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第三百十六話 それは正解、祝賀会!

「……回収完了」

「……ここまで長かったな、昇」

「……あぁ」


 俺たちは回収を終えた後、変身を解除して、海岸に座り込み、黄昏ていた。

 片手には、シェダルの温もりを感じる……やべぇわこれ、めっちゃ緊張する。


「なぁ昇」

「な、何!?」

「ははは、お前緊張しているのか?」

「あ、当たり前だろ……好きな奴と2人きりなんだからよ……」

「あはは、ダンジョン探索する時もいつだってずっと2人きりだったじゃないか」

「そ、そうだけどよ……」


 ……にしても、これにてこのダンジョンの探索は一旦終了か。

 今から新たな魔王が……あっ!


「やべぇ! 剣さんに連絡しないと!」

「おおっと、そうだったな」


 シェダルは携帯を取り出し、スピーカフォンの状態で、剣さんに電話を掛けた。


『おっす! 同志! どうした?』


 1コールで出た……早いな。


「あ、もしもし? シェダルです、今昇とダンジョンの15階層にいるのですが……」

『まさか魔王を倒したのか!? マジか!?』


 いやまだ何も言ってないだろ、正解ではあるけどさ。


「そ、そうです! 俺たち、やりました!」

『流石我が同志の2人だ! お前らならやってくれるって信じてたぜ! そうだ! 今から祝賀会でもやろう! ちょうどあと数十分でギルドを閉める予定なんだ! 準備しておくからギルドまで来てくれ! 住所は検索すれば出るからな!』

「え!? しゅ、祝賀会!?」

『じゃ、待ってるぜ! あ、ダンジョンは今から閉めるよう要請しておくからな!』

「え、ちょっと!」


 ……切れたし。

 祝賀会って、そんな大袈裟な……。


「いやはや、凄いことになったな、昇」

「ほんとだよ……」

「まぁまぁ、向こうがせっかくやってくれるって言ってるのだから、早く向かおう」

「あぁ……」


 シェダルは転移スキルに変身し、俺たちは冒険者ギルドへと向かった。



 一度鍵屋に戻って風呂や着替えなど準備を整えた俺たちは、早速冒険者ギルドへと向かう。

 祝賀会ということで、シェダルはそれらしいドレスを着ている……そんな服持ってたんだ、失礼だけど。

 ちなみに例によって色は白銀……なんとなく、素敵だと思ってしまったのは秘密だ。


 そんで、俺は学校の制服を着ることにした……シェダル曰く「学生服はどんな時にでも使えるから着ておけ」らしい……確かに小学校の頃制服だったけど、父さん母さんの葬式でもそうだったかな……って、嫌な事を思い出してしまった。

 ……というか何気に初めて冒険者ギルドに行くわ、換金はシェダルがネットでやってるらしいから、そもそも行く機会が無いんだが。


「着いたぞ、ここらしい」


 ここが……冒険者ギルド祇園支部……。

 何と言うか、当たり前と言えば当たり前かもしれないが、普通の建物だった。

 なんだろう、市役所とか県庁とか、その辺に近い感じだった。


「よし、行こう、昇」

「なんか緊張する……」


 やはり初めてというのは、どんなことでも怖いものだ。

 今俺の目に見える冒険者ギルドは、ダンジョンよりも恐ろしいものだった。

 回転扉を通り、俺たちは受付へと向かう。

 えぇっと……なんて言えばいいんだろうか? シェダルは視線を送ってくる「早く何か言え」というように


「えぇー……こちらに登録している金剛昇と談義所シェダルというものですが……今日こちらに、冥加剣という方と待ち合わせを……」

「副支部長の冥加との面会でございますね、お話は聞いております。少々お待ちくださいませ」


 やっべぇ……緊張したぁー……。

 受付の人は内線を掛け、剣さんを呼んでいるようだった。

 ていうか剣さん、今更だけどここの副支部長だったんだ。

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