第四十一話 大量のスライム、鍵を探す!
モンスターの目の前に到着すると、赤や青などの複数の配色のスライムたちが待ち構えていた。
「この程度なら余裕だろう? なんせ安息の地のモンスターを倒したわけだしな!」
「いやぁ……あの時はノリで……」
「またそのノリを呼び覚ませ! さぁ行け!」
「お、おい!」
シェダルは俺の背中を物理的に押し、俺は戦場へ駆り出される。
スライムは、そのゼラチン状の物体らしからぬ獣の目を俺に向ける。
「あぁもう! どうにでもなれ!」
俺はドライバーを振り回し、スライムに攻撃を仕掛ける。
だが……
「こいつら、振っても突き刺しても再生しやがるんだが!?」
そういえば座学の授業で言っていたな。
スライムに物理攻撃はほぼ効かない、スライムの弱点は……
「火だ!」
「お、ようやく気付いたな!」
シェダルは既に答えを分かっていたようだった。
学校の授業が大事だということを改めて実感したのと、シェダルが自称天才と言ってるのも納得できる事を感じた。
「でもどうやって火を出せばいいんだよ!」
俺はスライムに攻撃しつつ、離れた位置で見守っているシェダルに向かって叫んだ。
「お前……火も水も自在に出せるスキルがあるだろう。」
「何!? 忍者スキル!?」
「それもそうだが! もっとオーソドックスなのがあるだろう!」
「オーソドックス? あっ!」
『魔法スキル』……陰キャちゃんこと岩国のスキルだ!
ケースを開けて鍵を探すも、暗くてどれがどれなのかが分からない。
やばい! 攻撃が……
「うわぁ!?」
スライムの大群が俺に向かって襲い掛かる。
俺はスライムの山に埋もれ始めた。
「シェダル! 助けてくれ!」
「そのくらい自分で切り抜けてみろ!」
「んなこと言っても!」
「私がいない時はどうするつもりだ!?」
「その時はその時で何とかするから! 早く助けて!」
助けを求めるも、自分で何とかしてみろと聞かないシェダル。
確かに言い分は間違いではないが……
俺は応急処置でドライバーを振り回し、スライムを払いのける
「落ち着け! 魔法スキルの鍵は持ち手が水晶のように丸い球体だから触れば分かる!」
「球体!? えぇ~と落ち着け……」
ケースを弄り始める、まずい! またスライムが……
落ち着け……落ち着け……
「あった!」