Ep.0「回り始める歯車」
まずは、メインの二人が出会った経緯から。
ここから物語が始まっていきますよ。
最初から、結構「謎」が多くありますが、これからきちんと解決していきたいと思います。楽しんでいただければさいわいです。感想お待ちしております!!
エキストラ。それは、主役や脇役などでは無い「その他」に含まれる役のことである。
銀陽坂学園に通う少年、有島春兎もまた、そのうちの一人である。
そんな春兎は今、日課である夜のランニングの途中で生き倒れの幽霊と出会っていた。
「うぅー・・・、そこの者。何か、食べる者か飲む物をお持ちではないだろうか?」
着物のような和服を着て、地面に倒れているその幽霊は、春兎にそう言ってきた。
「おっ、しゃべった。飲み物、水ならあるけど・・・そもそも、幽霊が飲めるのか?」
春兎は少し驚きながらそう言い、幽霊に持っていた水のペットボトルを渡した。
春兎の予想に反して、その幽霊はそれを受け取り、顔を上げ水を飲んだ。
そして、
「ぷは~!!生き返るー!少年よ助かった!主は命の恩人じゃ!!」
そう言って、春兎の前に座り頭を下げた。
「いや、気にすんなよ。水だし。ほら、頭上げろって。」
そう言うと、幽霊は顔を上げた。見たところ、20代半ばといった感じの顔つきだった。
「わしの名は、広瀬一。このたびは、まことにかたじけない!」
「俺の名前は、有島春兎。ところで、広瀬さん。あなたは何故こんなところで倒れてたんですか?」
すると、広瀬は真面目な顔になり
「一でよい。わしが倒れていた理由か。それを話す前にまず、わしについて説明する必要があるのぉ。それでもかまわんか?」
「あぁ、頼む。」
広瀬の真面目な感じを察して、春兎も真剣な感じで返した。
「うむ。わしは、守護神という組織に属しており、そこで3番隊長を務めておったのじゃ。そしてあるお方をお守りしておったのじゃが・・・」
そこで、広瀬の言葉が詰まる。
「どうした?」
春兎が聞くと
「いや、大丈夫じゃ。そのお方を狙ってくる者たちと日々闘っておった。そんなある日、「禁忌の扉」というものが開いてのぉ、世界が光に包まれたのじゃ。そして・・・」
「気づいたら、ここにいた・・・と?」
春兎の問いに広瀬は頷き
「うむ。しかも、わしは死んでしまったようじゃし、知らん世界じゃし腹は減るしで・・」
「倒れていたわけか。」
広瀬は、うむと言い頷いた。
「で、これからどうするんだ?」
「当分この町に残るつもりじゃが。」
春兎は少し驚き
「なんでだ?この町に何か用があるのか?」
その質問に対し、
「うむ。先ほど申した、あるお方。片峰桜様がこの町におられるようなのじゃ。」
まさかの答えに対して
「どういうことだ?」
「誘拐などに備えて、桜様には居場所がわかる術をかけとるんじゃが、その反応が微弱ながらこの町にあるのじゃ。じゃから・・・」
春兎は手を組み
「探して、会いたいと。」
「うむ。しかし、わしはこの町を知らぬゆえ、春兎殿、案内をしてはもらえぬか?」
春兎は、溜息をついて
「ここで、断ったら祟られそうだしなぁ。しょうがない、その人が見つかるまで案内してやるよ。」
「まことか?本当にかたじけない!!」
その夜、物語の主役であろう者とエキストラの少年が出会い、運命の歯車が動き始めた。




