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不合格者(フェイルド)の反証――人類最適化AIに否定された俺が、世界を論破するまで――  作者: カクカクシカジカ


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第7話 選ばれた者たち

合格を告げられた五人は、無言のまま同じ部屋に集められていた。

白い壁、窓なし、机と椅子が六脚。

空いている一席は、俺のためのものだ。


誰もが他人を見ないようにしながら、同時に探っている。

――こいつは敵か、味方か。


沈黙を破ったのは、短髪の青年だった。


「……で、次は何が始まるんだ?」


その声には、苛立ちと不安が混じっている。

俺は一歩前に出て、全員を見渡した。


「次は試験じゃない」


全員の視線が集まる。


「これは“状況”だ。君たちはすでに合格者だが、最終的に残るのは一人とは限らない」


ざわ、と空気が揺れた。


「どういう意味だ?」

「協力しろってこと?」


誰かが問いかける。


「自由だ。協力してもいいし、疑ってもいい。ただ一つだけ条件がある」


俺は淡々と告げた。


「ここでの評価は、他人の行動によっても上下する」


一瞬の沈黙。

そして、はっきりとした変化。


――互いを見る目が変わった。


評価は自分だけで完結しない。

誰かのミスは、自分の減点になる可能性がある。

誰かの暴走は、連帯責任になるかもしれない。


「……つまり、足を引っ張る奴がいれば、全員落ちる可能性もあるってことか」


眼鏡の男が呟いた。


「理解が早い」


俺がそう言うと、彼は苦笑した。


「最悪だな」


部屋の空気が、確実に重くなる。


「今日はこれだけだ。戻っていい」


そう告げると、五人は順番に部屋を出ていった。

最後に残ったのは、ずっと黙っていた一人――

端の席に座っていた女だった。


「……一つ、いいですか」


「何だ」


「私たち、もう“試されてますよね”」


俺は答えなかった。

代わりに、扉を指さす。


「戻れ。評価は常に行われている」


女は一瞬だけ微笑い、部屋を出ていった。


扉が閉まった後、俺は一人で呟く。


「――さて」


合格者同士を同じ檻に入れた。

ここから先は、才能ではなく人間性の勝負だ。

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