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魔王島の崩壊

作者: 原雷火
掲載日:2024/05/17

かつて、人間が魔王の奴隷とされていたという島がありました。その名も「魔王島」。勇者は人間を救うため、魔王討伐の旅に出ました。


荒波の海をイカダで渡り、勇者が魔王島に上陸すると、すぐに魔王と対峙しました。


片翼の天使でした。どこからともなくバックコーラスが響いてきます。

上陸と同時に出くわすとは、驚きです。


勇者は剣を抜きました。一対一……勝てるかどうかわかりませんが、魔王を倒し人々を解放するという使命が、勇者を奮い立たせました。


しかし、その瞬間――


そこかしこの茂みから、民家の影から、どぶ板の下から、次から次に、様々な魔王が現れたのでした。


紫の肌のムキムキマッチョに赤いマントの鬼やら、同じくほとんど裸みたいなセクシー美女。緑の服を着たカバ。脳みそ剥き出しのやつ。顔と両手が宙に浮かんでるタイプ。銀ピカのハゲ。シンプルにジジイ……などなど。


多勢に無勢。


様々な魔王の集団に囲まれ、逃げるしかない状況に追い込まれました。


勇者は逃げました。


逃げた先でも、魔王がたくさんいて、勇者に向かって集まってきました。


あっという間に、またしても包囲されてしまいました。


絶体絶命の状況に陥った勇者でしたが、驚くことに、魔王たちは勇者を攻撃してこなかったのです。


実は、この島には住民よりも野良魔王の方が多く、まるで猫島の魔王版と言う様相でした。


しかも、島民たちは魔王たちを愛していました。実は定期船が王国から発着しており、観光客も多く、島の財源になっていました。島では、野良魔王たちに予防接種を施すなど、手厚く保護していたのです。


人間たちは、島にたくさん生息している野良魔王の奴隷ではなく、むしろ彼らと共存していました。魔王たちは人間にとっての脅威ではなく、むしろ島の一部であり、その魅力の一つとして観光資源になっていたのです。


ある意味では、魔王のお世話をしている島民たちは奴隷のような扱いでした。

自主的につくしているという感じでしたが。


恐るべき魔王たち。人間を魅了して従属させてしまうのです。


集まってゴロゴロと喉をならし、スリスリし、密着して甘えてきたり、魔王チュールという禁断のアイテムをねだってくることもありました。


魔王の中には超巨大モフモフ系もおり、勇者は存分に魔王に抱きついてハスハスを楽しみました。

魔王吸いを一度体験してしまうと、どんな人間もその魅力に抗えなくなってしまいます。


勇者は、自分の誤解を認めました。


魔王島なんていう物騒な名前だから、きっと人間が苦しめられているに違いない。


実際、魔王の個体数が年々増加し、苦労は絶えないといいます。


それでも――


魔王たちと人間が共存するこの島の生活を勇者は理解しました。そして、彼は島の人々と魔王たちと共に、平和な日々を過ごすことを決めたのです。


モフモフがたまらなかったのです。


以来、勇者は魔王たちと共に暮らし、島の人々と共に働き、島の平和を守ることに専念しました。彼は真の勇者となり、魔王島は平和と共存の象徴となったのでした。


そこに――


猫たちが上陸するまでは……。

※制作にAIを利用しています。

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