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第七十三話 空き地に転移、俺も転移!

「一旦場所変えるぞ!」


 シェダルは転移スキルの鍵を取り出した。

鍵を外し、転移スキルに変身する。


「えぇ!? 姿がコロコロ変わっていくぞ!?」

「ありゃなんだ!? 魔法か!?」

「冒険者の技術もここまで向上したのか!?」


 機動隊の皆さんから驚愕の声が上がる。

……小松たちにも言われたからか、あまり新鮮味を感じない。


 シェダルはそうこうしているうちにホールを作り、オークと俺を中に放り込んだ。


「うわぁ!?」


 吸い込まれながら、ホールの入り口をみると、シェダルも飛び込んでいくのが見えた。

一体どこへ行くつもりだ! と叫びたかったが、気づくと既に終着駅に着き、俺とオークは地面に叩きつけられた。

起き上がると、周りは空き地で、何もない光景だった。


「ここは……?」

「今、適当な空き地にワープした、場所は知らん」

「おいおい! そりゃないだろ!」

「あの場で戦ってたら余計に被害が大きくなる! 仕方がないことだ!」

「……」


 確かに、あの場で続けていたら、機動隊員はおろか、中にいる議員や職員に被害が出ていたであろう、これは仕方が無いと思い、それ以上は言わなかった。


「それより、前を見ろ!」

「!?」


 前を見ると、倒れていたオークが起き上がり、今にも襲い掛かろうとしていた。

どうすればいい……そうだ!


「シェダル! 考えがある! 転移スキルの鍵を貸してくれ!」

「何に使うんだ!?」

「いいから早く!」


 オークは俺たちに向かって突撃を始めた! まずいぞ!

咄嗟に二つに分かれ、事なきを得た。

オークは転倒し、次に備えようと起き上がろうとしている。


「早く転移スキルの鍵を!」

「もはや仕方がない!」


 シェダルは転移スキルの鍵を外し、俺の方へ投げた。

俺はその鍵をしっかりと握り、つけていた鍵を外して、握りしめた鍵を嵌める。


『転移スキル!』


 広大な空き地に、ロック調の待機音が鳴り響く。

俺は気合を入れ、鍵を回した。


「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 移りたすぎる! 転移スキル!』


 俺は転移スキルに変身した……

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