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第三十六話 朝の紅茶、早食いはダメだ

 ダンジョン探索、安息の地での出来事、新たなる力、新たなる同居人、そしてその同居人と一緒に食事と風呂……


 濃すぎる一日を終えて次の日の朝……土曜日


「ふぁ~……6時30分か……」


 スマホを見ると、普段学校に行く日よりも1時間くらい早く起きてしまったようだ。

 昨夜、ベッドに入るや否や、俺はぐっすりと眠ってしまったようで、その影響で珍しく早めに起きてしまったようだ。

 着替えて、下で朝ごはんでも食べよう……



「おはよう! 昇くん!」

「やぁおはよう! 昇」

「……おはよう」


 居間に入ると、叔父さんとシェダルが、紅茶片手にトーストを食べていた。


「あ、昇くんの分も用意するね!」

「あ、ありがとう……」


 叔父さんはもう一枚焼くために台所へ向かった。


「ほら、お前の紅茶だ」

「ありがとう」


 シェダルは既にこの家に馴染んだのだろうか?

 叔父さんとそれまでに談笑していたように思えた。


「はい! 昇くんのトースト!」

「ありがとう、叔父さん」

「いやぁ、シェダルちゃんの紅茶美味しいねぇ! 普段緑茶ばっかり飲んでるんだけどこれからは紅茶にしようかな?」

「あら、ありがとうございます、卓郎さん」


 確かに、シェダルの淹れる紅茶は美味い。

 初めて安息の地で飲んだ時も、叔父さんと似たような感想を俺は抱いた。

 ウトピアの紅茶は、本場と言われているイギリスと似たような感じなのだろうか?

 そのくらい、美味しい。


「いやぁ、仮にシェダルちゃんが昇くんと結婚したら、死ぬまでこれが飲めるのかな?」

「!?」


 思わず紅茶を吹き出しそうになった。

 そういえば付き合ってる設定だったことを、すっかり忘れていた。

 あまりに突然すぎる発言……予想もしていなかった。


「ちょっと叔父さん! それ半分セクハラだろ!」

「あ、いや……そんなつもりで言ったわけじゃないんだよ!?」

「いいですよ、本当にそうなるかもしれませんし」

「そ、そうだよね! でも、ごめんねシェダルちゃん」

「いえいえ」


 シェダルもなんでそれに乗るのか……乗らなきゃまずいのはそうだけれども。


「ところで昇! 今日は一緒に出掛けるぞ!」

「えぇ!?」


 藪から棒に、シェダルはそう言った。


「おやぁ? デートかな?」


 叔父さん的にはそう聞こえるだろうが、俺が思うに、きっとろくなことではない


「さぁ、そうと決まればさっさと食べよう!」

「お、おう……」

「こらこら、2人とも! 早食いしちゃだめだよ!」


 叔父さんの注意を聞かず、食べ進めた。


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