表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/408

第三十七話 君のレベル、何レベル?

「なぁ、出掛けるってどこに?」


 俺は食べ終わった後、廊下を歩きながら、シェダルに質問した。


「ダンジョンに決まっているであろう」

「はぁ?」


 シェダルは、さも当たり前かのようにそう言った。


「まずはレベル上げだ、数字を上げなきゃ、仕方がない。」


 確かにそうだが……もっと他で善行詰むなり……って言っても、腕輪があるならダンジョンの方が手っ取り早いか。

 そんな事を考えていると、携帯に通知音が鳴る、パーティのメッセージ欄だった。

 それには、こんなことが書いてあった。


『今日、ダンジョンに行ける人いる? せっかくだから予行演習やろう!』


 小松だった、今最も目にしたくない名前を見て、俺は携帯の電源を消した。


 俺は部屋に戻ろうとした。

 シェダルは「どうせすぐ行くんだから、私も」などと言って部屋に入ってきた。

 ……異性の部屋に堂々と入るってどうなんだ?


 シェダルは俺のベッドの上に座り込み、俺はその対面にある椅子に座った。


「……ちなみにお前のレベルは?」

「うーん、ざっと500かな」

「ご、ごひゃ……」


 凄すぎる、これもウトピアでマルチに活躍していた所以だろうか?


「ちなみに昇は? いくつなんだ?」

「……」


 はい! レベル1でございます! なんて言えるわけがないだろう。


「おい! 早く答えないか! お前のレベルは!」

「……言いたくない」

「どうして?」

「……言ったら笑うからだ」

「笑わないから言ってみろ!」

「……」


 ダジャレで笑うような奴が、俺のレベルを聞いて笑わないわけがない。

 何としてでも口を閉ざすんだ。


「ふーん、そうか、ならば仕方がない」

「……?」

「そーれ! こちょこちょ~」

「うわぁ!? はっはっはっはっ!!」


 突然シェダルは俺の首元と脇に指を突っ込みくすぐり始めた。

 不意打ちとは卑怯な……


「さぁ言え! お前のレベルは!?」

「はっはっはっは!! わかった!! 言うから!! これ以上はやめてくれ!! はっはっはっはっは!!」

「本当かぁ?」

「本当だ! はっはっは!!」


 シェダルはくすぐりをやめた、この隙に……


「あ! 逃げるな!」

「!?」


 シェダルの得意技、俺の手首を掴むが炸裂した。


「まだくすぐりが足りないよだな、次は笑い死ぬまでやってやるぞぉ~?」

「ああもう! わかったよ! レベル1だ!!」

「……へ?」


 観念した俺は、自分が一番口にしたくない一桁の数字を暴露した。

 シェダルは困惑した様子だった。

 昨夜の風呂場の年齢公開の時とは逆の立場だ。


「俺のレベルは1だよ! さぁ! 笑いたけりゃ笑え!」

「……」

「なんだよ? ……って!?」


 シェダルは急に俺に抱き着いてきた。

 え!? 何!? この子情緒不安定なの!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ