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157 アークシュリラがテレパシーを使う

 私は魔力を捜索する能力はないので、二人の作業を見守るしか出来ない。

 今、いるメンバーだと、私が食事の準備をするしかないよね。

 一応、私は竈を作りだす。


《ゼファーブル。居るならこっちへ来てよ》

 アークシュリラの声が脳内で響く。

 えっ、テレパシーを使っているの?


 私はクレーターの中へ降りた。


「二人ともお疲れさま。どう?」

「これを見てよ」

 アークシュリラは地面を差した。


「ナニかが埋もれているね」

「ここだけ、全然違う魔力が残っているんだよ。ナンだと思う」

「レファピテルはどう」

「私は封印の魔法陣では無いと思いますが、これがナニか判りません」

 それは一部しか見えないが、厚い石版の様で建物には思えない。


「掘り出す?」

「私たちも作業の邪魔なので動かそうとしましたが、一切の魔法が効きません」

 アークシュリラとレファピテルが、魔法でやったが効かないと言うことなのか。


「私がやるよ。クレーターの外に出して良いんだよね」

「良いよ」


 二人がダメでも、私には杖がある。

発掘(アウスカーボン)!」


 そのモノは、ゆっくりと確実に土の中から出て来ている。

 そして全てが出きった。

「大きな石版だね。ナンか文字が書いてあるよ」

 イヤ、石版では無く、これは石碑だ。

 アークシュリラがそう言うので、私はその石碑をクレーターの外へは出さないで、書かれている文字を読もうとした。


「古代語かなぁ。私には読めないよ」

「これは古代語ではありませんよ、ゼファーブル。多分ですが、ガシララ文字です。この文様は見た記憶がありますが、私も読むことが出来ません」

「ガシララ文字ってガシララ王朝で使っていた文字なの」

「そう言われています」

「そうなると、ここもガシララ王朝の領土なの」

「そうかも知れませんが、私はガシララ王朝に詳しくは無いので……」


「書物……イヤ、紙で無くて石に彫ったと云うことは、後世にナンかを知らすタメだよね。考えられるのは、この魔法陣のことだよね」

 今はガシララ王朝がドコまで支配をしていたかより、この文字の読解が先だね。


「ハルメニア王国には、ガシララ文字を読める人は居るの」

「たまに私たちの国土でも古代に書かれたモノが出土しますが、残念ながら誰一人として読解が出来ていません」

「オーラガニアも?」

「オーラガニアも似たような感じです」


 私の感だが、これには魔法陣に係わった魔法使いの名前が記載されていると思う。

 そして封印した方法とかもね。

 なので解読をしたい。


「判ったよ。拓本は取って置くよ」

 私は石碑に紙を当てて、文字を炭でなぞって拓本を取った。

 これでヨシ。


「じゃ、上にどけとくよ。それとカレーってまだあるの? 上で温めておくよ」

「あるよ。それじゃ、お願い」

「二人とも今日だけで終わる作業で無いから、キリの良い所で食事にしてね」

 土砂崩れなどで石碑がクレーターに落ちないように、その傍では無く少し離れた草原にそれを私は慎重に置いた。

 私が置き終わってクレーターの中を見ると、アークシュリラとレファピテルはもう作業に取りかかっている。


 それじゃ、私はご飯の準備をしますかね。

 お米を研いでおけば、後は火にかけるだけなので楽だ。

 カレーの入った鍋は煮詰まらないように、火力を弱めて温めて置く。

 少しして、二人はクレーターから出て来た。


 私は研いだお米の入っている鍋を火にかけ、火力を上げる。


「作業は順調なの」

「順調と云えば順調だね」

「魔力が輻輳しているので大変ですが、順調です」

「一度に全ての解析をやらないで、判ったモノから順番にやっつけに行っても良いよね。それとあの石碑はどうする」

「解読が出来ないので、ナニが書かれているか判りません。なので、この場所から遠くに動かして良いモノかも私たちでは判断出来ませんね」


「私には、あの石碑が魔法陣の強化とかをしている感じはしないけどね。でも、遠くに持って行くことは、レファピテルと同じで賛成しないよ」

「じゃ、ゼファーブル。今の所、二つは確実に判って居るけど、一つは魔力の強さから言ってベギャブルだと思うんだよね」


「ヴェルゼーアたちが戻って来たら、そいつをやっつけに行こうか」

「そうですね。全てを解析していたら時間だけが過ぎてしまいますね。ビブラエスが上手く立ち回れればハルメニア王国の奥の院が、私たちのやっていたことを引き継いでくれると思います」


「だったら、あの石碑のことも伝えたら良いと思うよ。ハルメニア王国ってガシララ王朝に関係するのでしょ」

「そうですね。でしたら、拓本の写をビブラエスに送りますよ」


「アークシュリラ。さっきテレパシーだっけ……それを使っていたよね」

「ゼファーブルを呼んだヤツ?」

「そう、それ。レファピテルも使えるの?」

「エリロヘルスから衣を貰ったよね。それを着たら私たちもイロイロとレベルアップしたみたいだから使えると思うよ」


「えっ、テレパシーですか」

「直接、脳内に語りかけるモノだよ」

「脳に直接的に語りかける……それは念じた会話ですか」

「そうだね。レファピテルたちには念話と言った方が判りやすいかなぁ。魔法の様に発声する必要はないけど、相手を思って語りかければ良いよ。そうだね。先ずは私を考えてみて」


 レファピテルはアークシュリラに言われた通りにやっている様だが、私にはレファピテルがナンかを考えた居るとしか判らない。


「出来たよね。これは箱と違って、どんなに離れて居ても瞬時に会話が出来るよ。エリロヘルスが言っていた様に寝ているときはダメだと思うけどね」

「これは誰でも使えるのですか?」

「今はあの衣を着ているモノとは会話ができるしか判んないよ。ベギャブル退治が終わって、研究しないとナンとも言えないかなぁ」

「そうですね」


 これが誰でも使えるのか、私たちだけなのかを今は判断することは出来ない。


 話している途中でご飯が炊けたので、蒸らしていた。

 カレーも良い感じに成っている。

 私が皿にご飯を装って、各自でカレーをかけて貰う。

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