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第七十二話 強いオーク、助太刀する

「おええええええ! ここまで来たけどやっぱ酔う……」

「ここで吐くな!」


 俺とシャダルは転移スキルで地下鉄の駅に到着した。

 官庁街であるこの辺りなら、普通なら日曜日のこの時間も人が多い筈なのだが、人っ子一人いない。

 恐らく、モンスター騒ぎでみんな逃げたのだろうか。


「全部吐いたか? なら外に行ってみるぞ!」

「あ、あぁ!」


 俺は鍵スキルの鍵を出した。

 シェダルも一度転移スキルの鍵を抜き、同様の鍵を出す。


「気合入れるぞ!」

「あ、あぁ!」


 俺たちは、変身ポーズを決め、掛け声を叫んだ。


「「スキルチェンジ!」」

『『鍵スキル!』』


 鍵を刺すと、お互いの待機音が地下鉄の駅構内に響き渡った。

 俺とシェダルは、ほぼ同時に鍵を回した。


『『スキル解放! 凄すぎる! 鍵スキル!』』


 この厳粛な地下鉄の駅には明らかに合わない、ドライバーのような槍を持ち、金と銀のコートを身にまとった男女2人が、突如として現れた。


「さぁ行くぞ昇!」

「おう!」


 俺たちは地上へと駆け上がった。


 地上へ駆けあがり、俺たちは国会議事堂の目の前に着いた。

 そこで見た光景とは。


「まずいぞ! 公安が押されてる!」


 オークの攻撃を盾で防ぐ機動隊員たちがいた。

 オークは盾に向かって突撃を続けていた。

 何とかして抑え込もうと機動隊は前進するが、この豚野郎の攻撃が激しすぎていて、なかなか進めない状況にあった。


「早く何とかしなきゃ!」


 俺はオークへ向かって突撃した。


「お、おい! まずは様子を見てからにしろ! 相手は得体のしれない奴なんだぞ!」


 シェダルはこんなことを叫ぶが、今は機動隊の人を助けるのが先だ!

 俺は機動隊が作った城壁の中に入り、オークに攻撃した。

 ドライバーを振り回すと、オークの体から火花が飛んだ。


「君は誰だ!?」

「まさか、冒険者有志か!?」

「なんでもいい! 早く何とかしてくれ!」


 城壁を形成している人々からの声援、これに応えなきゃ男が廃る。


 俺はドライバーで斬撃を繰り返した。

 ……が、やはりそう上手くはいかなかった。

 オークは俺の持っていた武器目掛けて攻撃を仕掛けたのだ。

 するとドライバーは……


「お、折れたぁ!?」


 ……先端が折れてしまった。

 こいつはまずい、ステゴロじゃ、あっちの方が圧倒的に有利だ。

 ここはどうすれば……

 すると、城壁の中に新たな乱入者が加わった。

 白い髪に銀のコートを身にまとった……


「シェダル!?」

「何をしている! だから言っただろう! 様子を見ろと!」


 確かにこの状況でそれを言われてしまうと、何も言い返せなかった。

 だが、機動隊の人に助太刀していい所見せようとしただけだったんだ!

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