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199 ゴーレムを作っていた部屋?

 私たちは部屋の外にある階段を使い四階へ進んだ。

 ここからは窓が有るので、外光が射し込んでいる。

 階段を上りきると四階の室内に出た。

 壁には窓が四方にあって、扉が一つある以外は、沢山の本が壁際に置かれた書架に並んでいる。


 中央に大きな石で出来た台があり、書架と台の間にはそれより小さな机が四方に有った。

 机の上には、私の部屋にある様な実験道具が並んでいた。

 椅子も幾つか置かれている。


「ここで魔法の研究やゴーレムを作っていたのですかね」

 書架の本を眺めながらレファピテルが言った。

「そうかもな」


 ビブラエスは扉を調べてから言った。

「鍵は掛かっていないな。それに罠もないぞ」


 私は机の上にある書きなぐったメモを一枚一枚見てから、実験道具や素材を眺めてナンの研究をしていたのかがうっすらと解った。


「レファピテル。この魔導師(ソーサラー)って不死の研究をしていたのかなぁ」

「ゼファーブル。それって錬金術師(アルケミスト)の範疇ですよ」

「そうだけど、ここの素材とメモをみると、それしか考えられないよ」


「それって、あのゴーレムを無敵にするんじゃないの」

「アークシュリラ。生き物……イヤ、いくつかの素材は心臓があるモノにしか、効かないからそれは違うよ。強いて言えば自分のタメかなぁ」


「二人とも欲しいモノはアイテム袋にしまって、先に行こうか」

「私たちのアイテム袋なら全部しまっても平気だろうしな」

 私とレファピテルはこの部屋に有った家具以外を全てアイテム袋にしまった。

 そして同じモノを作って、元通りにした。


「本当に全部しまうとは思わなかったぞ」

「もし、気になったとして、戻って来るのは面倒ですからね」

「そうだよ」


「物音はしないが、ナニかがある気がするから注意してくれ」

 ビブラエスがそう言って扉を開けた。


 そこは寝室の様で、大きめのベッドが一つ置いてあった。

 向かいの壁には窓が一つあり、その傍には一つのテーブルが有った。

 テーブルの上にはノートとペンが、それぞれ一つ置いてある。


 そして足元の空間に一つの魔法陣が描かれた絨毯が敷かれている。


「レファピテル。魔法陣を調べてくれ」

「判りました」

 レファピテルが絨毯に描かれている魔法陣を読む間に、私たちはベッドとかを調べだす。


「ノートはゼファーブルが持っている方が良さそうだな」

「ナニが書いて有ったの」

「良く判らん数式が書いて有った」

 ノートをざっと見て、多分、研究していたことだろうと思った。


「魔法陣は他の階などへ行くモノですね。しかし、あと幾つか無いと機能しませんよ」

「そうか。ビブラエスが言っていたモノはこれか」

「違う。もっとエネルギーがあるモノだ」

「だったら、そのエネルギーは上の階から来ているのか」

 壁に隠し部屋が有るようには、壁の厚みから言ってそれはない。

 ビブラエスは納得がいかない雰囲気だが、ここにはナニも無かったのであえて文句は言わなかった。


「ここに居た魔導師(ソーサラー)って、どこに居るのだろうね」

「もう、居ないでしょ」

「そうじゃなくて、魔導師(ソーサラー)の死体と云うか、骨だよ。今までなかったよね」

 人間の骨……イヤ、動物の骨すら落ちて居なかった。

 床に石畳が敷かれていなくて土が剥き出しでないから、建物の中にそれを分解するモノが無い。

 ここから出ていかない限り、当然のこと魔導師(ソーサラー)の亡骸は残る。


 私たちはもう一度研究室に戻って、上に行く階段が有るハズなので、隈無く調べるコトにした。


 この部屋でゴーレムを作って、わざわざ上に持っていくのは効率が悪い。

 しかし、研究しているところに、ゴーレムがエネルギーを補充のタメに戻って来られては鬱陶しい。


「レファピテルがゴーレムを作ったとして、上にエネルギー補充設備を作る?」

「私でしたらそんなことはしませんよ。エネルギー補充機器は……そうですね。直ぐに下へ行きましょう」

「ナンでだ。説明をしてくれ」

「私の思い違いなら良いのですが、エネルギー補充機器が今まで有りませんでしたので、きっとゴーレムの中に埋め込まれています。私たちのアイテム袋なら良いですが、このままギルドに渡したらギルド内で暴れて事件になりますよ」

「ビブラエスが云うエネルギーは、多分なんだけど、作ったゴーレムを下に送って居た時の残存だと思うよ」


 私たちは下の階に戻り、一体のアシエゴーレムを出す。

 レファピテルは横たわるアシエゴーレムを調べだす。

「こんなに固いモノを解体をするのか」

「解体すれば早いですが、体内に仕込むなら中心か頭です。それにそこなら倒されない限り見ることはできませんから、魔法陣を消す必要も有りません」

 レファピテルは作業をする手を止めずに、質問に答えている。


「山でエネルギー増幅を減らしたから、私たちでも倒せたのか」

「吸収する魔法陣が壊れて居ましたから、それをしなくても平気だったと思います。有りましたよ、魔法陣が」


「本当に有ったな。早く破壊してくれ」

 レファピテルは杖で魔法陣の中心を突っついて、それを破壊した。


「一回のエネルギー供給でどのくらい動くのかは判るか」

 レファピテルは次のアシエゴーレムに取りかかりだすと、魔力を流してみる。


「そうですね。一回でどのくらい動くのかは判りませんが、正常な状態で満タンになるのに半日か数時間程度ですね」

 レファピテルは次々に魔法陣を破壊していって、全てのアシエゴーレムの魔法陣を壊し終えた。

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