表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

65/408

第五十六話 俺がバイク、シェダルが跨る

「あぁ、今のお前はバイクになっている」

『は?』

「だからそのまんまだ、今のお前はバイクスキルの姿だ!」

『はぁぁぁぁぁ!?』


つまり……俺は今、「バイクそのもの」ってことか!?


『ふざけるなよ! 人をこんな姿にしやがって! つーかバイクスキルってなんだよ!』

「この鍵は、ライダースキルの鍵を作った時にできた失敗作だ」

『はぁ?』

「作って試しに使ってみたら自分がバイクになってしまってな! 元に戻るのに一苦労だった! ははは!」

『ははは! じゃねぇよ! おい、元に戻しやがれ!』

「いいのかなぁ? 今のお前は、私がいなければ元に戻ることもできない、転移スキルを使いたくないのなら、移動手段はこいつしかないぞぉ?」


シェダルは悪魔が契約を持ちかけるかの如く、不気味な笑みを浮かべた。

こいつ……。


『……わかったよ! だが、傷つけんじゃねぇぞ!』

「いい子だなぁ、よしよし」

『おい! 撫でんじゃねぇよ!』


今の俺にはどうすることもできない。

転移スキルを嫌がったのは俺だし……ここは大人しく、従おう。


「さて、じゃあ乗るぞ!」

『ちょ、ちょっと待て! 上手く乗り回すにはライダースキルの鍵とか使った方が……』

「あぁ、バイクスキルならだれが乗ろうがうまく乗れる、そこは心配しなくていい」

『そうか……ってそれならせめてヘルメット被れよ! ノーヘルは危ないだろ!』

「大丈夫だって、私の運転裁きを侮るなよ!」

『おい! ちょっと……』


俺の背中のあたりに、シェダルが跨った。

まるでお馬さんごっこをする、子どもと親兄弟のような感覚になる。

というかこれ、結構恥ずかしいな! こういうので喜ぶ変態には御褒美だろう、個人的にお勧めしないが。


「さ、風を切っていくぞ!」


シェダルは、俺の脇腹付近にあるギアを切って、フルスロットルで走行を始めた。


『おいおいおい! 酔う酔う! 酔うから!』


そんな訴えをしたが、エンジンの爆音聞こえなかったのか、はたまたスルーしたのか、シェダルの耳には届かなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ