エピローグ 俺の未来、俺たちの将来!
……あれからまた数年後。
俺は大学生になった。
大学のランクは……まぁまぁなところだけど、何も不満は無い。
寧ろ、友達が沢山できて、とても楽しい。
選んだ学部は……工学部だった、理由はシェダルの影響が強い。
最近の工学部は、魔術を交えた技術も教えているみたいで、講義もとても楽しい。
……そして、俺はただの大学生じゃない、俺は……。
「おう昇! あいつを何とかしてくれ!」
「はい!」
俺は本格的に冒険者になった。
理由は、広い世界を見たくなったからのと、少しでも学費を抑えるため。
剣さんのパーティに所属し、日々奮闘している。
たまーにシェダルも協力してくれていて、とても頼もしい。
剣さんは厳しい一面もあるけど、モンスターを倒して誰かの役に立っていると思うと、嬉しい気持ちがあった。
そんでもって、余った時間は何をしているのかと言えば。
「あーダメダメ! それだと時間かかっちゃうよ! 昇くん!」
「じゃあ……こう?」
「そうそう!」
余った時間に、俺は叔父さんに鍵について教えてもらっている。
もしも叔父さんに何かあったら、俺が叔父さんの代わりになりたい。
シェダルもできるみたいだけど……シェダルだけに任せるのはどうかと思ったし。
……他のみんなはどうしたのかと言うと、まず翔琉は建築の道に進んで、親の会社を継ぐことを決めたらしい、その為に一流大学の建築学部に進んだ。
本人は「色々考えたけど、俺は継ぐことにした、でも父さんとは違う経営をしたい」と語っていた、まぁ奴なら行けるだろう。
悠里は防衛看護大学に進んだらしい、理由は「誰かの力になれる一番の近道」だと考えたかららしい……もしかしたら既に自衛隊員であるお父さんの影響もあるのかもしれない。
……実はこの間久々に会ったんだが、髪が黒になってた上にアクセサリーも取っていた……そんでもって、訓練の影響かムキムキになってて、一瞬誰だかわからなかった。
愁は児童養護施設の職員になりたいと語っていた、その為に福祉系の大学に行っている。
理由を聞いたら「俺みたいに独りぼっちになっている子ども達の力になりたいから」と言っていた。
愁のお母さんも最近戻ってきて、久々に会った時、愁は今まで以上に元気そうだった……きっと2人には幸せな未来が待っていると俺は信じてる。
薫はバイクの事をもっと学びたいという理由で、大手自動車会社が運営する大学に進んだ、将来的に実家のバイク屋をもっと発展させたいらしい。
久々に会った時、かなり生き生きとしていた、好きなものに囲まれて、相当大学生活が楽しいらしい。
……余談だけど、愁と薫は大学が近くて、2人で仲良くルームシェアしてるらしい……本格的に付き合い始めたのかな、あの2人。
……俺は皆と違って、将来何になりたいかとか、まだ決まっていない。
でも、きっと未来は明るい。
確かに世間からすると無能な鍵使いな俺だけど、俺はそれを受け入れる。
だって俺は、シェダルから受け取ったこの腕輪で、たくさん勇気を貰ったから。
「ほれ昇! 今日もダンジョン探索があるんだろう!」
「昇くん! 早く行かないと遅刻だよ!」
……そういえばそうだった。
「シェダル! 転移スキルの鍵貸して!」
「またか! もう使うんじゃないと言っただろう!」
「頼むよ~」
「仕方がないな……行くぞ!」
俺とシェダルは鍵屋を出た。
俺の今の目標は、シェダルに一人前の男として認められること。
そして……願わくば……。
「あ、待って! 酔い止め薬……」
「ほら早く来い!」
「行ってらっしゃい、昇くん!」
……俺たちはダンジョンへと転移した。
ここまでご覧いただき、本当にありがとうございました。
そして、約5か月間、応援ありがとうございました。
ここまで来れたのも、続けて読んでくださっている読者の皆様のおかげです。
お時間がございましたら、今後の参考にしたいので、「ここのこの部分が良かった」「このキャラのこの部分が好き」「ここのこういう設定が好き」「ここの場面はこうして欲しかった」「このキャラはこうして欲しかった」「ここにはちょっと不満があるのでこうして欲しかった」などのご意見を感想欄へお願いいたします。
そして、広告下の☆評価、ブックマーク、本当にありがとうございます。
ローファン日間ランキング60位以内に入れたのも、評価ptを入れていただいた、ブックマーク登録をしていただいた皆様のおかげです。
また、活動報告にここまで執筆をした個人的な感想を述べましたので、お時間がございましたらご覧いただけると嬉しいです。(長いです)
最後に、小説未満とも言えるこの作品を最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。
次回作も考案していますが……しばらくは休みます。
もしも私の名前、「立風館幻夢」をどこかで見かけましたら「こんな奴いたな、ちょっと作品見てやろうかな」と思っていただいたら幸いでございます。
皆さま、本当にありがとうございました。
それでは、またどこかで。




