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第五十話 剣には剣、金と銀

 シェダルはモンスターを見て、戦闘態勢を取った。


「こいつらならもう余裕だろう? 昇!」

「おうよ!」


 目の前には、剣を装備しているゴブリンが複数人いた。


「さぁ行け! 分かってるな!」

「あぁ! こいつを使う!」


 剣には剣だ!

俺は持ち手に剣が描かれた鍵を腕輪に刺した。


『剣スキル!』


 そして、待機音が鳴る中、回す!


「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 切り裂きすぎる! 剣スキル!』


 俺は黄金の甲冑を身にまとった姿になった。

……やっぱりこの姿、悪趣味だよなぁ。


「さぁ行ってこい!」

「おう!」


 シェダルの掛け声で、俺はゴブリンに襲い掛かる。

剣道でいう、胴の動作で攻撃し、ゴブリンを一掃する。

ゴブリンの血液が俺の金の装甲を汚していった。

しかし、そう簡単に物事は進まない。

一定数倒した後、最後の一体になる。

そいつは、明らかに他の奴とは違い、体格がデカい。


「テメェで最後だ! 行くぜ!」


 先ほどのように攻撃を仕掛けるも、奴は自身の剣でガードをし、俺に足の裏をお見舞いしてきた。


「ぐわぁ!?」


 俺は情けなく転倒するも、足で受け身を取る。


「まだまだ!」


 諦めず、剣で攻撃を仕掛ける。

 だが奴は、他の連中よりも頭がいいのか、それらを自身の剣でガードを続けた。


「おい! いつまでキンキンしてるんだ! 体を狙え! 体を!」

「狙ってるよ! つーかなんだよキンキンって!」


 いきなり擬音系を使ってきたので思わず突っ込んでしまった。


「あぁもうじれったい!」

「おい! どこに行くんだ!」


 俺は言った後ろに下がり、別の鍵を刺した。


「次はこれでいく!」


 俺は持ち手に弓が描かれている鍵を刺した。


「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 射抜きすぎる! 弓スキル!』


 俺は弓スキルの姿になった、下を向くと、ダンジョン探索の授業の時の羽田に近い服装になっていた、多分髪型も金髪だろう。

 俺は矢を放ち、ゴブリンに攻撃する……が。


「やべぇ……」


 奴は矢を見切って、剣でそれらを弾き飛ばしていた。

 気が付いたら、奴は既に俺の目の前にいて、両手で剣の鞘を持ち、今にも俺の体目掛けて振り下ろそうとしていた、やばい! 死ぬ!


『スキル解放! 切り裂きすぎる! 剣スキル!』


 俺と違う場所からその音声が流れ、気が付くと、ゴブリンは腹から血を噴き出した。

横を見ると、銀の甲冑に身を包んだシェダルがいた。

 ゴブリンは、自身の武器を落としてしまったようだが、まだまだやる気だった。

するとシェダルは、腕輪の嵌めていた鍵を動かした。


『剣スキル必殺!』


 そんな音声が流れ、シェダルの剣が光りだす。

 丸腰で襲い掛かるゴブリン、そんな中で再びシェダルは鍵を動かした


『剣スキル! 切り裂きすぎフィニッシュ!』


 音声と同時にシェダルはゴブリンを一刀両断し、ゴブリンは……絶命した

 シェダルを見ると、既に剣に付着した血液を振り払って、納刀していた。


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