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240 コチャンティルの召喚を終えて

 私たちは、コチャンティルを召喚してイロイロな疑問点を聞き出した。

 そして、その召喚を終えた。


「みんなありがとうね。ほぼ判ったよ」

「レファピテルも援護をありがとうね」

 私に続けてアークシュリラが言った。

「アークシュリラ。私はあの力が欲しかっただけで、あなたの援護をしたのではありませんよ。それと、あの真っ赤なローブは噴火に耐えられるものなのですね。そうなると随分危険な状態だったと言うコトですか」

「そんな状況だった様には感じなかったけどな」

 ビブラエスが少し考えてから云った。

 私としても、あの山の地表から煙が出ているとかを確認出来なかったので、私たちがナニもしなくても直ぐに噴火したとは思えない。


「でも、噴火はしない様なので、孤児院もあと数百年は平気と云うことだな」

「ヴェルゼーア。そんなに気になるなら、ハルメニアばかりに行くのでは無くって、たまに行って様子を見てくれば良いよ」

「そうだな。あすこは自分から行こうと思わなければ、行く機会はない所だしな」


 その後、新たに建設する神殿の場所やそこに至る道の通し方や公園など、街を運営しているモノも交えて決めていく。

 そして私とレファピテルは、神官とするゴーレムとホムンクルス作りに忙殺された。

 その間に火の神々についての書籍を持って、ビブラエスとヴェルゼーアが各国へ旅だった。


 神官要員も出来たことから、火、風、土の順番にその属性のメインになる神を呼び出して、神殿建設を開始してもらった。

 各神々に渡した神官たちも、神殿建設や周辺の整備などの作業に携わっているよ。


 ここの神殿は、どれもが特定の神を安置するモノではない。

 日ごとに、神殿に居る神が変わると言うことだ。

 それで、神殿に来るたびに私たちや街を運営しているモノへの挨拶などは行わなくても良いので、闇と水の神殿と同様に神殿に来たら自身のマークが印された旗か幟を掲げて判る様にしてもらう。

 街の人々は神殿の傍に行かないと今日は誰だかは判らないが、予定表をもらってもそれを掲示しても結局は同じことだからね。

 それに各神殿は、街の中心から半日も離れて居ないから、歩き慣れた人々なら散歩のついでって気にもならないよ。

 旗や幟がナニも出てなければ、神殿には神が不在と言うコトだよ。しかし、依代や御神体から神殿に来た人々の願いは神々に伝わるらしく、不在の時に祈っても無駄になるコトはない様だ。


「アークシュリラ。サリアの国章の件はコチャンティル立ち会いのもとサラステーヴァにお願いしたけど、あれでよかったのかなぁ」

「私たちが国主に会って話すより、神託にした方が素直に従ってくれるよ」

「そうだけど……」

「ゼファーブルは不服なの」

「そうじゃないけどね」


 早期に解決するなら、神託ほど早く解決する手段はない。

 歴史がある国なので、見も知らぬ私たちの言うコトを聞くとは思えない。

 ギルドカードを提示して身分を明かしたとしても、絶対に何名かの反対者がでる。

 そのモノが重鎮なら考えを変えさせるのに、途轍もない労力と時間がかかる。

 そんな無駄なコトをするくらいなら、今回の方法は良いと云える。


 それにマークが変われば土の神の機嫌も直り、砂漠化している所も減少するかも知れない。

 しかし、イルーツで新たに土の神々の神殿を建設するために、土の神々を召喚した時にハリアで国の紋章が変わったとしても、全てを昔の様な肥沃な土地に戻すコトをしないと約束をしてもらった。

 神々は傍若無人なコトをする場合があるが、約束したコトは必ず守ってくれる。


 まだサリアの国章が変わる事になった訳でも、検討に入ったと情報を入手した訳でもない。

 しかし、私たちはサリアのギルドへ行って、例の依頼は受けられないと断った。

 ギルドの人は憤慨するでも落胆するでもなく、至って冷静に私たちの話を聞いてくれた。

 それで言える範囲内だけど、数十年後には少しは改善しているハズなので、私たちが神々を召喚して約束したとその訳も話した。

 この件をギルドの人が信じてくれなくても良い。

 話すことがただの自己満足でも、私たちはどうしてもギルドのモノに伝えたかった。


 イルーツはたくさんの旅人たちが、立ち寄る場所になりつつある。

 最初に作った奥の院のタメの宿舎兼食堂は、今では私たちが暮らしている。

 その食堂ではアークシュリラやレファピテルとビブラエスらが、珍しい料理を披露したり料理人たちへの指導をしたりもしている。


 料理人たちはイツまでもここにいることも可能だが、独立して店舗をもつモノも出てきている。

 独立したとしても定員がいっぱいでない限り、いつでも戻って来て研修することは出来る。

 旅人であっても、同様に研修に参加も出来るよ。


 この建物には私たちと一緒に、ハルメニア王国からのモノも暮らしている。

 そのモノたちはここで街の運営など日々起こることをイロイロと決めていたから、別に建物を建ててその様な仕事はそこでやってもらう様にしたよ。

 だってこのままでは、いつか陳情とか問題提起で休みの日もここにやって来るモノが現れるコトもあるよね。

 本人たちは楽しんで仕事をしているが、そんなコトが重なると運営しているモノは体を休めることが出来ない。


 イルーツは国ではないから政府というのはおかしいけど、政府機関を建てたことでその周辺に宿屋や公園なども適当に配置した。


 それと私たちがここに住みだしてから作った訓練所では、ヴェルゼーアやアークシュリラが腕が鈍らない様に日々戦いの訓練をしていた。

 そして今では、警備隊が捕獲術などの習得のタメに練習もしているよ。

 一般市民にも、近くで魔物に出会っても良い様にと軽い訓練をするコトもある。

 それは、ただ戦い方を教えるのではなく、逃げ方も教えている。


 あとは議会だけど……

 しかし、住民は私たちの政策に不満がないのか、政治的なコトに興味がないのか、それを必要とはしていなかった。

 まぁ、住民たちには、大金持ちや貴族はいないが、そのかわり貧乏人や奴隷もいないからかもね。

 また、この街はゴーレムやホムンクルスが多いが、生き物たちも決して少ない訳ではなく、多いと思うけどなぁ。

 もう、既にファリチスよりかは全住民の数は多い。


 議事堂は当然のこと建ててあるよ。

 なので、私たちとしては議会を作りたいが、残念ながらなるモノがいない。

 今のまま国となれば、政治的には専制国となるのかなぁ。

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