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光柱が消え去り姿を見せたルデアに恐るべき変化が。なんとルデアの枯れていた耳がピンと鋭く復活していたのだ。


……いや、冗談めかして言ったが、当然変化はそれだけではない。眼光鋭くなった目付きに、不敵に唇を釣り上げ笑うルデア。さっきまでの捨てられた子犬のようなルデアとはうって変わって、まさにその表情は自信に満ち溢れていた。


ルデアが口を開く。


「さっきからボクのことを好き勝手にチンチクリンチンチクリンと言ってくれてたけど、後悔させてあげるよ、おばさん」


笑った。ああ、なるほど。どうやらこいつは、ルデアは武器を持つと性格が変わるタイプのようだ。覚えていた違和感が消えた。


「……へ、へぇ」おばさんと言われてしまったマリアカーナはこめかみの辺りを引く付かせる。マリアカーナが感心とも苛立ちとも何とも言いようのない、ごちゃ混ぜになった溜め息を吐くと、俺の顎に手を掛け自分の方へと振り向かせた。


「ごめんねアッシュ。私手加減出来ないかも――」


柔らかい物腰で言うが目が全然笑っていない。


ああ、ぶちキレる寸前なんだと俺は悟った。そう言ったマリアカーナが俺の唇を奪った。俺は抵抗せずに奪われてやった。俺の体から『何か』がごっそりと吸い取られた感覚が襲う。


「ありがと」と小さく可愛らしく言い、ケプ、と喉を鳴らしたマリアカーナが覚醒する。


召喚された黒銀の蛇腹鞭を手にしたマリアカーナが鞭を撓らせ城壁を、地を打ち破壊する。


「……知ってるかしら? チンチクリンがいくら吠えても全然恐くはないのよ?」


「余裕見せてるつもりかも知れないけどさ? おばさんも分かってる? 顔が全く笑ってないんだけど?」


ルデアの指摘に俺は笑って頷いた。


そして……とりあえず、俺はその場から少し離れることにした。二人の騒ぎで周りに衛兵共が姿を見せ始める。俺は手で、「近寄るな」と衛兵共の行動を抑えると、被害を抑えるための結界を張る。それに対してマリアカーナが俺に微笑むと――ルデアに仕掛けた。


マリアカーナが横手で鞭を振るう。


凄まじい早さで横から襲う鞭をルデアが飛んで躱すと、マリアカーナが鞭を振り上げる。ルデアは逃げた空中の先で、マリアカーナの鞭を剣の腹で受け止めるが衝撃を吸収しきれずにより高くへと吹っ飛ばされた。


マリアカーナが笑う。すかさず鞭でサークルを描く。描く。描く。描く。描きまくる。


生み出される幾発もの波動砲がルデアを襲う。


発射される度に耳を劈く轟音が鳴り響き大地を激しく揺らす。ルデアが切迫の表情で剣の腹を盾にし、全ての波動砲を受け止める。燦然と輝く空に俺はほくそ笑んだ。


「……ふう」息を吐くマリアカーナに俺は、


「気を抜くな。来るぞ」と声を掛けた。


「……っそんなの、言われなくても分かってるわっ」


マリアカーナがそう言って咄嗟に鞭を上空へ振るう。


その鞭に、血を滴らせながらも笑うルデアが剣を振り下ろしてきた。衝突する鞭と剣。それは、上空からの勢い付いたルデアの一撃が勝っていた。マリアカーナの鞭が弾き飛ばされた。慌てて跳び退るマリアカーナ。


ルデアはそれを追おうとはせず、剣を地に突き刺す。


「まだまだあんなもんじゃないよね? おばさん?」


ルデアが唇に伝う血を舐めると余裕の表情でマリアカーナを挑発した。


「……ホント、むかつく雌。いえ、チンチクリンね……」

メリークリスマスですね。

皆さん良いクリスマスを過ごせてますか!


因みにクリスマスにコンビニで滅茶苦茶売れるのがコンドームらしいです。


……へぇ……

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