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マリアカーナの俄に愚図った表情が一気に崩れ、晴れると俺の腕を抱くようにして身を寄せてきた。俺の腕がマリアカーナの、パックリ胸元開いて主張する巨乳に半分以上飲み込まれた。
「え? 分かったって? 何が? 何が何が?」
「白々しいことを。良いだろう抱いてやる」
「ホント!? それじゃあ、早速――」
マリアカーナが俺の腕をグイと引っ張り連れて行こうとするが、俺の体は一寸たりとも動かない。怪訝な表情になるマリアカーナ。
「何よ? どうしたのよ? 早く行ってセックスしましょうよ」
「急くな。話を最後まで聞け。抱くとは言ったが条件付きだ」
「条件ですって?」
俺はマリアカーナに絡み掴まれた腕とは逆の手でルデアの体をマリアカーナの前へと押し出した。
「――こいつとやって、勝てたら抱いてやる。それが条件だ」
ルデアとマリアカーナの二人が見合う。
「はあ!? なんでこの私がこんなチンチクリンの雌なんかと!? 冗談! 冗談はよしてほしいわ!」マリアカーナがルデアを指差して言う。
「わ、私!? む、無理です! 無理! そんなの私には無理すぎます! 止めてください! 後生です後生ですから……」ルデアが瞳に涙を浮かばせながら、俺の服を掴んで許しを請う。長い耳が枯れた花のように萎れていた。
まず俺はマリアカーナに向かって言う。
「じゃあ抱いていらんと言うことだな? それなら別に構わん」
「は? セックスしたいわよ! したいに決まってるじゃない! 私が言いたいのは、なんでそんな面倒なことしなくちゃダメなのかって、意味でしょ! ――もう! 良いわよ! 分かったわよ! やれば良いんでしょ、やれば! さっさと終わらせて、さっさとセックスするわよ!」
「軽い気持ちでやると痛い目をみるぞ。なんせルデアにも『宝玉』を与えてあるからな」
「あら、そうなの? なんでまたこんなチンチクリンなんかに。勿体ない」
「別に深い理由など無い。ただ少し面白いことがあってな。その流れで与えただけだ」
マリアカーナが盛大に溜め息を吐いた。
さて、次はルデアに話しかける。
俺がマリアカーナと話している間中ずっと「後生ですから……後生ですから……」の言葉を繰り返していたルデア。昔、俺に立ち向かってきたルデア。その勇敢だった頃の面影が微塵もないことに、俺は若干の違和感を覚えていた。
「そんな恐がることではない。『宝玉』の力を試す良い機会だ。ほら受け取れ」
俺はそう言うと一本の剣を召喚し、ルデアに渡す。
ルデアが「ふえぇ」と言いながらも、ビクつき震えた手でその剣を掴む。
――その瞬間、ルデアが覚醒する――耳を劈く裂音響かせ渦巻いた光柱がルデアを中心に天を貫き立ち上る。
そして久しく感じたことがなく、その感覚を忘れていた『寒気』が俺を襲った。
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※少しタイトル変更をしました。