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175 これからどする

 私たちは受付で数軒の宿屋を教わったが、ギルドから一番近い一軒目は満室だった。

 二軒目は共同で使う大部屋しか空いておらず、私たちは三番目に近い宿屋に向かった。


「こんなコトも有るのですね」

 今までは、ドコの街でも最初に行った宿屋に泊まれた。


「予約していないし、初めての客だから仕方ないさ。ナンなら野宿でも私は構わないぞ」

「次もダメなら野宿と云うことで良いんじゃない?」

「強そうな魔物も居なそうだし、それで良いか」


 そんなコトを私たちは話して、三軒目の宿屋でようやく部屋を借りられた。


「随分と図書館とかから遠くに成ってしまいましたね」

「中心部からは遠いけど、案外良い宿屋だな」

「まぁ、私たちは寝るだけだがな」

「さっき飲んだエールは美味しかったよ」

「エールが美味しいのですから、食事も期待出来ますよ」

「そう言うモノか。で、ゴーレムだけどエネルギーって魔導師(ソーサラー)が居なくても与えられるのか」

「えぇ、自然界に存在するモノ、例えば火山のガスや地中から湧き出る油とかを使えば、居なくても可能ですね」


「火山ってあの山から引いているのか」

「それはないと思いますが、あの場所で取れるモノを使って居るのでしょう」

「それって魔導師(ソーサラー)が居ないのを前提に話してるけど、メコリオスの様に霊体で存在したらどう」

魔導師(ソーサラー)でも霊体でしたら、メコリオスと同じでナニも出来ません。しかし、高位の魔導師(ソーサラー)だと死ぬ前にコルドゥーンに成っている可能性があります。もし、それに成っているとゴーレムくらいなら生み出せますね」

「そうなんだね。コルドゥーンだと実体はないよね」

「実体はありませんから、剣や弓などの物理攻撃で倒すコトは不可能です」

「高位の魔導師(ソーサラー)だと、並大抵の魔法もダメそうだな」

「それって無敵じゃん」

魔導師(ソーサラー)もコルドゥーンに成るときに弱点が生じます。それは水に対して弱く成ります。先ほど物理攻撃は効かないと云いましたが、例えば水鉄砲の水でやっつけるコトは可能ですね」

「水鉄砲って、子供たちが持っている竹で出来たあれか」

「あくまでも可能性を言っただけで、その水だと少ないかも知れません。浴槽に浸けると消えると書物には書いてありましたので……」


「そうナンだね。だったら居ても、水に弱いならナンとか成るかもね」

 アークシュリラは、随分前に私が雨を降らしたコトを言っているのではないよね。

 それに弱点が知れ渡っているのだから、対策はしていると思う。なので、素直に雨を降らせてくれるコトはないよね。


 どうして魔法使いの人って、死んだ後もこの世界に残ろうとするのかなぁ。

 リッチも魔法使いだったと思ったけど、あれって神官だっけかなぁ。

 でも、リッチは体の肉という肉がなくなって、骨だけに成ったモノなのは確かだ。

 スケルトンとの違いは、スケルトンが甲冑を着ているのに対して、リッチは高位の魔法使いのローブを着ていることだ。でもスケルトンの中にはローブを着ているモノもいるけど、そいつらはそんなに高位のローブではないよ。

 それにリッチは物理攻撃より魔法での攻撃を多用することかなぁ。


 レファピテルが私を見ている。

 私がナニも言わないからと思うけど、まさか私の思考を読んでいないよね。


「で、明日は図書館に行くんだね」

「そうだ。どんな本があるか判らんが、新しい情報が入手出来ると嬉しいな」

「そうだな。ここでも神々の戦いについての書物が伝説や物語すらないと、意図的に消されていると感じるな」

「そうだと、私たちが地上で知り得るコトは不可能と云うことになるな」


「その結論は早くない」

「歴史ならば、ここにもないと云うのは判る。しかし、私たちが調べているのは物語だぞ。事実とは思えない内容ですらないと云うのだから、ドコへ行っても無いだろうな」

「それじゃ。もし無かったら、これからどうやってエンギルの言っていたことが本当かウソかを調べるの?」

「当事者以外の神かそれらを束ねるモノに聞くしかないな」

「レファピテル。時の魔法も少しは使えたよね。私たちを過去に連れて行けないの」

「私の今ある知識と技能では無理ですね。ゼファーブルはどうですか」

「エンギルの話を聞いて、並行世界にも転移することが出来ないか考えて居るけど、それを記載した書籍はないんだよ。アークシュリラが居た世界のことを光の神殿に行って判る様に成ったから、あすこがキーポイントだと思うけどね」


「それは、並行世界に行く方法と違いますね」

「全く糸口すら無いんだよ。エンギルは過去も未来も、全ての状況の世界って言って無かったっけ。肉体は無理なら、そこに意識だけでも飛ばせればと思ってもいるんだよ」

「そんなコトを言ってたよね。でも、好きな処を選べないともね」

「そうなんだよ。有るのに、ナゼ選べないのかも判らないよね」


 私たちは宿屋の部屋で、話があっちこっちに飛ぶ議論をしていて朝を迎えた。

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