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第五十七話 オフロード、道路交通法

 安息の地の扉をかっ飛ばし、俺たちはダンジョンへ出た。


 初っ端でこぼこ道を走ることになるも、一度も転倒せずになくなくと進んでいく。


「さすがはオフロードバイクだな! でこぼこ道もものともしない!」

『何故にオフロードバイク!?』

「単純だ、かっこいいからだ」


 まぁ確かにバイク自体はかっこいいとは思う。

俺は自分の姿を見ることができないが!


 しばらく爆走していると、目の前にモンスターの群れが見えた。


『おい! シェダル! 前見ろ前!』


俺は咄嗟に警告した。


「心配ない! 行くぞ!」


 シェダルはフルスロットルで、緑の海へと飛び込む。

そして、その中を颯爽と駆け抜けていった。

……こいつ、躊躇なく轢いていったぞ。


『おい! 傷つけるなって言っただろ!』

「大丈夫だ、このバイク……お前は、そこらの攻撃じゃ傷つかない」


とは言うものの、先ほど轢いたモンスターの血液が、俺の体を汚していた。

傷つかないのは事実らしいが、もうちょっと丁寧に……

すると突然、シェダルはブレーキを掛けたのか、俺はドリフトしながら減速する。


『おいおいおいおい、なんでブレーキを掛けた!?』


急ブレーキを掛けた影響か、両手両足が熱く感じる。


「まだ生きていたか、死にぞこないが、さっさと轢死していればいいものを……」

『おい、物騒な事口にすんなよ……』


 俺の目線からは、轢いた魔物の一部が立ち上がろうとしているように見えた。


「ここはこれだな!」


 シェダルは(恐らく)自身の腕輪の鍵を変えた。


「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 射抜きすぎる! 弓スキル!』


 音声から、シェダルは弓スキルに変身したらしい

俺の目線からは、後ろの方から、矢が飛び、襲い掛かる魔物が絶命していく様が見えた。

シェダルはその後、収納スキルに変えたのか、音声が鳴り響き、魔物の遺体が俺の上の方に吸い込まれていくのが見えた……そのスキルそんな機能もあるのかよ!?

全てを倒し、死体を回収した後、シェダルは再びギアを入れ、爆速で走り始めた。

こいつ俺を殺す気かよ!


『おいシェダル! 安全運転しろよ!』

「ダンジョンに、道路交通法は無い!」

『そういう問題じゃねぇよ!』

「それにモンスターが危険だからこっちも危険運転をしなきゃ命に関わる!」


 屁理屈を言ってモンスターなどお構いなしに轢いていくシェダル。

こいつにハンドルを握らせると命が危ないということを学んだ。

すると、目の前にこれまでとは比較にならない程の大きい魔物が立ち塞がっていた。


『おいおい、どうすんだよ!』

「このまま突っ込むぞ!」

『お前正気かよ!』

「正気に決まってるさ!」


 すると俺の首元で、鍵が動く感触がした。

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