健康大作戦
「あらー、これはみごとな…」
健康診断の結果の通知を見ながら感嘆するラピス
「ディーノ様は、私を愛してくれている。私の彼をこの上なく愛しているわ。」
「だからこそ!!!今のこの現状を打破して!!健康なまま彼と一生を添い遂げたい!ずっと一緒にいたいの!」
手にしたティーカップを高々と突き上げて宣言するランティア
こぼれたハーブティーの雫を払い除けるラピス
「なるほど。だからこそのその決断だったわけね。」
椅子に座り直し、潤んだ碧の瞳でラピスをみつめ、ぎゅっと手を握りしめるランティア
「ラピスはとってもすらっとしているし、お医者さまも褒めるくらい立派な血管をしているって、ナースの子から聞いたの。私、子供の頃からいつも一緒にいたけど、毎日どんなことに気をつかって生活をしているか具体的に聞いたことなかったからどうしても色々教えてほしくて…。」
「うーん、立派な血管はよくわからないけど…。それなりには健康に気を使ってはいるわ。」
「その、『それなり』を教えてほしいの。それを私のダイエットに役立てたいから。」
「私の生活習慣を知るのはいいけど…ランティ。ダイエットするのはあなた。だからあなたのことを教えてよ。手始めに、どんなことをしてやせるつもり?」
「そうね、まずは運動かな?走ったり、エクササイズかしら。あとは食事制限とか…しばらくサラダだけの生活かなぁ…」
ティーカップの縁をツツツ、と撫でながらしどろもどろ答える
「はい、もうアウト。」
ビシッ!っと指をランティアの鼻の先に突きつける
「あなたの体重からすると、ランニングはエクササイズは足に負担がかかりすぎて関節を悪くするわよ。それに、食生活。サラダだけだと確かに痩せるかもしれないけど、普通の生活に戻ったときに確実にリバウンドする。」
「そんな、じゃ、どうしたら…」
よし、とラピスは立ち上がり、あるものを持ってきてランティアの前に差し出す
それはまっさらなノート
「焦らずじっくり行きましょう。とりあえず目標を達成したい期日と、目標体重を教えてくれる?
…1ヶ月後に60キロ以下?馬鹿言うんじゃないわよ。死にたいの?
あと、あなたの食生活をこのノートに記して、3日後に私に見せて。食べたもの全て漏らさず、ね。ごまかしたりサバ読んだりしたら靴に毎朝小石入れるわよ。」
「ラピス…!」
キラキラと瞳を輝かせて感謝の表情を浮かべるランティア
「やるならとことんやるわよ、あなたもしってるけれど、私はこの村の美容を一身に担うプロだもの!」
こうして、ランティアの健康大作戦ははじまったのであった