第八十話 そろそろ学校、証拠は捏造！？
『続いてのニュースです、昨日、オークが暴れていた事件で、警察は反スキル社会活動家の猪塚 雄平容疑者を殺人未遂などの容疑で逮捕しました』
朝のニュースで、昨日の男が逮捕されるニュースがやっていた。
『警察によりますと、猪塚容疑者は、冒険者が使う装備用の腕輪と携帯電話を細工し、モンスターに変身した上で犯行に及んだということです、調べに対し、猪塚容疑者は、「覚えていない」と供述し、容疑を否認している模様です』
「ありゃりゃ、昨日のモンスター、人が変身してたの！？ 怖いねぇ」
叔父さんがご飯を食べながらそう言った。
確かに、これは客観的に見ると怖い。
『一方地下鉄の監視カメラなどでは、猪塚容疑者が自ら腕輪を使用してモンスターに変身した様子が映っており、警察は更なる捜査を進めています』
「ほう、これは言い逃れができないな」
シェダルは焼き鮭を食べながら言う。
まさか地下鉄のカメラに写っていたとは。
『こちら、警視庁前です！ 現在、反スキル社会活動家らが、猪塚容疑者の釈放を求めるデモを展開しています！』
映像には、活動家達が「猪塚さんを釈放せよ！」「証拠映像は公安警察のでっち上げ」「モンスター化は捏造」などの垂れ幕を掲げていた。
『猪塚さんを解放しろー！』
『公安警察は捏造をやめろー！』
『証拠品は無効だー！』
『スキル社会打倒―！』
テレビから、こんな抗議の声が上がっていた。
……なんというか、こういうのを見てるとこっちが恥ずかしくなってくる。
「そういえば昇くん！ そろそろ学校！」
「あ、やべ！」
俺はご飯を高速で食べ終わり、行く準備をした。
「じゃ、いってきまーす！」
「車には気を付けるんだよ！ ……昇くん、すっかり元気になったなぁ、これもシェダルちゃんのおかげかなぁ……ってシェダルちゃん？」
「……スキル社会は嫌いだが、こいつらのやってることには同情できないな……」
「？ シェダルちゃん、どうしたの？」
