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キラキラは精霊の仕業のようです

「これを庶民街で・・・」

「・・・フルーツを甘く煮るのは初めてだね」


 お祖父様は何か考え込んじゃいました。伯父様は煮込んだ果物を食べた事がないと驚いている。

 お砂糖はケーキのコーティングなどにはふんだんに使われているけど、ジャムや甘露煮みたいなのはほとんどしないんだって。お金持ちは新鮮な果物を食べるのがステイタスだとか。


「林檎の歯応えが苦手だったけどこれなら良いかも」

 ルーシェンさまがキラキラしながら食べてる。やっぱり発光物質が付いてるのかな?


「お祖父様、お砂糖って国内じゃ作れてないですか?」

 もっと使いやすければ、庶民街でも気楽に使えるのに。そう思って聞いてみた。


「土地が合わないのか育たないと聞いておる」


 ん~、後で農産物の書物探してみよう。


「シャロン、このパイ?だが街で売り出すのは良くない」

「あ、それは。マギーおばちゃんが砂糖を減らして調整してみるって言ってました」

「そうか。頭の良いご婦人だな」


 お砂糖やお菓子がふんだんに食べられるのは高位貴族だけらしいから、庶民街でのおやつは干した果物やお芋を蒸したものがほとんどで。ジャムを少し入れたパンを作った時もちょっと怖いくらいお店に人が来て驚いた。


 平民と貴族の境界とかそう言った事に詳しく無いとお店を切り盛りしていくのは難しいのかな?自分でお店を持つのって大変?


 夢の世界ではたくさんの食べ物があったからこの国に普通にあると思い込んじゃう。


「シャロン嬢、君は庶民街に慣れていて高級街や貴族の暮らしに疎いんだね。僕と一緒に見て回ろうか」

 ルーシェンさまがキラキラと輝きながらお誘いしてくれる。


「・・・キラキラし過ぎて目立ちそうだから嫌です」

「「「ん?」」」


 ルーシェンさまも伯父様もお祖父様も首を傾げている。

 お貴族さまの世界だとルーシェンさまは普通なの?

 こんなキラキラした人が他にもいたら眩しくて仕方ない。


「シャロン、アルフレッドは確かに目立つが一緒に出かける時は多少地味な格好になるぞ?」

「服装で収まる程度の眩しさじゃ無いです」

「うん?」


 確かに伯父様もお祖父様もカッコいいし目立つ方だけど、物理的に輝いてる人とは違う。


「・・・シャロン、アルフレッドはお前にはどう見えてるんだい?」


 もしかしてこれ私しか見えてないの?


「全体的にキラキラっと発光して動くたびに鱗粉みたいに光が飛び散っています」


 恋愛劇の好きな人が眩しいとかそんな比喩ではなく、ただただ眩しくて視界がチカチカしてる方です。


「・・・君いつも胡散臭そうに見てたのってそういう理由だったんだね」

 ルーシェンさまが納得したように頷く。


「君にはそう見えちゃうんだね。精霊のこと」


 お祖父様と伯父様は驚愕の表情で私を見る。


「シャロン、私たちにはアルフレッドは見目が良いだけで光っては見えないよ」


 また渡り人だからとかそう言う理由なのかしら?精霊って発光物質なのかしら?


「シャロン嬢、もし他に光ってる人を見つけても本人に尋ねてはいけないよ。君の目が特別ってバレてしまうから」


 ルーシェンさまの他にも光ってる人がいるかも知れないって怖い。


「精霊には多少控えてくれるように伝えるから一緒に出かけよう」

「・・・伯父様と行くんで大丈夫です」

 伯父様が飲んでいた紅茶を少し吹き出しました。ちょっと笑いを堪えているよう。


「手強いね。でもジェイドは引き篭もりだから僕の方が色々連れていけるよ?」


 中々引き下がらない。キラキラしてなくてもかなり美形なので目立つし王族なので注目浴びそうで嫌だ。


 もしかしてエイミーのお相手みたいに変な趣味なのかしら?

 私の地味ライフには派手派手しい人は必要が無いです!








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