第七話 蜘蛛襲来、緊急事態
大丈夫だ、きっとあの2人なら、俺なんていなくたって……
「……!?」
「岩国さん、どしたの?」
「なにか……いる」
「なにか?」
「ここにいると……危ない……っ!」
「ど、どうしたんですか? 岩国さん」
「!?……上!」
「上? ……きゃああああああ!!」
羽田の叫び声で、一瞬我に返った。
上に何かがいる?
「どうした?」
「上に何かって……うわぁ!? なんだありゃ!?」
上に目をやると、巨大な蜘蛛の怪物がこちらを見下ろしていた。
「みなさん! 急いで出口へ行ってください!」
「で、でも先生は……」
「自分の身を最優先に行動してください! さぁ早く!」
「……仕方がない! みんな行くよ!」
「こちら2組5班教諭、緊急事態発生! 生徒を出口へ避難させてください!」
◇
小松の号令で走り始めた俺たち。
眼鏡は他の教師に応援を呼び、他の生徒も避難させるように無線で促していた。
俺たちは何としてでもこの場所から逃げないといけない、これに関して言えば、俺を含め、皆同じ考えも持っていただろう。
「きゃあ!?」
「悠里!?」
羽田が転倒し、小松が立ち止まる
どうしようかと、視線を2人に目にやったその時だった
「うわぁ!?」
「……モンスター……!?」
三沢と岩国が急ブレーキし、目の前の大量のモンスターたちに視線を向けていた。
ゴブリンの大群だった。
座学の時に習った……ゴブリンは集団で襲い掛かるも地頭は基本よくない、しかし数は圧倒的なので、素人である我々一般人は必ず複数人で戦うこと。
「あぁもう!」
三沢は鎚を振り回し始めた。
「我が岩国薫の名において……この怪物たちを氷に変えよ……アイスバーン!」
岩国はゴブリンの大群を氷に変えた
三沢はその氷を破壊し始めた
「岩国さん! サポートありがとう!」
「……前見て!」
「え!? うお!?」
三沢の体に大量のゴブリンがタックルの要領で乗っかり始めた。
「愁!?」
「援護するよ!」
遅れて小松と羽田が到着した。
羽田は到着して間を空けずに矢を放ち、三沢の上に乗っかったゴブリンを攻撃した。
小松は乗っかったゴブリンたちを素手と足で殴り倒した後に、剣で攻撃し始めた。
……俺も黙ってみてられない。