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第六十八話 腕輪のパクリ? 長い歴史!

『この漫画は恋するタッチダウン、ラグビー部のドジっ子マネージャーが繰り広げる少女漫画だ』


 主人公たちの司令官(?)みたいな怪人が、少女漫画の解説をし始めた……

 何が起きたかというと、敵が人々を少女漫画の登場人物みたいな感じにして、混乱に陥れようとしているらしい。

 一般人が「目がデカくなって前が見えねぇよぉ」とか言ってたり、「先輩にタックルしたい!」とか言って見境なしにそこらに激突しまくっててかなりシュールだ。


『そもそもラグビーはタッチダウンじゃない、トライだろう……』


 登場人物の一人が突っ込む、確かにそうだが、それ以外に突っ込むところがあるだろうと言いたい。


『主人公が第一話で言い間違えてしまうんだ』


 司令官の怪人が言う、なぜお前が知っている。


『なぜそのことを知っているんですか!?』


 違う登場人物が俺の言い分を代弁してくれた。

 そりゃそう思うわ。


『それは勿論、この漫画を読んだんだ』


 ……なんだこれは。

 その台詞の後、いかにも人間じゃない見た目の生命体が少女漫画をまじまじと読む回想シーンが入った。

 シュールすぎる。


「くくく……はっはっはっはっ!!」


 シェダルはその画を見て大爆笑した。

 シェダルのツボの浅さがいかんなく発揮される瞬間だった。


「見ろ! 昇! 怪物みたいな奴が少女漫画を読んで……はっはっはっはっ!」


 ……別に読んでもいいだろうに。

 そう突っ込みたかったが、怒涛の戦闘シーンが入り、それに魅了されてしまった。

 変身せずに、生身でアクションをこなしている図、これは凄まじい。


「うぉ! こいつらかなりの身体能力だな!」


 シェダルは笑いから解放され、俺と同様、アクションシーンに見惚れる。

 これは朝にやるアクションだろうか? 次々と雑魚怪人をパンチやキックで圧倒していて、迫力満点だ。

 そう考えていると、販促アイテムの銃に、これまた別の販促アイテムである銃弾のような小物を入れて変身を始める。


『ゴックンチョ! ゴブティ~ラ!』


 ……このアイテムの音声、なんか腕輪のやつと似ている。


「おい! この音声、私の腕輪のパクリだろう!」


 シェダルも同様の事を思ったらしい。

 だが……


「このシリーズ、お前がここに来るずっと前からあるぞ……」

「そうなのか? ってことは私の方がパクリじゃないか! なんてことだ!」


 シェダルはガッカリしたのか、下を向いた。

 笑ったり熱狂したり落ち込んだり、ほんと感情表現が豊かだな、そこがこいつのいいところではあるが……って何考えてるんだろう。


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