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242 新たな神殿を建てることになった

 私たちはウィンデールに呼ばれて、ウィンデールの神殿で話し合っていた。

 そしてウィンデールがこの星について知る力が、私たちに備わっているかを確認すると言ってきた。


 私はみんなの方を見てから言った。

「じゃ、調査をしても良いよ」

 私がそう言うと、ウィンデールは左手を私たちの方に向けてナニやら唱えた。

 そうすると掌から靄が出て来て、暖かい心地よい風が私たちを包み込む。


「なるほど、お主たちは、その力を行使することが可能だな。しかし、その力を得ても他のモノにその方法を教えることは不可能だぞ」

「良いです。地震や噴火、または地割れなどが分かれば、私たちの力が及ぶ範囲にいる生き物たちを救います」

「そうか。今日はとても有意義だったぞ」


 その後で、時と空間の神々を連れて建設予定地に案内をした。

 建設はゴーレムやホムンクルスが完成次第に開始となるから、神殿の内部などをそれまでに考えてもらうコトで今日は帰ってもらった。


「時と空間の神たちは、喜んでいましたね」

「そうだな。エンロバ、今日は急に呼び出して済まんな」


 ヴェルゼーアからエンロバと呼ばれた男性は恐縮して応えた。

「いいえ。ヴェルゼーア殿下、我々の仕事ですから、その様なことはお気になさらずに」

「ここはハルメニアではないから殿下はよしてくれ。それにここではどちらかと言えばエンロバの方が立場は上だぞ、何回言えば判る」

「そうだなヴェルゼーア。私たちもエンロバ殿と今後は呼ぶことにするか」


 エンロバは困っている様だ。

 なんせヴェルゼーアはハルメニア王国の王族を除く最高位の貴族の娘であったし、今は国王直属で序列一位なのだからね。

 それにビブラエスも国王直属の諜報のモノだった。それはここにいるハルメニアのモノで知らないモノは居ない。

 今は序列こそ低いが、ヴェルゼーアが国王に謁見出来ない状況でも、謁見が出来て意見具申をする権限を与えられていると聞いた覚えがある。


「二人とも、エンロバが困っているでしょ。二人には私から説教をしておきますから、許して下さいね」

「レファピテル様……」

 エンロバは()()()()()()()()()()で言った。


 そう言えば、レファピテルもハルメニア王国に行けば国家の筆頭魔法使いであり、奥の院の取りまとめだったね。

 エンロバが、あわれで可哀想になってきた。


 光の神エリロヘルスには一度みんなで会って知っているので、別の日に召喚をして神殿を建ててもらう依頼をした。

 その時にケンカしないで、他の生き物たちと仲良くすること。ナニごとも独断でやらずに、運営しているモノか私たちに必ず事前に相談をするコトの念書を、ウィンデールに立ち会ってもらって作った。


 その後、ノーマルなゴーレムとホムンクルスを渡した。

 そのモノたちを使って神殿を建設して、今後は神殿の運営もしてもらう。


 神々たちにゴーレムやホムンクルスを配り終えて、各神殿が建ち始めたころに、風の神殿に明朝あつまれというウィンデールの声がした。

 翌日になって私が風の神殿に行くと、既にレファピテルはいた。

 そして、みんなも徐々に集まって来る。

「今日は例の力を授ける。今からワシの神殿に行く」

 そうウィンデールが言うなり、一陣の風が起こり私たちはウィンデールの神殿に運ばれた。


「この力は以前も言ったが悪用も出来る。しかし、それを行うと全ての神々と敵対するコトになる。判って居るな」

「万人ではなく、一国のタメに使ったらダメと言うコトか」

「ヴェルゼーア、お主が云う一国が地割れなどの被害が、一国だった場合か」

「違う戦などで相手を……判った、私が間違っていた。ウィンデール、済まない」

「他に聞きたいコトはあるか? その力は解除することは出来ないから、納得してからでよい」


 事前にウィンデールからその力についての解説書が届いていたから、良く内容を読んでみんなで相談もした。

 一番悩んだ内容が、精神体となるコトだ。

 恋愛などは出来るし子供も残せるが、精神体になると寿命が超寿命の生き物より長くなる。

 そう、必ず相手や子供、友達が先に死ぬと云うことだ。

 そんな悲しみに幾度となく、耐えないといけなくなる。


 一層のこと、誰も好きにならず、子孫も残せないなら諦めもつく。

 それでは、生きている意味が薄れて、寂しい人生と感じるが……


「ウィンデール。私はあなたにその力を与えて欲しくて、お願いしました。悩むコトが有っても後悔はありません」

「私はそれに成っても良いよ。イヤ、なりたいよ」

 レファピテルに続いて、アークシュリラも言った。


「結論を急ぐ必要はない。これからもチャンスは何回もあるから、悩んでいるなら今回で無くてもよいぞ」

 ウィンデールは私たちにその力を与えたくないのか、優しさから言っているのか判らない。

 しかし、私の結論はでた。


「私もお願い」

 まだ二人が残っていると思ったが、ヴェルゼーアとビブラエスは既にその力を与えてもらう宣言をしていた様だ。

 私が最後の一人と言うコトなのね。


「では、儀式と云うほどのコトではないが、それを行う。今から我が臣下のモノが案内をする部屋で武器や装飾品の類を外して、衣装は下着も着けずにここに戻って来てくれ」

 ウィンデールがそう言うと、5人のモノが現れた。

 そして、私たちを別々の部屋に案内をしてくれた。


「では、この部屋で支度をして下さい。靴なども履かないで下さいね。もし身に付けていますと、その物は失われます」

「宝飾品もってウィンデールは云っていたけど、もしも体内にある鏃とかは取れないけど……」

「あるのですか」

「イヤ、ないけど。今ふと思ったから」

「そう言ったモノは大丈夫です。全て消えてしまいますから」

「判ったよ。ありがとう」

 私は一室に案内をされて、着ているモノを順番に脱いでいく。

 これで全部だね。


 私は扉を開けて部屋からでたら、案内をしたモノが扉の前に背を向けて立っている。

 見張っていてくれたのかなぁ。

 私はその背に声を掛けた。

「終わったよ」

 そのモノは私を上から下へと見てから言った。

「では、付いて着て下さい」

 私たちは再び元の場所へ戻って来た。

 まぁみんなの裸は風呂で見慣れているので、この格好でも全く気にならない。

 強いていえば、立っているのにいつもは右手にある杖がない違和感だけだった。

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