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急転していく私の立ち位置。

 何故かエイミーに彼氏?が出来たらしく姉が荒れている。

 彼氏と言っても家同士の話は何もなくてお迎えが来て街中を見て回ったりお茶をしに行く程度の仲らしい。

 でも先日のパーティに来ていたご令息だとしたら年齢的にヤバい趣味の人なのでは?


 なんとなく心配なのだけど父も母も溺愛はしてても行動を気にする事はないようで。愛情の掛け方が謎だ。


 私が何を言ってもスルーな人達なのでこっそり祖父と伯父にだけ報告を入れておいた。

 ついでに何かキラキラしたルーシェン様のことも。


 次回のパーティまでは少し日があるのでまた家から逃亡して街に行く事にした。

 デニーが久しぶりだからってあちこち連れて行ってくれて屋台で美味しいものを食べて。


 ちょっと貴族街寄りの場所で貴族の馬車が止まってエイミーとそれなりの身形の男性が降りて来るのを見た。慌てて隠れたけど、エイミーはそもそも人に気を使うタイプじゃないので隠れなくても見つからなかったかも?


 やはり姉より少し年上くらいの人だな〜?いくら変な趣味でも伯爵家の娘に無体な事はしないはず。

 でも貴族の常識ってイマイチわからないからどうなんだろう?エイミーが楽しそうだから良いのかな?

 歳の離れた結婚もままあるんだからおかしくないのかしら?


「シャロン?どうした?」

 デニーが様子が変わった私を心配してくれる。

「んー、何でもない」

 私が気にしたってエイミーは絶対聞き入れないし、両親もスルーなんだもの。


 キャンディーの婚約が整うまで家から好きに出られないから、しばらくパン屋のバイトに入れないけどなるべく早く来られるようにするねってデニーと約束して帰宅した。


 髪をいつも通りに戻しつつ、こっそり帰って着替えていたら、ナナがお祖父様からのお手紙を持ってきてくれた。


 エイミーのお相手についてはすぐ調査する事とルーシェン様から連絡があった事、私のことをしばらく預かると両親に言ってあるから明日のお昼までに必要な荷物をまとめておく事などが書かれていた。


 ナナも連れていって良いみたい。何かあるのかな?


 夕食後に父に呼び出され、執務室に行った。父が個人的に私を呼ぶ事は今までなかったのでおっかなびっくりで訪ねると仏頂面で迎えられた。


「父上がどうしてもお前を養子に迎えたいと言うのでいい加減しつこいので許可した。お前は見目が悪いから婚約も出来んし、フランメの役にもたたん。グランデの役にも立たんと思うが爵位はすでに兄上が継いでいる。役立たずでも問題なかろう」


 お祖父様、私に何も聞かずに決めちゃったのか。しっかし相変わらずひどい親。

 多分伯父様の養子だと自分より上の爵位を得る可能性があるから嫌がったんだろうな。

 父と一番話した会話がこれだなんて。


「養子にやると伝えるとキャンディーもエイミーも騒ぎそうだから出て行く時は普段通りに出て行け。お前はフランメからは廃籍されてグランデとなる。わかったな」


「承知いたしました」


 分かってはいたけど本当に嫌われてたんだなぁ。


 自分の部屋に戻って少し感慨に耽って・・・みようとした。

 でも驚くほど何も感じない自分が少し怖い。

 今まで私の意思を尊重してくれていたお祖父様が強行したと言う事は理由があるはず。

 荷物も大事なものはほとんどお祖父様のとこに置いてある。


 ナナが痛ましそうに少ない荷物をまとめるのに付き合ってくれるけど、本とお忍び用の服程度しかないんだなぁ。家具にも思い入れない。私のためのものは此処にないし。


 多分ナナの方が荷物ありそう。

「急だけどナナは荷造り大丈夫なの?」

「私は住み込みではありませんでしたので」


 え?いつでも居てくれた印象なのだけど?


 ずっと自分の未来をどうしようかと考えていて、自分なんかが養子になるとお祖父様たちに面倒をかけちゃうし、平民も視野に入れていたからフランメに居たけど、もっと早くグランデに行った方がお祖父様たちに心配かけなかったのかも?


 何となくしがみついていたのにいざとなったらこんなにあっさり未来が変わっちゃうんだなって思ったら、何か流されていくのもアリなのかなぁ?って思った。

 


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