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61 戦争の相談をする(レファピテルの視点)

 アークシュリラから話があると言われて、わたくしはアークシュリラのお店に行くことにした。


「用事って何ですか」

「たいしたことではないけど、ハルメニア王国に付いて聞きたいんだよ。良いかなぁ」

「少しなら話せますけど」

「レファピテルが話せる範囲で良いよ。私とゼファーブルはハルメニア王国に対して戦争を始めようと思うんだけど、どうすれば勝てるの? やっぱり全土を掌握しないとダメなの?」

「アークシュリラ。わたくしの聞き違いかも知れませんが、今ハルメニアと戦争するって言いましたか?」

「うん、言ったよ。間違っていないよ」

「個人が国に対して戦争をするなんて聞いたことはありませんよ」

「私もないから平気だよ。だって私はあの国の国民や家臣とかでないから、反乱ではないよね」

「戦争をしてどうするのですか。領土ですか、それともお金ですか?」

「そのどっちでもないよ。私たちはハルメニア王国からの刺客がくることがなくなって、ヴェルゼーアが安心して暮らせる自由を求めて戦うことに決めたんだよ」

「えっ」

「だってそうしないと、次をやっつけてもその次が来るよね。それだと私たちも疲れるからね。国王に手紙を書いて諦めてくれれば、本当は戦争なんてやりたくはないよ。でも、それは無理かと思うしね」

「手紙では無理でしょうね」

「だから、どうすればハルメニア王国が負けたと云って、交渉のテーブルに着いてくれるの? 王城を壊すだけで良いかなぁ」

「王城を壊してもダメかと思いますね。我が国には四方に公爵領があってそれぞれが国の様になっています。もしアークシュリラたちが国王一族を殺害して王家の血筋が絶えたとしても、その四家の一つに変わるだけです」

「四つの貴族たちも抹殺しないといけないのかぁ。これは面倒だなぁ」

「この話をヴェルゼーアは知っているのですか」

「ゼファーブルは知っているけど、他は今聞いているレファピテルしか知らないよ」

「ヴェルゼーアが聞いても、それを許すとは思えませんよ」

「本当は原因であるヴェルゼーアの気持ちを一番にしたいんだけど、時間が経つに従ってワーグスがやったことはやっぱ赦せないからね。もう、ヴェルゼーア抜きでも戦うと思うよ」

「そうですか。ヴェルゼーアより前にわたくしに話してくれたことに感謝します」

「それで、その5家族をやっつければ良いの」

「そうなりますね。大臣たちは」

「大臣のほとんどは、その一族から選出されています。ですから平気かと思います」

「そっか、作戦を立て直さなくちゃならないなぁ」

「作戦?」

「そう、レファピテルに聞く前は、国王たち王城にいるモノを全員捕まえて、王城を破壊すれば良いと思っていたけど、ダメなんでしょ」

「全員を捕まえることなんて、出来るのですか?」

「やったことは無いけど、出来ると思うよ」

「もし、それが出来るのなら、そこから折衝することは出来ますよ。特に国王と大公の二人を捕まえられればですね。アークシュリラは戦争と云ってもハルメニア王国の解体とかは望んでいないのでしょう」

「望んでいるもいないも無いよ。でもそこが無法地帯になることは望んでないけどね。それにその国の領土も少しも要らないよ」

「それならわたくしも協力しますよ。ハルメニア王国の新国王にゼファーブルをするとなったとしてもですね」

「それは無理だよ。ゼファーブルは権力に全く興味が無いからね」

「だから良いのでしょ。喩え政治的な感性に劣っていたとしても、下手に権力欲のある者に比べて良いと思いますよ。ゼファーブルだったら面白い国になりそうですね」

 それからわたくしは、少しアークシュリラにハルメニア王国の政治体制とかを説明して別れた。


 これはヴェルゼーア、いやビブラエスには教えておいた方が良いだろう。

 このことをビブラエスが知っていれば、ヴェルゼーアのことだけでなく違うことも、彼女なら調べてくれるからね。


「ビブラエス。そう言う訳ですよ」

「そうか、話してくれてありがとう。で、アークシュリラはいつそれを始めるつもりだ」

「詳しくは聞いていません」

「戦争なんだから宣戦布告はするのだろう。まさかアークシュリラも宣戦布告なしでは始めないよな」

「戦争の仕方など、普通の者は知らないでしょ」

「そうか一般的な知識と思っていたが、そうなのか」

「仮にその知識が一般的だとしても、アークシュリラやゼファーブルは知らないと思いますよ。それにわたくしも知りませんね」

「ならば提出するモノを書いておくから、アークシュリラに渡しといてくれ、私は周辺の国が戦争になったらどう動くか探って来る。なので今回は直ぐに戻っては来れないからな」

「判りました。アークシュリラたちに準備をさせますね」


 ビブラエスも国と交渉するのは良いと思っている様だ。

 そうしなければ、わたくしたちもこれから先に、罪人を匿ったとかの罪状を付けられて牢獄に入れられ兼ねないよね。


 ヴェルゼーアにはあとで話しておかないと、絶対に騒ぎ出すから様子を見て話さないといけないよね。

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