な甘い香りが充満し、紫色の靄のようなものが漂っていた。


要するに、ちょっとした催眠を用途としたお香を焚いているのだ。普通の人間なら、間違いなく何処かしらの身体的、精神的異常、機能不全、障害を引き起こしてしまう程の、そんな超危険な空間の中で俺はソファに腰掛け、テーブルを挟んで向かいに座ったマリアカーナの話に耳を傾けていた。


ルデアは天蓋に豪華絢爛な装飾が施されたマリアカーナ専用の特注サイズのベットで安眠中だ。


「――なるほどな」


俺はマリアカーナと続いていた会話を一旦区切って、テーブルの上のマリアカーナが用意した紅茶を手に取り飲む――寸前で、カップに口を付けたところで止めた。マリアカーナが悔しそうに舌打ちした。案の定の反応が返ってきて苦笑した。


そしてマリアカーナとの会話で分かったこと。それは――


俺がルデアに封印されてから、時は僅かに一年と半年しか動いていなかったこと。


一八の国からなるシュバルドは、俺がルデアに語ったように、『王』が支配する六つの国を残して他の国は殆どが壊滅。その元あった国の場所には『神使』と名乗る奴等が新たな拠点となる国を設立しているようだ。


「それで? あのチンチクリンはアッシュに助けてもらいたくて、アッシュの封印を解いたってこと? ふぅん……それって虫が良すぎじゃない?」


「それだけどうしようもない状況まで追い込まれてたんだろ。それにどうせ遅かれ早かれ俺自身、奴等とは決着をつけねばならんかったしな」


「……それでも、私は気に入らないわ」


「……まあ、この話はもういいだろう。それよりももう一つの方だ。そのもう一つの方についてお前が何か知っていないかと思って此処に来たんだが――」


「ごめんなさいね。それについては私は何も知らないから答えられないわ。アッシュではない誰かが作り出した『魔物』なんて……てっきり私は、ヴァレルヴォルテックが作り出してたモノと思っていたわ。まあそれほど気にしてなかったってのもあるかしらね」


「……さて、とすれば……次はどうするかだな――」


俺はソファに深く座り直すと天井を仰ぎ見た。


「ねえ? それならギャラフリードに聞いてみれば良いんじゃないかしら? 彼の方がそっち方面の話には詳しいでしょ?」


ギャラフリードか……、正直こいつもマリアカーナ同様に苦手な部類に入る。


さて、どうするか。向かいに座るマリアカーナが意味深な笑みを浮かべる。


「どうするの? 行くの? 彼、私以上の変態よね?」


なるほど、マリアカーナは自分が変態だということはハッキリと自覚しているらしい。


俺は暫し考える。チラリとマリアカーナを見る。視線で答えを催促していた。しかし、それよりもこの空間の空気に毒されたか、不覚にもマリアカーナが魅力的な女に見えてきた。


やがて嘆息を漏らすに至った俺はテーブルに置いてあったカップを手に取ると一気に紅茶を飲み干した。


その様子を、一瞬呆気に取られたかのような表情で見ていたマリアカーナが徐々に体を震わせると、絶叫に近い喜びの声を上げながらテーブルを飛び越え俺の体に抱きついてきた。


とりあえず、今日はもう考えるのを止めることにした。


何も考えることなくひたすらにマリアカーナの体を貪り堪能することに決めた俺はそれから、日が沈み再び日が昇るまでの間、マリアカーナが狂い泣き叫び、許しを請うようになるまで、ルデアが眠るベットの上で犯し尽くした。

性的描写はカットします。

どこまでが書いても良いラインなのかが分からないので……

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