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243 新たな力?

 私たちはウィンデールの神殿で、新たな力を授けてもらうコトにした。


「それでは始める。騒ぐのは構わないが、ナニが起こっても魔法などは使うでないぞ」

 ウィンデールが高い位置から言って来た。


 先ずは水が流れて来て部屋を満たしていく。

 それは次第に顔に届き、背を越えた。

 しかし、息苦しくもない。

 次の瞬間、幾つものまばゆい光が爆ぜる。

 火が起こり、土などが私たちを覆う。

 それが終わると、一つのキレイな球体が現れて私たちを包み込んだ。

 それから私の体は靄の様に、形を無くしていく。

 みんなも今まで傍にいたが、今は気配すら感じない。

 そして、私は真っ暗な空間を漂う。

 しばらくその空間に漂っていたが、次第に私の体が再構築されていく。

 最後に突風が吹いて、私は元の場所に立っていた。


「終わりだ。では身支度を調えてくれ」

 そう言うと先ほどのモノに、服を脱いだ部屋に案内をされる。


 私は部屋に入って、服を着だす。

 ナニも変わってない様な気がする。

 私は部屋から出て、案内に導かれて元の場所に戻って来た。


「これからは、ことあるごとに星のエネルギーを感じると思う。慣れないうちは頭が痛くもなるだろうな。軽減する方法は慣れる以外にない」

 そこで一旦区切って、ウィンデールは私たちを見てから話を続けた。

「細かいコトは先日渡したモノに書いてある。良く読んで理解するように」

 ウィンデールはそう言って、私たちをイルーツにある風の神殿に飛ばした。


 イルーツに戻って来た私は、数日の間激しい頭痛に襲われた。

 しかし、吐き気やめまいは起こることはなかった。

 しかし、ビブラエスやレファピテルはもっと重症で、一週間程度寝込んでいたけどね。


 私が散歩をしていると、前方にレファピテルが歩いて居る。

 それを追いかけて、私はレファピテルに話しかける。


「レファピテル。もう平気なの」

「お陰様で、随分よくなりましたよ」

「それは良かったね。で、ナンか変わった?」

「特に変化はありませんね」

 神々はブレスレットやネックレスなどを身につけている。

 それはただの装飾品ではなく、エネルギーの変換とか増幅の役割をしていると私は睨んでいる。


「私たちは神々みたいにブレスレットとかをつけてないから、この星のコトは判らないのかもね」

「そうですね。神様によって知るべき対象は違いますからね。不必要なたくさんの情報が届けば、必要な情報に漏れが発生してしまうでしょうね」

「でも、準備は出来ているから、ナンらかの方法で開花するかもね」

「期待せずに待ちましょう」

「そうだね」


 新たに建設した神殿にも旅人たちが立ち寄る様になった。

 宿屋や商店とかも何件も出来ていて、ちょっとした門前町を形成している。

 神殿があるから神々の加護により、街が急速に繁栄しているのではと錯覚する時がある。

 その一つ一つが、既に小さな街くらいの規模があるからね。

 それらは独自に運営されている訳ではない。

 あくまでもイルーツとして一体の街だ。


 レファピテルとしばらく街が大きくなったことなど、たわいのないことを話して別れた。

 みんなも、ある程度元の状態に戻りつつある。


 そしてウィンデールが依頼してくれた様で、最後の神々……今回は、時と空間の神々についての書籍が同時に届いた。

 もともと知られていない神々なので、このままでも問題は起きそうにない。

 でも、やはり最初が肝心だとヴェルゼーアが言うので、他の神々と同様に読み込みをしていく。


「時の神々って時間を管理しているんだね。そのモノなら過去や未来にも行き来出来るのかなぁ」

「説明では過去を見るコトは出来ても、変えることは無理って書いてあるな」

「じゃ、未来は変えられるの」

「生き物によるらしいな」

「種族となっていませんから、同じ種族でも変えられるモノと変えられないモノがいるようですね」

「私は変えられるかなぁ」

「変えられると思うぞ」


 両方の属性を合わしても神々の数が少ないのと、他の属性と関わりのあった神や能力的にもダブル神があまりいなかったので、確認作業は一日で終了した。

「これで全ての属性が終わったね」

「そうですね」

「でも、逆にこれを届けたら違う問題が起きそうだな」

「ヴェルゼーア、そうだな。今まで知られていなかった神だしな」

「面倒にならなければ良いがな」


 今まで知られていない神々が居ることは良くあるから、そんなに騒ぎにもならない。

 全ての神々を知っていると言う傲慢なモノもいるけど、神々ですら全体を把握していないのに知りうる訳がない。

 だが、今回は神個体ではなく属性だ。

 神学者(ゼオロジスト)神話学者(ミソロジスト)たちが騒ぎ立てるコトは想像に難くはない。


「ハルメニア王国では、それらの研究は発展しているの?」

「少しはしていますが、それほどではありませんね。二人が心配しているのはイファーセル国辺りでしょうか?」

「そうだ。あの国は隣国が宗教国だから変に神学が発展している。絶対にナンか言ってくる」

 イファーセル国の隣にはサバラン聖教国がある。

 両国は互いに戦争をすることはあるけど国交は続いているので、本当に仲が悪いと言うこともなさそうなんだけどなぁ。


「配らないと、折角急いでまとめてくれた時と空間の神々に悪いよ」

「アークシュリラ。誰も配らんとは言っていないぞ」

「だったら、配って自分たちの誤りに早く気付かせてあげた方が良いよね。その方が研究も先に進むし」

「それも、そうだな。今まで時と空間の属性を知らなかったコトによる不具合も、解消するかもな」


 それらの属性を知らない事による、神学上の不具合がナンであるかは判らない。

 しかし、魔法的に言えばコペルニクス的転換が起こるかも知れない。

 それは転移などどの属性にも属さなかった魔法があったが、空間が新たに誕生すればそれに属すると考えるモノも出てくる。

 それは、時の属性なのかも知れないけどね。

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